DGM、NOCTURNE MOONRISEのライブに行ってきました。
以下数行まったく関係のない話なので、ライブの記事が見たい人は「★★★」まで飛ぼう。
!? 今更レポート? もう二週間も前の話じゃないか? と思う人もいよう。実は公演後すぐに書いたんですが、記事を書き終えると満足してしまってアップせずに終わってしまうという癖が僕にはあるのですよ!
しかし一方、月に一度はブログを更新するという目標もあるので、いつも月末になるとストックしてある適当な記事をアップしてるというわけです。月に一度って少なくないか?と思う方もいよう。僕もそう思います。
そんなブログやる意味あるのか?と思う方もいよう。こういう小さい目標でもいいから持っておかないと、何もやらない人間になってしまうわけですよ。十代二十代ではピンとこないかもしれないけど、三十半ばを過ぎるあたりから物事のめんどくさ度がとんでもなく上がってくる。
その結果、何もやらずにボーっと情報を受ける一方の人間になるというか、受けるどころか何も引っかからず素通りさせる人間になってしまうのです。うちの両親がまさにこれで、テレビ漬けなのにテレビで得た情報を一夜にして忘れるというザルっぷり……。というより、本人はテレビを見てるつもりでもまったく見ていない。キーワードの一部を捕らえて「***って何?」「それはあれだ***だ(←とんでもなく間違ってる)」という会話を繰り返す老夫婦の恐怖……。
年寄りだからボケてるんじゃね?と思う方もいよう。実は僕が二十代のときの友達もわりとこんな感じだったので、これはもうテレビ好き人間の典型的行動だと言える。テレビを見ていて観客が笑うといっしょに笑い、その後「何何、今の何?」と聞いたりするわけですよ。おまえは何を真剣に見ていたんだ……。今では鬱陶しがられることもあるテロップの発達も、元はこういう部分から始まったのではないだろうか。
こういう、「見てるようで見ていない」というのはほんと怖い。いろんな意味で怖い。
入手した情報を自分なりに租借し、文章化してまとめ、人前に出していかないと、脳みそというものはどんどん思考を放棄する方向に進むわけです。「twitterで何でもかんでもRT」もやばそうなので気をつけたほうが良さそうだぞ……。ああいうのこそ、思うことがあるなら自分でブログ記事を書くべきだと思うのだった。
というわけで、こういう駄文でも二週間遅れのライブ記事でも公開していかねばならないのです。偉そうに言うなら書いてすぐ公開しとけよ……。ほんとこいつは屁理屈ばっかだな……。
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★★★
というわけでDGMまさかの来日です。しかも小さなライブハウスでチケット4600円……。
僕の中ではDGMはかなりの大物バンドなので、これはもったいないなぁと思うのでした。
そして取ったチケットの整理番号は54番。大丈夫なのかこれ……。
サポートに日本のバンドが3つついたのですが、なぜか全て女性ヴォーカルのバンドでした。
「Prog Power Invasion」という企画の割にはProgという感じじゃないぞ……。
とりあえず結論から言うと、音のバランスが悪すぎて非常に残念な感じでした。
特にメインのひとつであるNOCTURNE MOONRISEのときがひどくて、せっかくの荘厳な曲が全然聞こえませんでした。あまりにももったいない……。
ライブのPAのことは全くわからないんだけど、会場の機材のせいなのかな……。
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新幹線のトラブルとやらで開場が一時間半遅れました。寒空の下で一時間半待つのはけっこうきつかったですよ……。十一月半ばだと言うのに半袖Tシャツに薄手の上着という格好をしていた僕も悪かったんだけど。
そして、一時間半経っても待っている客は五十人程度で、おいおいほんとに整理番号どおりの客数なのか?と心配でした。いやみんなDGMが目当てだから二時間遅れで来るんだよな……。始まれば超満員のはず……。
そして、待っている客は恐ろしいほどにおっさんだらけでした。
三十代後半以降がメインなの?というくらいのおっさん濃度です。四十代はあたりまえ、五十代もちらほらいるんじゃないか?という勢い。
参加バンドはビジュアル系っぽかったりガールズバンドだったりと、サブカル好きの若者向けのライブのような感じなのに、なぜ対極に位置するおっさんばかりが集っているんだ。
DGMも僕の中では音大生っぽい若者が好むおしゃれなバンドなのに、いるのはむさいメタルおやじ(というか僕のようなオタクおやじ)ばかり。
これまで見たライブの中でも平均年齢が最も高いのではないかという客層でした。
これは意外すぎでした。
