C92日記です。
コミケ直後に書いたんだけど、例によって書くだけで満足してしまいアップしていなかった……。
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今回の旅のお供はグレッグ・ベア「凍月(いてづき)」。 約20年、本棚の肥やしになっていましたよ……。
グレッグベアは中編の「鏖戦」はかなり素晴らしかったものの、代表作の「ブラッドミュージック」は悪くはないけどまぁこんなものかという感じで、「永劫」は眠くて途中で投げ出してしまいました。
そこでこの凍月ですよ。長めの中編といった分量なので、つまらなくても投げ出すことはないだろう。そしてこのタイトルのかっこ良さ……。原題は「Heads」だそうです。この邦題のハッタリ感は酒井昭伸ぽいと思ったものの訳者は小野田和子でした。なんか聞いたことあるな……という認識の訳者だった。調べたら、バクスターとか訳していていました。愛読書なのになぜ覚えていなかったんだ……。
本作のSF的な小道具としては量子コンピュータ、絶対零度、凍結した脳からの記憶読み取りなどです。物語の本筋は政治(駆け引き)劇といったところでしょうか。
物語としてはなかなか面白いものの、ラストがファンタジーというか「かっちりした設定の未来史ものの一遍としてはどうなの?」と思う展開でした。
不思議SFとしてはいいし、これが独立した短編なら問題ないと思うんだけど。
もうちょっと書きたいことがあるけど、まぁコミケ日記の導入部としてはあまりにも関係なくて興味ある人は皆無っぽいので、後日、本の感想として独立した記事を作ることにしましょう。
薄めの本ということもあって、夜行バスの消灯時間までに読み終えることができました。