邪神降臨・魔の祭礼

 

サイクリンガー明は、ネパール西端の国境を目指し突っ走ります。

しかし、近頃、どうも村人の様子がオカシイことに気付きました。

妙に浮かれています。赤や青の色の付いた水を、通りかかる人に片っ端からかけまくっています。もちろん、サイクリンガー明もかけられました。

集団で歌を歌っている光景にも、よく出くわします。

子供たちの集団に囲まれると、さぁタイヘン。小銭をせびられます。

ケチなサイクリンガー明のこと、小銭をあげるわけありません。しかし、普段はおとなしい子供たちも、なにか興奮気味で、なかなか離してくれません。強行突破しようにも、10人くらいで囲まれては、とても無理です。しかし、しばらくもめていると、大人がやってきて、なんとか子供を立ち去らせてくれます。

どうやら、ヒンズー教のお祭り「ホーリー」というのが近づいているようです。これは、インド・ネパールに存在する「カースト制」を気にしなくていいという「無礼講」的なお祭りで、普段はちょっと距離を置いて見られている旅行者も、気軽にいたずらを仕掛けられます。

「なんでも、インドのほうでは、毎年何人も死人が出るほどのお祭りらしい。カースト制を気にしなくていいというところが、ヤバそうだ。

でも、僕の通ったあたりを見る限りでは、立派な車に乗った金持ちたちには手を出そうとしていなかった。無礼講といっても、普段顔を合わせるもの同士でのことなんだろう。まぁ、世の中こんなもんだな。」

そして、サイクリンガー明はようやくインド・ネパール国境へ。

彼は、国境を越える前に、ネパールのお金を使いきろうとしたのですが、ホーリーのためほとんどのお店は休み。この先役に立たないネパールのお金をどうしようか悩みましたが、国境にある両替屋で、なんとか両替に成功。

そして、彼は再びインドへ!!

「いきなり道が二手に分かれていて、インド製のへっぽこ地図のおかげで、間違ったほうに進んでしまった! 10km進んだところで気付いたけど、往復で20kmの無駄! 1日で100kmくらい進むことを考えると、かなりの無駄! チクショー!! 長い旅なんだから、20kmくらいどうでもいいんだけど、すごく損した気になる。なんつーか、目先のことしか見えてない感じだな。こんなことじゃイカン。

とはいっても、一度通った道をもう一度通るというのは、すっごくイヤ・・・・。世の中にこれ以上にムダなことはあるだろうか!」

インド再入国するなり失敗してしまったサイクリンガー明。この失敗が引き金になったのか、彼は突然強烈な下痢に襲われました! しかも便所がない!

「便所がない! なんでだよ〜!! 泣きそうになりながら走りつづけると、イスラム教の超巨大なモスクを発見! ダメでもともとでそこに飛び込むと、すごく立派な便所を使わせてくれた! しかも、今夜は泊まっていってもいいという! すげぇぜ、ムスリム!(イスラム教徒のこと)しかし、まだ、昼をちょっと過ぎたところだったので、20kmのムダを取り戻すためにも、さらに進むことにした!」

さて、再び入国したインドでは、西ネパールとは違い、いろんな店もあって活気があるようです。道も、いきなりとんでもなく良くなりました。ネパールのダートとはすごい差です。下痢で体力を消耗しましたが、道が良いおかげで、すいすい進むことができました。そして、ヒンズー教の建物っぽいもの(なんじゃそりゃー!)が見えたので、そこで泊まらせてもらおうとズカズカと入っていきました。

そこは、個人の家でした。そして謎の建物は、ヒンズー教徒が拝むための場所でした。大きさは、直径5メートルくらい、高さ3メートルくらいで、小さなモスクのような感じです。その周りをくるくる廻ってから拝むのだそうです。

自宅の庭にそんな建物があるくらいなので、金持ちの家かもしれません。これは追い返されるかも! しかし、追い返されたところで、彼には失うものはありません! いけ! サイクリンガー明!

「下痢のせいで顔色が悪かったのが良かったのか、泊めてもらうことができた! そこは、なんと裁判所に勤めている人の家で(シビル・ジャッジといってたので、裁判官か?)、シブイ顔のオヤジが歓迎してくれた! 来客用の部屋を貸してくれ、シャワールームも使わせてくれた! ラッキーだぜ!!! もっとも、シャワールームには、ハマダラ蚊がたくさんいて、数カ所刺されたがな!」

ハマダラ蚊とは、マラリアを媒介する、イヤなヤツのことです。

「当然メシも食わせてくれた。金持ちの家なので、うまいもんが食える! 超ラッキー!・・・・と思ったら、熱心なヒンズー教徒のため、肉類はいっさいナシ。卵もダメ。ちょっとマイッタね! でも、まぁ、町の食堂より、よっぽどうまいものが食えたので、文句は言わないぜ! コーヒーまで出してくれた!(もっとも、インドらしく、とてつもなく甘かったが)

