僕のおすすめSF一挙公開!
長編篇。かなり偏っていると言わねばなるまい……。
思い出して書いているので説明文には間違いがあるかも。
2017 年 7 月 26 日
2016 年 4 月 4 日
スティーヴン・バクスター「時間的無限大」
このものすごいタイトルどうですか……。
これだけ大きく出るんなら、内容も相応のもんだろうな!?と言いたくなりますよ。
膨らんだ期待を満足させられるのか? ほらほら、どうなんだ、バクスターさんよー!
まっ、こういうのはたいてい見かけ倒しのハッタリ作なんですよ。
しかし……。
本作はタイトルに負けない内容ですばらしかったです。
.
「ジーリークロニクル」の長編第二作目、前作が外伝的扱いだったので本編としては一作目です。
本作と「虚空のリング」で、ジーリークロニクルの基本的な歴史は完結します。
宇宙の誕生と死滅を扱った壮大な未来史なのに、実質的には長編二作で完結とは……。(他に短編二冊と外伝二作があります)
2016 年 3 月 23 日
スティーヴン・バクスター「天の筏」
重力定数十億倍の宇宙での冒険物語です。
もうこの一文だけで読みたくなった人もいるのではないでしょうか!? 僕は一発でやられましたよ。
しかも閉塞した社会での暗黒ジュブナイル小説といった雰囲気です。
僕好みすぎて困る。
関係ないけど、今回から本文中にいくつか見出しをつけてみた。
2014 年 5 月 20 日
チャールズ・L・ハーネス「パラドックス・メン」
Charles L Harness [ The Paradox Men ]
1953年に刊行された「Flight into Yesterday」の加筆・改題版です。
元祖ワイドスクリーンバロックです。
一部のSFファンには伝説的な作品ですが、邦訳はされていません。
あまりにも読みたかったので、原書を購入して読んでしまいました。
一文ずつきっちり翻訳しテキストファイルに書きながら読み進めたので、僕はいつでも日本語版を再読できるぜ……フフフ……。
.
名ばかりが有名な古い作品というのは、読んで見たら割と期待はずれだったということも多いです。いや期待はずれというよりも、影響を受けた後発作品を先に読んでしまうと衝撃が薄くなってしまうという感じでしょうか。
しかし本作は評判どおりの傑作で楽しめました。
ヴォクトやベスター(虎よ虎よ)の大ファンなら、原書をちまちま翻訳しながら読んでも後悔することはないでしょう。
2010 年 7 月 8 日
北山猛邦「少年検閲官」
書物が禁じられた世界を舞台にした物語です。第二次大戦あたりから分岐したパラレルワールドものです。
犯罪に関する書物は特に厳しく取り締まられていて殺人という概念さえも忘れられかけている世界で、主人公の少年クリスは失われた「ミステリ」を求めて旅をしています。
ジュブナイル幻想小説的な雰囲気です。
ライトノベルとか読んでる層にも受けるのではないでしょうか。
毎度おなじみの無茶すぎるトリックも炸裂します。
しかし仕掛けの肝はやはり世界設定でしょう。まず世界設定があり、そこから無茶なトリックを導き出したという印象です。そのせいかバカバカしさがかなり薄れ幻想的な世界観がより強調されています。
排他的な町での物語なのに関わる人たちが皆主人公に好意的で、ちょっと緊張感のないのが残念です。しかも主人公は禁制の知識を求めて旅しているので、もう少し孤独感があったほうがいいんじゃないかと思いました。
.
前半はさほど盛り上がらず地味な印象でしたが、中盤で少年検閲官と共に「ガジェット」が登場したあたりからグッとおもしろくなりました。
この「ガジェット」はおもしろいです。まんがやゲーム的なアイデアで、ぜひとも続編を読んでみたいです。しかしこの人はキャラや設定を何の未練もなく使い捨てる人だから望みは薄い……。
主人公も少年検閲官も女の子受けする美少年なので漫画化すれば人気でそうです。
問題がひとつあります。犯人の持ってる○○関係ないじゃん! ミスディレクションにもほどがある。