会場は新しいらしく、広くてきれいでした。場所もわかりやすくて、いい環境でしたよ。オタクならば名古屋のボークスの下といえばわかっていただけるだろう。小さなライブハウスというと火事が起これば七割死亡という雰囲気のところが多い木がしますが、ここならすぐに逃げ出せそうな感じでした。
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一番手はイロモノっぽい被り物バンドのAmiliyahでした。
あらかじめYoutubeで少しだけ予習しておいたんですが、インダストリアルゴシックドゥームホラーロックという感じでした。
演奏した曲は結構ノリのいい曲もあったんですが、ドラムの音がでかすぎてどういう曲なのかよくわかりませんでした……。上の動画だと雰囲気あって良さそうなのに。
ギターソロもほとんど無くて正直言うと物足りなかった。
一方コンセプトとかが凝っていて、こういうバンド活動は楽しいんだろうなぁと羨ましく思ったのでした。
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二番手はAncient Mythでした。
女性ヴォーカルのビジュアル系メロスピという感じです。
最初の曲を聴いたときはだめだこりゃと思いましたが、二曲目から格段に良くなりました。
これはいいです。速い曲メインだったのでメロスピ厨の僕大歓喜という感じ。曲ごとに結構雰囲気違ってたのも良かった。
ギターのフレーズがいかにも日本人の泣きメロという感じで印象的でした。ギターのお兄ちゃんも楽しそうに演奏していた。
しかしヴォーカルの女の人が曲やパートによって全く声が出てなかったのが残念でした。
中低音がものすごく残念だったんだけど、youtubeに上がってる動画だと中低音が印象的なんだよな……。まぁ音が悪かったから、聞こえなかっただけなのかもしれない。
あと緊張していたのか、マイクを抱えたまま微動だにせず歌ってる感じでした。これはもうちょっと、いや相当がんばってほしいと思ったのでした。
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三番手はMary’s Bloodでした。
これはかなりすごかったです。音のバランスも本日最良でした。
Burrnがプッシュしてるそうで「またまた~、購読者減少をなんとかしようと思って、ガールズバンドブームに擦り寄っちゃって~。どうせ一発屋感がプンプン漂う凡バンドなんでしょ?」とか思ってたんですが、かなりしっかりしたバンドでした。ごめんなさい。
九十年代のカラオケで猛威をふるったJPOPをメタルにしたような感じです。まさに上の動画の通り。
ところどころツインリードをきめたりして本格的ですよ。パフォーマンスも派手でプロ感が出てました。
でもやっぱりメタルのパフォーマンスとは微妙に違うんだよな……。
ベースの人が目立ってたのでリーダーなのかなと思ったんですが、リーダーはドラムの人でした。なんかこのあたりも本気感が漂ってるぞ……。ヴォーカルやギターといった目立つパートの人を売るために寄せ集められたのではないという感じ。
フロアの前のほうには、サイリウムというのか光る物体を振ってる人もいました。
そして、このバンドが去るとただでさえ少ない観客が明らかに減ってしまったのでした……。
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四番手は台湾から来たNOCTURNE MOONRISEでした。
ダークムーアやKamelotに八十年代哀愁歌謡曲的なメロディを加えたような感じです。
長尺の凝った曲をキーボードが飾るシンフォニックメタルです。
サイドヴォーカルとキーボードを担当する女性が売りっぽいです。
このサビと間奏、十年前にデビューしていれば悶臭失禁者が続出しけっこうな話題になったのではあるまいか。
しかし、とんでもなく音のバランスが悪く、バスドラムを連打し始めると何がなんだかさっぱりわからなくなるのでした。
キーボードなんてほんと全然聞こえませんでしたよ……。すごい勢いで弾きまくってるのに。しかもキーボードの人の歌も全然聞こえない。なんてもったいないんだ。
そしてMCとか各楽器のソロタイムが長いのも残念でした。(キーボードのソロはけっこう良かったんだけど) 掛け合いなどもあってがんばってたんだけど、初来日のときはあまり凝ったことをせずに売りの曲を次々に演奏したほうがいいと思うんだけどな……。はっきり言ってしまうと、かなりだれました。やる気とサービス精神が仇になったという感じです。
とはいえ音のバランスがよくて曲がちゃんと聞こえてれば、印象は大きく変わってた気もします。
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そして10時を過ぎ、ようやくDGMの番になるのでした。
DGM奇跡の来日だというのに、残った客は五十人程度でしょうか。なんたる悲劇。
↑これですよ! これが生で聴ける日が来たわけですよ!