以前、この家には、「ヒトミ」という日本人留学生が来ていたことがあったらしく、気軽に泊めてくれたのはそのせいかもしれない。「ヒトミ」は、デリーの日本大使館に勤めているそうだ。

なんでも、明日がホーリーのピークらしく、もう一日泊まってけ!と言ってくれる。今日でさえ、かなり殺気立ってる人がいたので、泊めてもらうことにする。

主人は「なぜ旅をする?」「旅の技術は誰に教えてもらった?」「親は心配しないのか?」などと質問してくる。

なぜ旅をするのか。なぜだろうね。はじめて自転車旅行をした高校生のころから、自分でも不思議に思ってた。日本国内を旅行したときは、出会うサイクリストに聞いてみた。みんな、人とのふれあいがどうとか、普段じゃわからないものを見られるとか、いろいろ言ってたけど、どうも確信が持てないような口ぶりだった。きっと、よくわかっていないんだろう。僕にもわからない。ここでは、「子供のころからの夢だ!」と、ありきたりのことを答えておいた。この言葉はかなり強力で、たいていみんな納得してくれる。納得してくれないのは自分だけだ。

サイクリングなんて、毎日つらいことばかりだ。体はつかれるし、物を買うのにもいちいち値段交渉しなければならなくて、気力をつかう。便所も食事も睡眠も、自由にとることができない。毎晩、寝るところを探すのがとても苦痛だ。強盗や野犬に対する恐怖は大きいし、突然の雨も心配。明るいうちなら、いろいろ場所を探せるけど、テントを張ってると目立ってしまう。また、良いところがみつからず、だんだん日が暮れてくると、ものすごいあせりを感じ「これからいったいどうなるんだろう」と、不安になってくる。

こういうのを楽しめるようになれば、一人前のサイクリストなんだろうか。

日本を出て2ヶ月ちょっと。「普通の人」からは少し外れてしまったが、「スゴイヤツ」には、まだほど遠い。後戻りはできないところまできてしまった。

トルコまで、まだ三分の一進んだにすぎない。先はまだまだ長い。

この先、どんどん暑くなる。パキスタンにはホモが多く、野宿は気をつけないと行けない。

最近、気力が失われてきている。この家の主人と話したせいで、日本のことを考えてしまった。うまい食べ物。湯をたっぷりと張った風呂。安全な睡眠。ヘヴィメタル。まんがに小説に映画。僕はどうしてこんなところにいるんだろう。

しかし、なんとしてもトルコまでは行ってやる。幸い、トルコまでなら金は十分ある。

トルコまで4ヶ月かかるとすると、月に4万円は使える。1日に千円+予備費1万円だ。毎日5ドルの宿に泊まっても大丈夫だ。

今までは、日本に帰ってからの金を残そうかとか考えていたが、一生に一度の海外旅行なんだから、もっと楽しまないといけない。

自転車でシンガポールからイスタンブールまで走ったとなれば、まぎれもなく「スゴいヤツ!」だろう。今、自分の前にそういう男が現れたら、100%尊敬する。

そして、イスタンブールに着けば、「なぜ旅をするのか」という疑問に答えられるようになるだろう。」

サイクリンガー明は、十分に休息をとり、決意を新たにイスタンブールを目指すのでした。

 

ところで、今回のタイトル、大げさなわりには内容はたいしたことないですね。

「ヘンな色の水をぶっかけられたり、殺気立った子供たちに囲まれたりして、かなり怖かったんだぜ!強行突破して逃げると、石をぶつけられたりしてな!」

 

サイクリンガー明は、インドの首都デリーを目指し走ります。

すると、前方から一人のサイクリストが!

サイクリンガー明は、「ヘイ!」と大声を上げ、その男を呼びました。

しかし、男は、ものすごい剣幕で走っているため、気付かなかったようです。

サイクリンガー明は、あわててその男を追いかけました。

全力を出して走り、なんとか追いつき、そばの食堂で少し話をすることになりました。

男の名はミシェル。イギリス人サイクリストでした。

「イギリス人なら、マイケルじゃないのか・・・・」とサイクリンガー明は思いましたが、そんなことは気にしない、気にしない。一休みです。

ミシェルは、イギリスから、ベルギー、ドイツを通り、ロシアに入ったそうです。

サイクリンガー明はピンときました。

「スウェーデン人のヤンを知ってる?」

「おぉ! 知ってるぜ! ヤツとはチベット・中国を一緒に走った仲だぜ!」

なんと! 彼はヤンの相棒だったのです。

そして、現在デリーの「ツーリストキャンプ」という宿泊場には、サイクリストが7人いて、彼らのもう一人の相棒もそこにいるそうです。

「彼に、いろいろとこの先の情報を教えてもらった。彼はロンリープラネット製のインド地図をもっていて、これが非常に詳しく書かれている! どうして、他国の作った地図のほうがしっかりしてるのか、すごくナゾだ!」

