ストーリー重視のアクションゲームです。
ゲーム部分は、近接攻撃アクションと言えるでしょうか。
3Dシューティング的なステージもあります。
はっきり言ってしまうとアクション部分の出来はかなり凡庸です。(独特のプレイ感はある)
ストーリーを楽しむ作品と思ったほうがいいです。
ストーリーはなかなかのものです。
過剰演出や意外な展開がてんこもりで先が気になる。
ネットで評判を見ると中途半端なところでストーリーが終わり結末はDLCに持ち越しとなっていますが、通常エンディングまでなら本作だけでもまとまっています。
中盤までは「これはDLCも買って全エピソード見なくては!」と思ってましたが、話が進むほど盛り下がってしまいました。
通常エンド見てからは「まぁ真エンドも見なくていいか……」という感じですよ……。
なので通常エンドまでの感想となります。
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●システム
3Dシューティング面では、□でショット、△でロックオン攻撃です。
アクション面では、
×でジャンプ、□で射撃、〇で通常攻撃、△で冷却式の強攻撃
L1でロックオン、R1で回避
です。
ゲージが溜まってからL2押すとなんか強化されるようです。
何が強化されてるかよくわからない。
ヤシャは露骨に強くなるけどアスラはあんま意味ないような感じ……。
一部の敵には体力がありません。
敵を攻撃することで怒りゲージが溜まり、満タンにしてからR2を押すとトドメとなります。
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QTEが大量に取り入れられています。
正直出来がいいとは言えない……。
昔ながらの早押し型QTEという感じ。
操作が画面にフィードバックされる感じではない。
猶予が割と長めなので、シーン送りのボタンの代わりにQTEを入れてるような印象です。
アイコン表示位置がコントローラー配置と対応してないことが多いのがつらい。
(Lスティック入力が画面中央に出るなど)
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各章はアニメを意識した構成になっており、前半パート、アイキャッチ、後半パート、次回予告、となってます。
アニメを全く見ない僕からするとアイキャッチと次回予告がものすごく鬱陶しいんだけど、アニメファンにとってはワクワクする要素なんだろうか。
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●グラフィック
メインキャラのモデルとモーションの出来がいいです。
表情も丁寧に作られていてよく動く。
ただリップシンクがめちゃくちゃなのが残念でした。英語版基準なのか。
独特のシェーダが使われておりアップでは不思議なタッチの絵になっています。
低解像度テクスチャを誤魔化すためっぽいけどいい味を出している。
キャラの出来がよい一方、背景はかなり残念と言わざるを得ない。
基本的に荒野ばかりで、地面も凹凸がほとんどない平らな広場となっている。
このあたり資金とスタッフの都合で仕方ないのかもしれないな……。
背景に関してはPS2の国産ゲームの高解像度版という感じですよ。
エフェクトも悪いとは言わないけど物足りなくて、なんか人が足りてないのかなーという感じでした。
パーティクルが少なかったり限られた表現やオブジェクトでやりくりしてるような。
走るときとかモヤっとした砂ぼこりが出るだけなのは寂しい。小石とか飛ばしてほしい……。
背景とエフェクトに関してはお金があればもっと良くなった感じがあって、なんとも残念です。
日本のゲームは絵がしょぼいとか言われるけど、金がなくて雇えないだけで力のある人はいると思うんですよ。
むしろ本作はよくやっているのではあるまいか。
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●ストーリー
とにかく過剰演出がすごいです。
主人公が神様ということもあり、章ごとの時間経過がとんでもなかったり破壊表現が惑星レベルだったりと大変なことになってます。
しかし最初から過剰な一方、話が進んでも同じような過剰さが続くので、「物語的の盛り上がり的にみると相対的にスケールが小さくなってるのでは?」と思ってしまう。
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●感想
やりたいことはものすごくわかるんだけどゲームとしては駄作と言わねばなるまい……。
アクション部分の出来がひどい。
動きとか自機周りのシステムはまぁこういうものかで済むんだけど(このへんは悪くはない)、敵アルゴリズムがあまりにもやる気がない。
