第一章  1

 

 「飛び道具とは卑怯なりッ」

 「セモリナ危ないっ!!」

 ズバッ

 そこに斬り込む猫耳族の兵士。

 男は恋人を守り真っ二つ。しかし、女は悲しむ間もなく戦い続けなければならない。それが生き抜くための非情な掟。彼女はすでに4人の恋人を亡くしているのだった。

 

 

 「子供見つけた。うまうま」

 「ひえぇぇぇぇ〜!」

 巨大な肉塊が少年を捕らえる。か弱き少年には為すすべがない。

 肉塊の名は『アヤメ』。若干16歳の少年兵ながら、その常人離れした肉体はショットガンの直撃にも耐え、素手で戦車を破壊する。

 

 

 「ぶりりんっ! 危ないっ!! このバケモノ! 息子を離しなさい!」

 ドカッ!!

 少年を救ったのは、質量ではひけを取らない重戦車婦人。少年の実の母である。

 

 

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