ネットで感想を見ると大絶賛という感じなのでかなり期待して読みました。
……しかし……これはかなり好みがわかれる作品ではないか。
いい作品ではあるものの、娯楽SFを期待するときつい。
すごいカタルシスとか驚きの結末とかそういうのはない……。
広大な宇宙を題材にした詩のような感じと申しましょうか。
行間を読み抒情に浸るタイプの作品だと思います。
ほんとラストはすごくいいんだけど娯楽的爽快感は皆無なので、かなり人を選びそうですよ……。
2019 年 1 月 29 日
アーサー・C・クラーク「遥かなる地球の歌」
2018 年 7 月 29 日
ジャック・ヴァンス「終末期の赤い地球」
ジャックヴァンスのファンタジー連作短編集です。
1950年の作品。
長いこと入手困難だったのですが、kindleでひっそりと売ってました。しかもわりと安い。
これはちょっとビックリの掘り出し物なのでSF・ファンタジーファンは要チェックですよ。
グーテンベルグ21という謎の出版社が配信しています。
他にもレアなものからメジャーなものまで古典SFをいろいろと出している。
久保書店やサンリオSFなど消えた出版社の本を取り扱ってるっぽいものの、早川の絶版本なども出していて権利関係がどうなっているのか謎です。
本書のオリジナルは久保書店QTブックスから出ていたようです。
2017 年 7 月 26 日
2016 年 10 月 31 日
西澤保彦「殺意の集う夜」
嵐の山荘に閉じ込められた主人公が、ちょっとしたことから見ず知らずの六人を次々に殺してしまい右往左往する話です。
しかも一緒に山荘を訪れた友人までなぜか死体となって現れるしまつ。
犯人が推理するという倒叙もののような話となっています。
街で別の事件を追う刑事の話も並行して描かれ、最後で二つの事件が合流しあっと驚く結末に辿り着きます。
西澤保彦の作品の中では若干存在感が薄い気がするものの、読むのは今回で三回目でした。
2016 年 10 月 29 日
西澤保彦「完全無欠の名探偵」
連作短編集という体裁の長編推理小説です。再読。
「日常の謎」系統の話なんですが、謎の裏側がけっこうドロドロしています。
後味の悪い話が苦手な人は要注意です。
2016 年 9 月 30 日
都筑道夫「七十五羽の烏」
倉知淳の「星降り山荘の殺人」の元ネタということで読んでみました。再読。
超ものぐさでやる気がまったくない探偵が活躍?する推理小説です。
章の最初に四行ほどのあらすじがついています。
ここの記述には嘘やひっかけはなく、推理のヒントになる……という体裁です。
終盤で「ここで手掛かりは出つくした。読者はこの章のおわりで論理的に殺人犯人を指摘できるはずだ」と、読者への挑戦状的なものが出てきます。
2016 年 4 月 4 日
スティーヴン・バクスター「時間的無限大」
このものすごいタイトルどうですか……。
これだけ大きく出るんなら、内容も相応のもんだろうな!?と言いたくなりますよ。
膨らんだ期待を満足させられるのか? ほらほら、どうなんだ、バクスターさんよー!
まっ、こういうのはたいてい見かけ倒しのハッタリ作なんですよ。
しかし……。
本作はタイトルに負けない内容ですばらしかったです。
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「ジーリークロニクル」の長編第二作目、前作が外伝的扱いだったので本編としては一作目です。
本作と「虚空のリング」で、ジーリークロニクルの基本的な歴史は完結します。
宇宙の誕生と死滅を扱った壮大な未来史なのに、実質的には長編二作で完結とは……。(他に短編二冊と外伝二作があります)
2016 年 3 月 23 日
スティーヴン・バクスター「天の筏」
重力定数十億倍の宇宙での冒険物語です。
もうこの一文だけで読みたくなった人もいるのではないでしょうか!? 僕は一発でやられましたよ。
しかも閉塞した社会での暗黒ジュブナイル小説といった雰囲気です。
僕好みすぎて困る。
関係ないけど、今回から本文中にいくつか見出しをつけてみた。