基本的に「敵が攻撃するのを待って回避してから攻撃」しかやることないんですよ……。
敵によって連続攻撃の回数が変わるので、それによって回避の回数も変わる。
ボスも攻撃判定がでかくなったりするだけでほぼ同じ……。
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最初のボスでいきなり惑星レベルのサイズになり、その後も星を貫通する攻撃がでてきたりするのに、物語のスケールとしては惑星規模で終わってるのが非常に残念です。
ラスボスも「最初のボスよりしょぼいんじゃない?」という感じだ……。
過剰演出に上限があって、それが最初のボスで示されてしまうわけですよ。
あとダメージ表現もピンと来ない。
腕が無くなったり腕が生えたり死んだり生き返ったりがその場のノリで決められてる感じでした。
僕にとってダメージ表現は非常に気になる部分なんですよ。これがいい加減だと熱中度が下がってしまう。
多くの漫画では「切断」がひとつの基準となっていて、四肢が千切れるのは概ね永続的な大ダメージとなるわけです。そこから食らった技の強さとか状況の悪さとかがわかり、作品内でのリアリティの土台に繋がっている。
切れた四肢を能力でつなげるキャラが出れば相当すごいとわかるし、義手でなんとかするのはハンデを強みに変えてキャラの大きな個性にもなる。
でも「神様だから」と理由もなく腕が生えたりすると「大したことないダメージだったの?」となる……。
どうなると死ぬのかもよくわからない。(敵幹部はどんどん死ぬけど主人公は何されても死なない)
中盤から興味が薄れていったのはこれが大きい。
ノリだけの過剰演出も相まって、まじめに付き合う気がなくなるわけですよ。
腕の切断面が機械であることから、もしかしたらDLCで世界観と共に秘密が明かされるのかもしれない。
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QTEを主体にしてCGアニメとして作品を作るのはいい試みだと思いました。
これが大ヒットしていればオタク系の娯楽に新しいジャンルができていたかもしれない……。
映像コンテンツの苦手な僕にも楽しめる映像ジャンルとなっていた可能性がある。
だからこそQTEはもうちょっと考えて作ってほしかった。
僕の中でQTEはボーナス要素にするべきという考えがあって、アクション成功時に発生してほしいんですよ。
例えばとどめ攻撃がヒットしたときにQTEとなり、ここで連打なり早押しなりすると画面内のキャラもそれに応じた行動をとり成功のたびにポイントが増えるとか。
QTEとはちょっと違うけど、メタルギアライジングで細切れにするのはいい感じだった。
QTE失敗で同じシーンやり直しとかばかみたいなので勘弁してほしい。
「QTE成功で先に進む!」は達成感に繋がらないと思うんですよ……。やらされ感が強いというか。「突然現れる早押しゲームをクリアせねば」という意識に繋がっているだけで、物語のピンチ状況の臨場感が増しているわけではない。
本作のQTEは80年代のLDゲームレベルに退行した印象で、もうちょいなんか工夫できなかったのかと思いますよ……。
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試みは面白いと思う一方で、構成をアニメ的にするなど「なんで既存のジャンルに寄せちゃうの?」というのが気になりました。
アイキャッチとかなんの意味があるんだろうな……。
次回予告とかもアニメファンはああいうの見てワクワクするんだろうか。
僕は物語のネタバレがものすごく嫌なので全部スキップしてましたよ……。
先日「結末がわかっていないと作品を視聴する気になれない」人がけっこういるという話を見て、次回予告これの一種なのかと思いました。
結末云々というより内容に一定の保証や心構えがほしいのかもしれない。
ドラマ形式の演出はバイオハザードリベレーションズでも取り入れられていて、こちらはこれまでのあらすじという形だったので気になりませんでした。
特に日を置いてプレイするときにはありがたい。
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いろいろ言われてる作品ではありますが、序盤は間違いなく面白いと思うので映像作品の一形態として体験してみる価値はあると思いますよ。
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開発元 | サイバーコネクトツー |
発売日 | 2012/02/23 |
プレイ記録 | normalクリア 通常ENDまで |