爽やか青春推理小説の二作目です。
この人の作品で、長編がシリーズ化するのは初めてではないだろうか。
今回は田舎の旧家での連続殺人(予告)ものになっています。
いつもどおりいろいろと仕掛けはあるものの、わりとこじんまりとまとまっています。
その反面、キャラ要素というかラブコメ要素が強くなっていて、漫画気分で気楽に読めます。
爽やか青春推理小説の二作目です。
この人の作品で、長編がシリーズ化するのは初めてではないだろうか。
今回は田舎の旧家での連続殺人(予告)ものになっています。
いつもどおりいろいろと仕掛けはあるものの、わりとこじんまりとまとまっています。
その反面、キャラ要素というかラブコメ要素が強くなっていて、漫画気分で気楽に読めます。
毎回奇想天外な大技を仕掛けてくる作家の、クローズドサークルものの推理小説です。
初期の作品に比べ、ずいぶん若者受けしそうな内容になっています。
読んでると痒くなってくるようなラブコメ感が加わっている。
正直言うとそういうのは勘弁してほしいんですが、それでこの奇才が有名になり多くの人に認められるのなら、それもいいだろう……。
表紙イラストも、「萌えラノベは卒業したぜ! これからはミステリだよミステリ」という感じの学生に受けそうな、おしゃれオタク向けっぽい感じになってます。大学を舞台にした爽やか青春ものですよ。
奇想天外な物理トリックでおなじみの作者の初短編集です。
幻想的で浮世離れした世界観が特徴的な作家ですが、今作は普通の現代社会を舞台にし登場人物も割と常識的な行動を取ります。
シリーズものの短編集ということで、これまでの作品よりもキャラクタ描写が格段に濃くなっています。
そこそこ人当たりのいい性格の主人公が助手役となり、気が弱くてひきこもりの探偵をサポートしていきます。この二人に、こわもての岩飛警部を加えた三人がレギュラー登場人物となります。岩飛警部の物騒な言葉づかいがおもしろいです。
安楽椅子探偵形式ではなく、探偵と助手が現場に出向いて直接捜査する展開になっています。探偵活動のおもしろさだけでなく、引きこもりの探偵を無理矢理外に連れ出すことによる騒動も狙っているのでしょう。
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どの話もトリックが無茶すぎて推理小説としては疑問が残るものの、キャラの掛け合いに重点が置かれているため楽しく読めます。
無茶なトリックとはいえ、表題作の「踊るジョーカー」などは使い方を工夫すればけっこう説得力が出そうです。ただ作者自身が「この光景は変すぎるだろう」というのを狙ってあえて無茶な状況を作っているようにも見えます。
最後に収録された「ゆきだるまが殺しにやってくる」は、大雪に閉ざされた豪邸で婿選びのためのゆきだるまコンテストをやるというもので、従来の作品のような雰囲気を味わうことができます。
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過去作に比べ世界観がだいぶ現実的なため、トリックのおかしさが余計に目だっています。
キャラ重視の短編集ということで何も知らない人も手に取りやすいだけに、奇天烈なトリックの数々にとまどう人も多そうです。
書物が禁じられた世界を舞台にした物語です。第二次大戦あたりから分岐したパラレルワールドものです。
犯罪に関する書物は特に厳しく取り締まられていて殺人という概念さえも忘れられかけている世界で、主人公の少年クリスは失われた「ミステリ」を求めて旅をしています。
ジュブナイル幻想小説的な雰囲気です。
ライトノベルとか読んでる層にも受けるのではないでしょうか。
毎度おなじみの無茶すぎるトリックも炸裂します。
しかし仕掛けの肝はやはり世界設定でしょう。まず世界設定があり、そこから無茶なトリックを導き出したという印象です。そのせいかバカバカしさがかなり薄れ幻想的な世界観がより強調されています。
排他的な町での物語なのに関わる人たちが皆主人公に好意的で、ちょっと緊張感のないのが残念です。しかも主人公は禁制の知識を求めて旅しているので、もう少し孤独感があったほうがいいんじゃないかと思いました。
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前半はさほど盛り上がらず地味な印象でしたが、中盤で少年検閲官と共に「ガジェット」が登場したあたりからグッとおもしろくなりました。
この「ガジェット」はおもしろいです。まんがやゲーム的なアイデアで、ぜひとも続編を読んでみたいです。しかしこの人はキャラや設定を何の未練もなく使い捨てる人だから望みは薄い……。
主人公も少年検閲官も女の子受けする美少年なので漫画化すれば人気でそうです。
問題がひとつあります。犯人の持ってる○○関係ないじゃん! ミスディレクションにもほどがある。
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