二人が情報交換をしていると、さらにもう一人のサイクリストが登場。

その彼もイギリス人らしく、ミシェルと流れるようなマシンガンイングリッシュで少し会話すると、風のように去っていってしまいました。

ミシェルともうしばらく話したあと、ガッチリ握手して、サイクリンガー明は再びデリーに向けて走り出しました。

彼は、またしてもとんでもない男に出会ってしまいました。

サイクリンガー明は、日ごろの気疲れのせいで、ゲンナリした顔をしているのに、彼は太陽のような笑顔です。サイクリンガー明には、想像もつかないような冒険をしてきたはずなのに、ちっともその苦労を見せません。

きっと、人はつらい思いをするほど、いい顔で笑えるのでしょう。

いつか、サイクリンガー明も、カッコ良く笑える日がくるのでしょうか?

彼は、ミシェルに勇気と元気をわけてもらい、先に進むのでした。

 

その晩は、ちょうど暗くなったころに「ツーリストバンガロー」という宿泊施設にたどり着きました。

「昨日の『リッチな旅行をする!』をさっそく実践するときがきた! 今日はここで泊まるぜー! ・・・・と思い中に入ったら、ものすごく立派な建物! 受付の人も、ちゃんとしたスーツ着てる! 一泊なんと1000円! た、高ぇー!! しかし、すでに日はとっぷりと暮れている。また走り出すのはイヤだ。町に入ってしまったので、野宿するところを見つけにくい! 困りまくったあげく『外にテントを張らせろ!』と言ったら、『180円』といいやがる! た、高ぇー!! しかし、リッチに生まれ変わったオレは、一泊180円くらい屁でもねーぜ! 芝生のド真中のイカす場所にテント張ってやった! へへーん!

しかし、不幸の神はオレを見捨ててはいなかった! テントを張っているとき、ものすごい量の蚊が来襲! とんでもない量だ! 数千匹? オレが移動すると、キント雲のようなモヤが、頭上50cmのあたりについてくる! オッス、オラ、悟空!!

なんとかテントを張り終え、内部に転がり込むも、30匹くらいのモスキートが侵入!  リーブ・マイ・レフュージ!!

想像どおり、ヤツらはハマダラ・モスクゥィート! しつこいようだがいちおう説明しておくと、マラリアを媒介するイヤなヤツだ!

しかし、百戦錬磨の歴戦の勇士、このオレ、サイクリンガー明はあわてない。バッグからとりだしたるは、メイド・イン・ジャパンの、ゴールドバード・モスクゥィートキラー・スモーク!

必殺ウェポンを、3cmくらい折りとって点火!

テント内に、日本の夏が広がるッ!!

世界一の効き目をほこる、ジャパニーズ・ヴァンパイアキラー・スモーク! 邪悪なヴァンパイアどもは、バタバタと倒れていった・・・・。(いつの間にヴァンパイアに・・・)

しかし、ここで油断してはならないッ! とどめを刺さすのが鋼鉄の掟! 生き血をすするヴァンパイアどもは、皆、女だというが、情けをかけてはならない!  ここで気を抜くと、必殺ウェポンの効き目が薄れたときヤツらは復活し、再び襲いかかってくるという・・・。

ヴァンパイアハンター明は、虫でも殺すかのように、ヴァンパイアどもを殺戮したのだった・・・・。」

 

次の日、サイクリンガー明は、地球外生命体の手によって作られたような、不思議な建造ブツを発見しました。それは、道の脇の田園地帯に、いくつも点在していました。

その物体の形状は、高さ2メートル、直径2メートルほどの円錐系。サイクリンガー明は、ウンモ星人の地球侵略計画と関係があるのでは?と疑いました。

「これこそ、ウンモ式円錐ピラミッド!」

彼は、その物体の横を通るたびに、横目で観察しました。

ピラミッドを構成しているのは、どうも普通のレンガではないようです。直径30cmくらいの巨大なメロンパンのような形状をしていて、色はこげ茶色。ピラミッド付近からは、あやしげな香りがただよってきます。

「む! むむむ!! このウンモレンガはどこかで見たことがある!」

どうやら、彼は以前にもピラミッド構成物質を見たことがあるようです。

「た、たしか、木の幹や家の壁に貼りついてるのを見たような・・・・・。」

地球人の行動を監視するための装置でしょうか??

「村人が抱えて歩いてるところも見たような・・・・」

すでに、宇宙人の手先になってしまった人も多いのでしょうか!?

「村人が、ぺたぺたと手で固めて作っていたような・・・」

手先となった村人が、仲間を増やすために暗躍してる!?

「原材料は、牛が歩いた後に落ちていたような・・・・」

キ、キャトルミューティレイションと関係がある??

