海外製作の地球防衛軍です。
評判がいまいちな作品です。実際遊んでみると、あぁ確かに評判悪そうだなぁ……という感じでした。
とはいえ出来が悪いというわけではなく、むしろ本家よりもしっかりゲームバランスをとってあり、真っ当な作品になっています。
しかし本家のおもしろさの大部分が、バランス調整を半ば放棄した投げっぱなしの部分にあるため、欧米流のレベルデザイン論によってきっちり作ってしまうとおもしろさが削がれてしまうのだと思います。
叩かれてると擁護されたくなるものの、積極的に褒める気もしないという作品でした。
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●システム
大量の敵と戦うTPSです。
武器は二種類持ち込むことができ、どういう組み合わせにするかが攻略の重要なポイントになっています。
武器の弾数は無限で、そのかわりリロードにけっこう時間がかかります。
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兵種が四種類になりました。
従来の陸戦兵、空戦兵に加え、タレットを設置できる戦術兵と、ごり押し型の重装兵が選択できます。
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アーマーを取得し体力を強化するのではなく、スコアによるレベルアップ制になりました。
レベルにより体力上限が決まっています。
また、使用できる武器もレベルによって決まっており、強い武器を取得してもレベルが足りないと使えません。
露骨にシステムでゲームバランスを取りにかかっている……。
武器は敵を倒して手に入れるものと購入するものがあります。
武器はボスや中ボスしか持っておらず、倒しても落とさない場合もあります。
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全15ステージと少なめになっていますが、ひとつのステージは長めです。
敵はかなり小分けに追加されます。目的地が順々に移動する形になるため、広いマップで戦うゲームなのに一本道進行のようなプレイ感になっています。
露骨にシステムでゲームバランスを取りにかかっている……。
全編を通じて二人の仲間キャラと共に戦います。
仲間キャラが生きていれば、死んだときに復活可能です。
死んだ仲間を復活させることもできます。
これにより、旧作よりかなり簡単になっています。
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●ストーリー
物語もキャラデザインもシリアスな雰囲気になっています。
そのぶん地味な展開になってしまい物足りません。
初期二作にあった大袈裟な表現のおもしろさが薄れています。
無線で臨場感を盛り上げつつストーリーを進めていくのはおもしろいです。
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●グラフィック
同世代の作品に比べるといまいちなんですが、地球防衛軍っぽさは出ています。
ただ、ステージがすべて同じような都市部ばかりなので物足りません。相当物足りません。
キャラデザインはいいです。
昆虫型メカがかっこいい。
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●感想
ものすごく物足りないです。そして露骨にシステムでゲームバランスを取りにかかっています。
ゲームの進行に合わせてキャラの性能や武器がアンロックされていく方式なので、バランスはいいのですが過去作の魅力の大部分が削がれています。
敵の出現方法も、きちんとゲームバランスを考えた常識的な沸き方になっています。
過去作では一度にめちゃくちゃな量の敵が配置され、武器の効率を考えたりして攻略していく形でした。
本作では小部隊が順繰りに追加されていくので、さほど攻略を練らなくても正攻法でそこそこ進めてしまいます。
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ゲームというのは多かれ少なかれ制作者の意図した道筋を辿らせるもので、万人受けを目指すほど、誰がプレイしても同じ道筋を辿る形になります。
多くのJRPGやスクリプト型FPSは、まさにこの方向で発展してきました。「自由にスキルを組み合わせよう」といったタイプのゲームでも、スキルのレベルアップやアンロックのタイミングは厳密に調整されていたりします。
しかし地球防衛軍というゲームは、舞台と武器と敵を用意し最低限の調整だけを行いあとは投げっぱなしのゲームでした。
最強クラスの武器の攻撃力をもとに、理論上は倒せるだろうという感じで敵のパラメータを設定し、それでも無理な部分はアーマーを稼いでごり押ししてくださいという調整でした。
そしたらものすごいゲームマニアがとてつもないやり込みで攻略法を見いだし、「もしかしたら高度な計算のもとに作られているのでは……」という感じの作品になったのです。
いやまあ実際のところはわからないけども。
シンプル2000という舞台があったからこそ生み出された、無茶な作品だったと言えるでしょう。
そういう大味な作品を欧米流のきっちりした製作システムにはめこんでしまったのだから、妙なものができてしまうのは仕方ない……。
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ヒットエフェクトが地味すぎです。空中キャラへのヒット確認はできるものの、地上キャラは当たってるのか当たってないのかさっぱりわからない。
旧作のアサルトライフルの撃ち込み感を再現してほしかった……。
撃ち込み感がない上に威力も微妙なので、ミサイルランチャーばかり使ってしまいました。ミサイルランチャーが便利すぎるような……。
アサルトライフルの威力を倍、ミサイルランチャーを1/2くらいにしたほうが、TPSとしての狙い打つおもしろさが出たのではないかと思います。
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クリア特典としてキャンペーン・リミックスというのがアンロックされるのですが、完全におまけ扱いなのかクリア状況はメインミッションを引き継いでいるようです。
全体的にUIの出来が悪い。
武器選択部分は、武器のクラスごとにアイコン背景が薄い灰色と濃い灰色に分けられてるんですが、カーソル位置のアイコンも濃い灰色になるため、ものすごくわかりにくい。作ったやつはちょっと頭がおかしい。
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ゲームとしては、世間で言われているほどだめではなく、むしろシリーズ初挑戦の人にはおすすめしてもいいくらいになっています。
旧作のHardestやInfernoをクリアしていた人には確実に物足りないと思いますが、そうでない人にはむしろ本作のほうがいいかも。
あからさまな外れ武器はなく、どれを使ってもそこそこ戦えます。
防衛軍2の蜘蛛のようなバランス崩壊キャラも出てきません。
マニアの言葉を真に受けて駄作と思ったりするのはもったいない作品ですよ!
しかしまぁ、旧作の三倍以上という価格を考えると、駄作扱いされるのも無理ないかも……。
SteamでPC版が500円~1000円ほどで買えるようなので、この値段なら満足出来ると思います。
開発元 | Vicious Cycle Software |
発売日 | 2011/07/06 |
プレイ記録 | |
難易度 | Infernoクリア |
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兵種 | ランク | 撃端数 |
トルーパー | 8 | 22248 |
タクティカル | 8 | 18002 |
ジェット | 8 | 31416 |
バトル | 8 | 31004 |
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武器 | アンロック | 撃破数 |
アサルトライフル | 99% | 15469 |
ロケットランチャー | 97% | 18101 |
ミサイルランチャー | 100% | 60684 |
グレネードランチャー | 96% | 1012 |
ショットガン | 98% | 2312 |
スナーパーライフル | 100% | 0 |
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ゲームモード | 撃端数 |
キャンペーン | 102397 |
リミックス | 374 |
サバイバル | 3755 |