その男は、少女のように非力で、老人のように無力、 そして、悪魔のように冷酷だった。
|
辺境砂漠都市カヴィール。 オアシスを取り囲むように城が建設され、 その周りに小さな村が多数点在している。 過酷な環境のため、外敵の脅威はほとんどない。 村々は、城から配給される水のかわりに、 労働力や生産物を搾取されていた。
|
ノクリン、今日の予定は? |
これから、武術のお稽古、その後政治学のお勉強があり、昼食。 昼食後は、大臣達との会議、フニョリン・ペレリル様のお誕生パーティに30分だけ出席、砂漠緑化委員会との予算の打ち合わせ、そしておやつ。 その後、ラポッケリーニ皇国の王子との会見があります。 王子との会見が済んだらニャリコンスクールで講演、カヴィール新聞のインタビュー、大臣達との会議、、貴族達との夕食会、さらに大臣たちとの会議、お風呂、とどめに会議、そして就寝です。
|
休むヒマがないではないかー!! だいたい会議会議と、なにをそんなに相談することがある!? 腹が突き出たオヤジがくそくだらんことを グチグチ言い合うだけではないかー! 砂漠のはずれの田舎王子との会見だと!? かわりにおまえが出ろ!!
そ、そう申されましても・・・・
ニャルワッティ様は、この国の王なのだから、仕方ありません。 しかも、お父上とお母上が亡くなってしまった以上、 姫がこの城の城主なのですよ。 姫と呼ぶなー!! あらあら、失礼しました。 さっ、すぐにニャルワッティ様の好きなプドロ茶をお持ちしますので、 武術のお稽古の 時間まで休んでください。
|
私の名は、ターナル・ニャルワッティ。 王としての生活に追われ、 世界一贅沢な囚人となったような毎日だった。
|