バイオハザードから派生したアクションアドベンチャーゲームの第三弾です。
1と2があまり僕好みではなく全然期待してなかったんですが、ゲームとしては三作中一番よくできてると感じました。
丁寧に作られており、力作と言っていいと思います。
しかし正直言ってあまりおもしろくない……。
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●システム
背景が完全に3D化されました。
しかしカメラ位置が相変わらず変なところに設定してあるので、プレイ感はあまり変わりません。しかも視点がめちゃくちゃに切り替わったりするのでプレイしにくいです。ちょっと動いただけで180度視点が変わるような場面が頻出します。戦闘中にころころ視点が変わるのは困る。
今回操作するキャラは、1の主人公だった「左馬之助」と、ジャンレノ演じるフランス人「ジャック」の二人です。
ジャックは鞭のような武器を使います。溜め攻撃で相手を掴むことができ、掴んだ敵を振りまわして投げられます。しかし投げ方向を自由に変えられないのでいまいち使い勝手が悪いです。物理演算で鞭を動かしてるそうですが、全然活用されてません……。
ジャックが戦国時代に、左馬之助が現代にワープし、時間のギャップを利用したパズルが出てきたりします。二つの時代を繋ぐゲートでアイテムをやりとりして仕掛けを解いていきます。
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操作方法が従来のラジコン操作から普通の2D操作(レバーを傾けた方向に移動する)に変更されました。
防御、魂吸収、ロックオンといった受動型の動作が全部別のボタンに設定してあるため、操作が無駄に煩雑になっているような気がします。
鬼武者変身を任意のタイミングで発動できるようになりました。しかも体力がゼロになると自動的に発動されるので、死亡時の保険のようになっています。このため、難度は高いのに死ににくいという不思議なバランスになっています。
一閃、弾き一閃の重要度が増しました。しかしタイミングがかなりシビアで相当気合入れて狙わないと出せなくなっています。溜め攻撃がMAXの時に一閃を出すと「連鎖一閃」になり、周囲の敵を連続で倒せます。これはかなり気持ちいです。ほとんど出せないけど……。
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●グラフィック
キャラも背景もしっかり作ってあります。カプコンの本領発揮と言う感じ。リアルタイムレンダリングになったのに過去作よりも良くなってるような気がします。
ゲームとは直接関係ないんですがオープニングムービーの出来がすごいです。
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●ストーリー
陳腐すぎて悲しくなります……。グラフィックやゲーム内容は順当に進化したのに、なぜストーリーがこうなってしまったんだろう。
前作のような魅力的な敵キャラがおらず、味方側もお約束に従ったありがちなキャラばかりです。
話の展開もファミリー向けのB級ハリウッドアクション映画のようです。
クールな一匹狼的キャラかと勝手に思い込んでいたジャックが、モサっとしたただのおっさんだったのもガッカリだ。これは吹き替えの声のせいかな……。
OPムービーでライバルみたいな敵が出てくるんですが、本編には影も形も出なかったのが残念です。
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●感想
ゲームとしては確実に進化しているものの、元が元だけにいくら改良しても良くはならないという感じでした。
背景がフルポリゴン化したのに視点のわずらわしさがまったく解消されていない(むしろより悪化した)のも痛すぎる。
結局、ボリュームが薄く内容がシンプルだった一作目が一番楽しめたような気がします。
一閃があまりにも出しにくいのが、つまらなさに拍車をかけてるように思いました。
ただでさえタイミングがシビアなのに、一閃できる攻撃とできない攻撃があったりするらしいので、めんどくさくて狙う気がまったく起きません。
僕はこの手のタイミングを合わせる操作が苦手なので、一番弱いザコ相手でも五回中四回は失敗するという感じでした。
しかも待ってるとなかなか攻撃してこなくてかったるい。
この手のタイミング&受け身型のシステムは作るのが楽で、製作者としては「これはおもしろいぞ!」と思うのかもしれないけど、プレイヤーはあまり楽しめないものが多いのではあるまいか。
格闘系ゲームの、ブロッキング、反射、当て身投げ、投げ返しなんかは、対戦をバリバリやる人以外にはかなりつまらないシステムのように感じる。
鬼武者3も一閃が自由に出せるくらいの反射神経があれば傑作に感じるのかな……。
回避→攻撃を上手に使い立ち回るのはおもしろいんですが、頻繁に変わる視点のせいでそれがやりにくいのは残念でした。
しかし製作者によると、見やすい位置を確保して戦うのがキモなんだそうです。「見やすい位置で敵を待ち受けて一閃を狙っていく」という戦法を推奨しているということでしょうか。
移動方法も、従来のラジコン型からレバー入力どおりに動くタイプに変更され、DMCに近い操作感になってきました。