「・・・これ以上は考えないようにしよう・・・・」

彼は、黒服の男たちに見つかるのを恐れ、口を閉ざしてしまったようです。

しかし、異臭を放つ円錐ピラミッドが点在するとは、なんと恐ろしい国なのでしょうか!!

しばらく進むと、さらに奇妙なものにぶちあたりました。

大気に、うんことゲロを混ぜたような臭いが充満してきました。進むにつれて、だんだん臭いはひどくなっていきます。

彼が吐き気をガマンして進むと、前方に橋が現れました。橋の下には当然川が流れているのですが、これが、ものすごい川でした。川幅は5メートルくらい。川の脇には、水があふれないよう、土が高く盛ってあります。問題は、その川の色。ねっとりとしたドス茶色い、成分不明の川なのでした。しかも、所々に黄色い泡が浮いています。こんな川が、ゆるやかにうねりながら、ねっとりのろのろと流れているのでした。

「・・・・うーむ、成分のことは考えたくないな・・・・」

 

なんとか、あやしい川地帯を離れると、日は暮れてきました。その日は、道路沿いのレストランに屋根のある休憩所があったので、泊めてくれるよう頼みました。

「マネージャーが来るまでなんとも答えられない」と言われたので、サイクリンガー明は待つことにしました。もうあたりは暗くなってしまったので、ここで泊めてもらうしかなくなってしまったのです。

しばらくするとマネージャーがあらわれました。サイクリンガー明が泊まりたいことを言うと、「オッケー、オッケー、タダでいい、泊まってけ!」と言ってくれました。

「ラッキー! ついてるぜ!と思ったね。だが、運命はオレに楽をさせようとは思わなかったようだな」

しばらくすると、レストランの従業員らしき男があらわれ、「ここは一晩100円だ」といい出しました。

サイクリンガー明は、寝言は寝て言えよ、コラ!と思いましたが、めんどくさいし、リッチ旅行に徹するときめたので、100円くらい払おうかと思いました。

しかし! 10分後、今度は3人の男がきて、「一晩1000円だ!」とほざきだしました。

これにはさすがのサイクリンガー明もアタマにきました!

「マネージャーはタダでいいと言ったぞ! 寝言言ってんじゃねー!!」

しかし、相手は1000円だ!と言い張ります。

インドで1000円出せば、ホットシャワー付きのかなりいい宿に泊まることができます。

しかし、今サイクリンガー明がいるのは、わらぶき屋根の下にベンチとテーブルがあるだけの休憩所。

あまりのフザケ度に怒る気も失せ、荷物をまとめだすと、相手はあわてて値下げをはじめました。

「800円! ・・・いや、700円でどうだ! ・・・・しかたない、500円!」

相手する気にもなりません。

サイクリンガー明が出ていこうとすると、一生懸命引き止めます。

「そんならいくらならいいんだよ!」 インド人は、怒ったような口調で言い放ちました。

サイクリンガー明は、思いっきり相手をバカにしたような態度をとり、「フリー!(タダ!)」と言い、取られている腕を振り払いました。まるで、汚いものでも払うかのように。

「そんならいい! おまえなんかでてけ!!」

「とめてんのオメーらじゃねーか。しっしっ」 強烈な蔑み態度でサイクリンガー明は立ち去りました。

「バカなヤツらめ。おとなしく100円もらっておけば良かったものを。逃した魚は大きく見えるから、今ごろ、さぞ悔しがってることだろう。身分不相応な欲を出すからだ。バカめ」

サイクリンガー明は、下っ端従業員の悔しがる顔を思い浮かべてニヤつきましたが、彼のピンチは変わってません。いや、むしろ、真っ暗になってから外に放り出された彼のほうが悲惨でしょう。

「悔しさはヤツらのほうが上だろう。ケケケ」

・・・・なんて性格の悪い・・・・・。もともとひねくれた性格の彼でしたが、連日のインド商人との戦いのため、さらに邪悪に歪んできているようです。

とぼとぼと自転車を押しながら進むと(真っ暗で危ないので)前方に工場のようなものが見えました。彼はそこにいきましたが、門番に追い払われてしまいました。人を呪ったバツでしょう。

さらに進むと、また工場のようなものがあり、そこで再び頼んでみました。すると、「ここはダメだが、あっちならいい」と、道路脇の建物を指しました。どうやら、小さなモスクのようなものがあるようです。とはいっても、道路に面しているバス停のような感じで、いつ誰に襲われるかわかったものじゃありません。再び先に進むことにしました。

「まぁ、ここまでくると、心細いというより、今後どうなるか楽しみになってくるな。なるようになりやがれ」

結局、ガソリンスタンドが見つかり、そこで泊めてもらうことができたようです。

 

そして次の日、ついにインドの首都デリーに到着しました。

ミシェルに教えてもらったツーリストキャンプに行くと、二人のサイクリストがいました。

「二人ともスイス人で、一人はミシェルと一緒に走った「クリストフ」。もう一人は、南米北米を5年かけて走り、今度はインドにやってきた「ダニー」。

クリストフは、とんでもなくひょうきん者。ダニーは、物静かで落ち着いた感じ。二人はこの後、パキスタンからカラコルムハイウェイを通り中国に入り、中央アジアを通って、イラン、トルコ、ヨーロッパと走るらしい。

ちゅ、中央アジア!? そんなとこいけるのー!? 二人は『まぁ、大丈夫じゃない? ヴィザもとれるよ、たぶん』などと言い出しやがる!