しかし、音のバランスの悪さは相変わらずなのでした……。
若干改善されてる気はしたものの、曲を知ってるから脳内補完できただけかもしれない。ここでもツーバスがドコドコしはじめるとドラムとヴォーカルしか聴き取れなくなるのでした。
しかしまぁ、ヴォーカルは比較的綺麗に聞こえるし、ギター、キーボードのソロも堪能できたので満足です。
ギターは「あっ! アルバムと同じ音だ!」みたいな感じでよかった。
ヴォーカルは高音部を結構誤魔化していたものの、元々ハイトーンが売りというわけでもなく、良い声で見事な歌を聞かせてくれたのでこれも満足でした。
MC少なめで次々と曲を演奏する形だったのも良かったです。
あとは、アコースティックバラードとかをやってくれれば完璧だった。
曲は最近の二作からがほとんどで、古い曲はMisplacedの一曲(と、カバーの愛を取り戻せ)だけでした。
これは残念だったものの、演奏したMisplacedの曲というのが僕がいちばん好きなIs hell without love?だったので、大歓喜ですよ。もうたまらん。
そしてラストは愛を取り戻せでした。ちゃんと日本語で歌ってましたよ。「オレたちは日本語がわからないから、みんなの助けが必要だー!」みたいなこと言ってました。
パフォーマンス的には、ヴォーカルのマーク・バジルが盛り上げるのに徹し、他のメンバーはひたすら夢中になって楽器を演奏するという感じでした。
ロックミュージシャンというより楽器好きでたまらないお兄ちゃんたちという感じですよ。いかにもDGMらしい。
そして十一時半に公演は終わりました。四時からほぼずっと立ちっぱなしだったので相当疲れた。
満足の初来日公演ではあったものの、やはりもっと大きい会場できっちりとサウンドチェックした状態で見たかったと思ったのでした。
ライブの記事はここまで。以下はまたどうでもいい話なので、もうブラウザを閉じても良さそうだぞ。
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終電で家に帰ることになったわけですが、電車に乗った時点で24時を過ぎ、乗り換えの駅からの終電はなくなっているのでした。(元々漫画喫茶で夜を明かす予定だったので問題ない!)
しかも途中で人身事故が発生し、一時間半立ち往生ですよ。
知能の足り無そうな若者が勝手に電車のドアを開けて出て行ったのにも参りました。出て行くのは勝手だが開けたドアは閉めて行けよ……。
電車内に寒風が吹き込み、暖房も止まっており、僕は凍えるのでした。
なんとか事故の処理が終わり、電車は動き出して乗り換えの駅に着きました。
ここらでラーメンでも食らって漫画喫茶で泊まってくかぁ!と思い、まずラーメン屋を探しながら駅周辺を歩いたのですが、ラーメン屋はおろか牛丼屋さえ見つかりません。漫画喫茶もありません。
そのまま歩いてたらなんか調子が出てきて、次の駅まで歩くかぁー!という気分になりました。
そうして歩いているとますます調子が出てきて、このまま歩いて帰ってやらぁっ!という気分になりました。
そして十一月も半ばの真夜中、僕は18.5kmの道のりを歩いて帰ったのでした。