しかしそのぶん、ロック・防御・吸収操作のわずらわしさや視点移動時の混乱が目立つようになっています。
受け身で静的なゲームを外側だけ動的なゲームにしたせいで、うまく噛み合わなくなってきたという印象です。
もうこのシリーズはやるまい……と心に誓ったものの、「新 鬼武者 DAWN OF DREAMS」がどう変わってるのか気になったりもするのでした。
こういうのもゲームの魅力のひとつなんだろうか。
開発元 | カプコン |
発売日 | 2004/02/26 |
プレイ記録 | |||
難易度 | ふつう | ||
称号 | 端武者 | ||
セーブ | 84 | ||
左馬之助 | ジャック | ||
プレイ時間 | 14:05 | 7:57 | 6:08 |
総魂吸収量 | 152505 | 79955 | 72550 |
倒した敵の数 | 2301 | 989 | 1312 |
一閃を決めた回数 | 296 | 123 | 173 |
魔空空間 | 10 | 10 | 0 |
僕は2しかやったことないですが、面倒な敵は、弓ばっかりで倒していた記憶があります。
バッサリ感もどこへやら。
攻撃をガードできる相手の前でガード連打~輪が出たら攻撃~はじき一閃を
組み込んでいけば、タイミング自体は掴めますが、
確かに難易度高すぎますよね。
はじき一閃のはじくタイミングと、一閃の切り込むタイミングは、
一緒なので、はじき一閃に慣れれば、一閃にも慣れます。
ただし、一対多で、そこまでの集中力を持続するのは大変すぎます。
発売当初としては珍しいTPSだったのでよかったけど、
一閃のシステムの悪さを改善しないまま保持しているのが不思議でならんですね。
当て身っぽい技も、一対一の格闘ゲームの場合は、集中するところが
そこしかないので、ありだと僕は思ってます。
コメント by Y本 — 2011 年 9 月 26 日 @ 12:34:55
3になって一閃のタイミングかなりシビアになっているのですよ。
難度を上げるためにそうしたんだとか……。一番つまらない難度の上げかたではあるまいか。
回避行動のレスポンスがいいので、ヒット&アウェイに重点を置いたゲームにすればいいのに。
当身系の技は、対人戦でのみおもしろさを発揮できる要素じゃないかなと思ってます。
コンピュータ相手だと、読み合いよりも反射神経勝負になってしまう。
コメント by 坂葉 — 2011 年 9 月 26 日 @ 19:12:47
え…2の一閃でも充分難しかったのに…というか、一閃というボスにほとんどボスに使えないシステムを
軸に置いたままで、バッサリゲームでは全然ないということがカプコンは解ってなすぎるように
思えますね。
回り込むシステムを使うゲームになると、視点をグリグリ調整してくれないと、
見えないことが余計多くなりそう。そう思うと、ナムコの3D格闘は、上手に視点移動してくれます。
(鉄拳とかキャリバーとか)
当て身系の技が、対人戦で面白さを発揮するシステムなのは、たしかにそうだと思います。
ただ、当て身系の技は、大半が反射で対応しているのではありません。
仕込んでいるのです。
パンチをガードさせたら、『絶対に反撃してくる』『反撃するクセがある』
こういう相手にパンチ~当て身という風に『仕込む』わけです。
そうなると、相手のクセを観察するまで、仕込みどころがわからないように感じますが、
昇龍拳を空振りしたら反撃したくなるような、『誘いどころ』を自分で作るのが主流です。
対CPUでは、特定の技を空振りorガードさせると『必ず反撃してくる』という強力なCPUの反応を
逆手にとって、当て身を仕込むのが主流といえます。
そういった『仕込み』戦法に合致しない『一閃』システムは、かなりダメなシステムだといえるのかも
しれません。
アイレムのクロスブレイズと一閃は似ている気もするのですが、相手の攻撃の間合いの外で
刀を合わせてもクロスブレイズしてくれるのを考えると、一閃がますます困ったシステムでることが
露呈してしまいますね。
コメント by Y本 — 2011 年 9 月 26 日 @ 22:09:22
弾き一閃は、いっそのこと受付時間を一秒くらいにしてタイミングが良ければ良いほどダメージが大きくなるという感じでも良かった気がします。むしろガードしていれば100%弾けるくらいでもいい。
まぁこれだと「一閃」ではなくなってしまうけど……。
このゲームに限らず、売りの機能にはなるべく制限をつけずバンバン使えるようにして、それを前提で敵の行動を考えていったほうがおもしろくなると思いますね。他の作品との差別化も図れるし。
視点に関しては、カメラ位置がやたらと切り替わらなければ、戦闘中でもあまり気になりません。
しかし自由にカメラ移動ができる仕様なのに、少し動くだけであちこちに飛びまくる謎設定なのです。
製作者は、有利な視点に移動して立ち回るのがこのシリーズのキモと考えてるらしくて、わざと変な位置にカメラを移動させてるフシがあります。過去作よりも酷いんじゃないかと思う場面もしばしば。
当身系の技については、読み合い(仕込み)専用の技と言う意味で「対人戦でのみおもしろさを発揮できる」と書いたのですよ。
で、コンピュータ相手にしかける場合は「読み合い」にはならないため、反射神経勝負(もしくはハメ技)になってしまうわけです。
コメント by 坂葉 — 2011 年 9 月 27 日 @ 23:15:27