中央アジアなんて、どんなとこなのか、さっぱり想像もつかない!! ここでも、発想の規模というか、人間の器のようなものを思い知らされた!!

たしかに、地図を見れば、そういうルートもあるにはあるが、入国可能かどうかわからないような国に行く気はおきない!

ここで、ヴィザの取りかたなどを聞くこともできたが・・・・。

ダメだ、オレにはムリだ・・・・。

やっぱり、まったく未知のところに飛び込むことはできない!

今まで会った日本人旅行者で、中央アジアに行ったという人も、行こうとしている人もいなかった。オレには二人が巨人に見えたよ。なんか、『目を輝かせて空を見上げている人を、うらやましそうに見ている人』になった気分だ。

しかしそれでも、レベルが違うとはいえ、自分が彼らと同じ土俵に上がっているというのは、すごく勇気づけられる! そう! オレたちは、走ってるときは皆同じなのだ! 汗は出るし、上りは疲れるし、腹も減るのだ!

オレの旅は、まだまだこれから!!」

 

デリーでの平穏な日々 1

 


デリーについたサイクリンガー明。

彼はこれからイラン・パキスタンのヴィザを取得しなければなりません。

しかし、その前に、日本大使館の「エンバシーレター」というものを手に入れないといけないのです!

これはなにかというと、日本大使館が「この人はマジメな旅行者です。あなたの国に入れてあげてください」と推薦してくれる文書なのです! すげー! サイクリンガー明も、国のお墨付きの旅行者か!! ・・・・実は、誰でももらえるものだったりします・・・。

これがないと、イラン・パキスタンは、「オメーのようなあやしいやつは、オレの国に入れてやらん!」と、ヴィザを発行してくれません。

こんなわけで、サイクリンガー明は日本大使館に赴きました。

「・・・・・休日だった・・・・・」

この時、彼は、大使館にも休日があることを知りました。しかし、この日は金曜日。次に開くのは月曜日だそうです。

「週休三日制か−!!]

休日なら仕方ありません。彼はスゴスゴと引き下がりました。

そして帰る途中、彼は小汚い二人の男に出会いました。この小汚さは、まさに日本人貧乏旅行者! 話し掛けて見ると・・・やはり日本人でした。

彼らもイラン・パキスタンのヴィザ関係で、こっちにきていたようです。(大使館は、たいてい一箇所にかたまってる)

サイクリンガー明は、会話しているうちに、男のうちの片方のしゃべりかたに、なにか気になるものがありました。妙に懐かしいような、故郷に帰ったような感じです。

「きみ、もしかして愛知県出身!?」彼は聞きました。

その男「ヤマグチさん」は答えました。

「うん」

彼の想像は当たりました。しかし、さらに恐ろしい事実が彼を待ち受けていたのです!!

あまりしゃべらなかったほうの男は、なんと、同じ市内にすんでいたのです!

しかも、サイクリンガー邸から、約2kmの距離! 2kmといえば、持久走の1500mよりも長く、全力で走ると疲れてしまう距離!! なんて遠いんでしょう!!

その男の名は「トミー」。男女のトミコと同じ名前です。

いや、実際は違う名前ですが、外国人ツーリストと会話するときのニックネームが「トミー」なのだそうです。欧米人には、日本人の名前は大変覚えにくいものなので、実際の名前を少し変えて名乗る人もいるようです。

トミーとサイクリンガー明は、小中学校、高校も同じでした。サイクリンガー明より6歳年上だったので、話題的には合いませんでしたが。


二人と別れたサイクリンガー明は「日本人情報センター」というところに向かいました。そこでは、日本の新聞などが読めるそうです。日本語に飢えていた彼は、矢のようなスピードで突き進みました。

「・・・・・休日・・・・・」

サイクリンガー明は、無念の涙をグッとこらえ帰路につきました・・・。

帰る途中、道の脇にしゃがみこみ疲れ果てた顔をしている日本人カップルに会いました。日本語が読めなかった腹いせに、二人に話し掛けました。

二人は結婚していて、新婚旅行で世界中の文化遺産をまわっているそうです。
1年くらい旅を続けるそうです。出発日は、サイクリンガー明とほぼ同じでした。

奥さんのほうが積極的で、なかなかのノリでサイクリンガー明と会話します。

「うむ、カカア天下だな。」

二人は、デリーの安宿街「パハルガンジ」の宿に泊まっているそうです。日本人の若者も多いらしく、情報収集に良さそうなので、サイクリンガー明は宿を変わることを考えはじめました。


次の日、彼は新たな宿を物色するため、パハルガンジに行くことにしました。

ツーリストキャンプを出ると、みるみるうちにリクシャーの群れに取り囲まれました。リクシャとはタクシーのようなものです。

彼は歩いていくつもりでしたが、行く先を阻まれ、仕方なく「パハルガンジまで行く」と言いました。

「10ルピー!」「8ルピー!」「5ルピー!」

サイクリンガー明の予想以上に安いです。リクシャとの交渉は気が滅入ると聞いていたのに、これは意外です。

「2ルピー!!!!(7円)」

こ、これは安い!! いくらなんでも安すぎる! あやしい!!

サイクリンガー明はこいつに乗ることに決めました。決めるなよ。

ブブーン!! サイコーの乗り心地! うん、サイコーに悪い!

リクシャのオヤジは、しきりに「ツーリストインフォメーション・・・・」と言っています。どうやら、サイクリンガー明を観光案内所に連れて行こうと思っているようです。

「いや、オレはそんなところいかないよ」

「まぁまぁ、ちょっと寄るだけ」

「そんなとこ行っても意味ねーから。オレは自転車で旅行してるし。金もねーよ」

キキッ! リクシャは止まりました。

サイクリンガー明は下ろされました。

ブブーン! リクシャは去りました。

「おぉ! 金を取られなかった! パハルガンジまでの距離の半分は来たな! 超ラッキー! 英語で言うと、マンモスラッキーってところかッ!!」

彼は、残りの距離を歩いてパハルガンジに着き、とりあえず、有名らしい「ゴールデンカフェ」という安食堂に行きました。

「う、うまい!! 量も多い!!!!」

この食堂は、「地球の歩きかた」で紹介されているところです。そのせいか、旅マニアは「ケッ! あんなところマズイぜ!」と敬遠しています。
(旅マニアは、『地球の歩きかた』を毛嫌いする)

しかし、この時のサイクリンガー明は、カルカッタのムスリム食堂で食べた肉入り焼き飯と同じくらいおいしいと思いました。ここは、彼にとって、インドで一番うまいめし屋になりました。

ここのメニューは、インド料理ではなく、インドの食材を使った欧米の料理です。旅マニアは、こういうところも嫌うのでしょう。

しかし、サイクリンガー明は、これまでインドの貧しい村の料理を食べつづけてきました。ご飯には砂がまじり、水はにごり、カレーは具がほとんどなく香辛料の味しかしませんでした。そして、ほかのものを食べようにも、その「ほかのもの」がない! 進むためには食べねばならない! バイクのタンクにガソリンを注ぎ込むときのことを想像しながら、彼は怪食物を胃袋に流し込んできました。

それが!! まともな味のついたものが食べられたのです! 彼のこの感動、どう表現すればよいものか!!

「人は皆、経験で物を語るもの。あのヘドロカレーを食べたことのない者には、オレの気持ちはわからないだろう。そして、オレも普通の旅行者が食べるようなめしは食べていない。彼らからすれば、ゴールデンカフェのめしなんて、ちっともうまくないんだろう。」
噂どおり、この食堂には日本の若者が集まるようです。旅マニアではない若者・・・つまり、ちょっと冒険をしたい年頃の大学生が「地球の歩きかた」片手にやってくるのです。
そして、サイクリンガー明は、そういう若者たちと会話し、「NAVRANG」という宿にいってみることにしました。

NAVRANGは、一泊50ルピーで、値段どおりの安っぽい宿です。しかし、日本の若者が多く泊まっていて、彼らと話すのは非常に楽しかったようです。

サイクリンガー明は、この宿に変わることに決めました。


サイクリンガー日記

「インドの首都デリー! ここで、オレはようやく『ツーリスト』になったと感じた!

今までは、闇雲に突っ走ってきただけだった。しかし、この町で、ヴィザ取りの作業や、同宿の若者たちと語り合い、『立ち止まって楽しむ』ということをおぼえた。

特に、他の旅行者と話をする、というのが面白かった。もちろん、これはネパールのカトマンズやポカラでもやったことだけど、ここでは、何倍も密度の濃い会話ができた。

いや、密度が濃いというのはへんかもしれない。会話の内容の大半は、まったくしょーもないことばかりだったから。

この町で、オレはマシンガンのようにしゃべりまくり、銃殺刑にされたように聞きまくった。

そして、ふと気づいた!!

こ、これは、オレが昔から求めていたものじゃなかったのか!?

そう、オレのささやかな夢・・・というか、『こんな感じになりたいなぁ・・・』と思っていたのは、自分がすごい体験をするんじゃなくて、人の冒険話を聞くことだった。

子供のころから物語が好きで、特に冒険物語が好きだった。

主人公が、得体の知れない妙な世界に行ったりするやつ。この手の童話や絵本が大好きだった。

そして、オレは『知り合いに、冒険好きな人がいないかなぁ。いろいろ変わった話を聞かせてくれる人がいないかなぁ』と思いつづけてきた。
そういう人に話を聞き、『うぉー! すげぇ!』と驚き、別の人に『オレの知り合いに、こういうヤツがいるぜ!』と聞かせたかった。

しかし、そういう人はオレの前には現れなかった。それは当然だろう。待っているだけのやつに、スゴいやつが近づいてくるわけがない。

冒険話を求め続けたオレは、いつの間にか、自分が冒険する側にまわっていた。誰もしないのなら、自分がやるしかないだろう!

高校の時、夏休みに自転車で旅行した話を級友にしたら、「へぇー、すごいじゃん」と感心してくれた。だが、なんかオカシイ! それはほんとはオレのセリフのはずでは!! いや、自分がなにかしてしまった以上、これは仕方ないのか。しかし、そのうちに、オレの前に冒険野郎があらわれるんじゃないかと思った。

その後、情報処理の短期大学に入った。そのときもあちこち旅行した。しかし、このころになると、まわりの人間は『冒険』などというものにほとんど興味を示さなくなった。『冒険よりも女と車』まぁ、当然だろう。
そして、結局、オレの前には冒険野郎はあらわれなかった。
『中学のころ、オレも50kmくらいのところ日帰りした!』『高校のころ、一度キャンプツーリングした!』こういうやつならいた。しかし、なにか違う! なにか、レベルのようなものが違う! 中学のころの50kmはそれなりにすごいが、今はどうなんだ!?
『車で青森まで行った!』 違う! かなり違う! 車で青森は、トラックの運ちゃんならいつもやってる!
中学50kmの話も、車で青森も、話を聞いてみれば確かにおもしろい。でも、心の底から『すっげー!』とは思えない。その場でじっとしていられないような、血が騒ぐ感じがない。冒険じゃなーい!
・・・しかし、成人式を前にして、『冒険』なんて真顔で言ってるほうがおかしいのだろう。

ようするに、オレは『ヘンなヤツ』だったのだ! もちろん、人前では冒険冒険なんて言わなかった。でも、免許を持ってるのにわざわざ自転車で旅行するところからしてヘンなヤツだったのだろう。しかも、車だけじゃなく、バイクの免許まで持って。

冒険なんて現実的じゃない。まったくなんの役にも立たないし、普通の生活をしている限り関わることのない世界だ。
冒険の話は、映画やまんがの中、もしくは、TVの地味な特番の中のできごと。

オレもそれはわかっていた。冒険に心をときめかせるのは子供だけ。

19歳の時、本州一周を走り終え、『今日から、新しい人生がはじまるんだ。今までのオレはもういなくなったぜ!』と思った。


そして就職し、マジメな会社員になった。

しかし、オレは、仕事中『これはやっちゃいかん!』と思いながらも、ついやってしまう行動があった!

それは、空を見ることだ!

それがどうした!という感じだが、仕事の合間に、よく晴れた青空を見るたび『これは、退職するまで、オレのものにならないんだ・・・』と思った。

空はこんなに青いのに、オレは太陽の光の当たらないところでいったいなにをやってるんだ!?
太陽はビカビカ照り付けているのに、オレはなぜその威力とは無関係なんだ!


こんなことを考えるのは、ダサダサのロマンチストだけなんだろうか!?

いや、オレはロマンチストってがらじゃない!

考えるな! 考える前に働け! 冒険は、お話の世界で楽しめ!!


・・・そして、今、オレはデリーで、ささやかな冒険の話を夜通し聞いている。冒険は、やはり本人の口から語られるのがいちばんおもしろい。これはお話の世界じゃないぜ。」


 

 

デリーでの平穏な日々 2   執筆中

 

サイクリンガー明は、デリーで無事にイラン・パキスタンヴィザを入手しました。

アイアンメイデンとボンジョビのカセットテープも購入し、元気まんまんです。

楽しかったデリーの日々よ、さようなら!

彼は再び走り出しました。

 

走り出すなりゲンナリ。

道は悪いし、向かい風、工場地帯はスモッグだらけ。

店では容赦なくぼってきます。

しかし、このあたりでは、金持ち向けのこぎれいな宿泊施設があり、そこで食事をとることができます。

値段は実に2〜3倍。50〜100円の食事が100〜200円です。

さすがに高いだけあって、味は・・・・・たいしたことありません。量も少ないです。

が、安食堂で質問攻めに合い、辛すぎるメシを食い、チマチマぼられるのに飽き飽きしていたサイクリンガー明は、大金を支払い上等なメシを食らったそうです。

 

ある日、彼が、そろそろ寝るところでも探そうか、と考えながら走っていたところ、警察の検問に止められました。インド警官どもはヒマを持て余しているので、サイクリンガー明はヒマつぶしのネタにされてしまいました。

ヒンドゥー語でいろいろ質問してきますが、さっぱりわかりません。

さっさと出発しようと思っても、「写真を撮ろう!」とかいい出し、解放してもらえません。

日はどんどん暮れていくので、サイクリンガー明は、一番えらそうなヤツに「ここで泊めやがれ!」と頼みました。

エラそうなやつは「アーミーポリス」で、多少は英語を話します。他の下っ端は「シビルポリス」だそうです。

「うむ、よかろう。」エラそうなヤツはエラそうに答えます。

「こいつはラッキー!」と、サイクリンガー明は日記をつけたり、地図を見て翌日の予定をたてたりしていました。

・・・・約一時間後、アーミーポリス2号が現れました。どうやら、さっきのアーミーポリスの上司のようです。

二号は「ここで泊まることはできん! 出ていくがよい!」と言い出しました。

サイクリンガー明は、アーミーポリス一号を指差し、「あいつはいいって言ったもんねー!!」と抗議します。

しかし、1号は、上司には逆らえないらしく、先ほどまでのエラそうな態度は影も形も無くなっていました。

「きたきたきたきた! これがインドだ! はん! オレにはこういう展開になることはうすうす予想がついてたぜ! けっ! オレはもっと寝心地のいいところで泊まるもんねー!」

サイクリンガー明は警察を出ました。

出たところで、泊まるところに当てがあるわけありません。

警察で約1時間時間をロスしてしまい、スリーピングスポットを探すのは困難になっています。

テントを張るようなところは見つかりませんし、無料ベッドのある安食堂もありません。

やがて雨が降ってきました。

「きたきたきたきたきたー!! これだ! こうなることはオレにはわかっていたぜ!!!」

 

おそらく、この時の彼は半泣きになっていたでしょう。

幸い、雨が彼の涙を洗い流してくれたので、誰にもバレずにすんだようです。

23にもなってべそをかいてたらカッコ悪いもんね。

 

やがて、ようやく安食堂が見つかりました。

喜び勇んで飛び込んだのですが・・・・・なぜか泊めてもらえませんでした。

 

夕暮れの雨の中を孤独にひた走る男・・・・。

この上なくあわれです。みじめです。神はこの世にいないのでしょうか。

ヒンドゥー教は多神教のはずです。そこらじゅうに神様がいるはずです。

オカシイです。

 

しばらく進むと、もう一軒安食堂が出現!

やった! 泊めてもらえたぞ! よかったね、サイクリンガー!

ついでに食事だ!

彼は、60円分ほどの食事を頼みました。

しかし、店のおやじは「85円だ!」とぬかします。

「きたきたきたきたきたきたぁーッッツ!! これだ! これがインドだ!!!」

サイクリンガー明は猛烈に抗議します。

なんでも、おやじは、頼んだ料理よりも上等なものを勝手に出したようです。

しかし、サイクリンガー明は「勝手に出すお前が悪い!!」と主張します。

そりゃそうでしょう。

 

が、ここでおやじの機嫌を損ねてしまうと、泊めてもらえなくなるかもしれません。

実は、この時のサイクリンガー明は、少々風邪気味でした。外は雨。日はとっぷりと暮れています。

彼は、悔し涙を噛み締めながら70円支払いました。

(結局まけさせた。まぁ、値段としては妥当なところかもしれない)

 

その日の晩は、食堂のテレビがうるさくてなかなか寝つけませんでした。

サイクリンガー明は、ウォークマンでガンマレイのテープを聴くことにしました。

「Last Before The Storm」を聴いていると、なんとなく旅に出る前のことを思い出します。

「出発する」というふんぎりがつかず、モヤモヤした気分のまま、毎夜毎夜、メタルを聴きながら矢作川の堤防を自転車で走りまわっていました。

 

サイクリンガー明は、この曲のブリッヂ部が大好きです。

 

俺たちはさらなるものを求め叫び  この世界に次に起こることに思いをはせる

俺たちは借りを返し  二度と振り返らない

 

サイクリンガー明は振り返りっぱなしです。

毎日「なんでこんなことをやってるんだろう」と自問自答を繰り返しています。

でも、そう思いながらも、インドまでやってきました。

明日は国境。パキスタン入国です。

 

 

1997/4/9 の夢

大きなビルに、たくさんの人が住んでいる。ホテルとマンションがあわさったような感じ。

地下の方にも部屋があるが、そこに住んでる人はいない。

ダンジョンのようになった地階を探検するのがはやっている。

ある時、かなり深いところのナゾの扉を開けた男がいた。

その扉からは強暴な生物が出てくる。

生物を地上に出さないように、ハンターが現れるようになる。

僕もハンターの一人。新米ハンター。

しかし、犠牲者が多すぎるため、地下は完全に封鎖されることになる。

封鎖の前に、最後のハンターの一団が送りこまれる。

僕もその中にいた。イヤだなぁ。

 

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