パンタグラフ式から乗り換え約二か月使用した感想です。
結論から言うと、これはいい買い物をした……という感じです。
キーボードとしてはあまりにも普通なんですが、そこがいい。
キーボードには特にこだわりがない人におすすめしたい。
普段1000円のメンブレン式フルキーボード使ってる人はぜひこれを試してほしい。
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前回購入したキーボードは、打鍵感は良かったもののコンパクトならではの珍配列になかなか馴染めず、さらに同時押しに難点があるのが大きな不都合となり結局買い替えることにしました。
同時押しができないのは、ゲーム製作の際にほんと不便なんですよ。
パンタグラフ式のフルキーボードはほぼ全滅状態なので、10数年ぶりにメカニカルを使ってみようと考えました。
なぜパンタグラフにこだわっていたのかというと、普通のキーボードはストロークが長くて素早く打ち込もうとすると指が引っ掛かるのが嫌なのです。
しかしまぁ最近は文章を書く量も減ってきたので、先行きの暗いパンタグラフをやめて末永く安泰という感じのメカニカルに戻ることにしたわけですよ。
以前使っていたのはおそらく青軸で、大量の文章を打つと指が疲れてしまいました。これがメカニカルをやめた原因です。
当時は青軸赤軸なんてものは知らずカシャカシャいってかっこいいという理由で決めてました。
というわけで、知識を得た今は軽めのスイッチを探すのでした。
しかしメカニカルは高い。昔は5000円くらいでも買えたと思うんですが、今は10000円が基本ですよ。
しかも変なLEDがついててビカビカ光る……。あれには何の意味があるんだ……。
デザインも90年代のSF感を引きずってる感じでダサい。台形の出っ張りとか六角形の模様とか好きじゃないんですよ……。
どうもメカニカルキーボード界は付加機能で他に差をつけつつ価格を乗せていくというやりかたらしい。
そういったわけで地味なデザインのを探してたら、そのものずばりみたいなのがありました。
それがロジクール K840です。
何の飾りもないぞ……。くすんだシルバーのアルミ板に黒いキーが乗ってるだけ。
値段も安い。7000円切ってます。
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気になるのは独自仕様のスイッチでしょうか。一般的な青軸赤軸といったやつではありません。
オムロン製のROMER-Gというスイッチを使っています。共同開発らしい。
K840に使われているのは茶軸相当だそうです。
正直言うと、軽くてクリック感の薄いスイッチってメカニカルキーボードの意味ある?と思ってました。
あのカシャカシャ感こそがメカニカルだと思ってたのですよ。
しかしそうではなかった。
軽くてもメカニカル感は残るのだった。
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実際の使用感は、確かに青軸のような押しごたえはないものの、垂直にキーが沈む感じはまさにメカニカルでした。
軽めの打鍵感でなかなかよいです。
ストロークは長いものの1.5mmで入力判定があるので限界まで押し込む必要がないです。
このあたり軽めのスイッチの利点と言える。
最初気になったのはキーの高さでした。
机の面からキートップまで3cmあるわけですよ。
これまで薄っぺらなパンタグラフ式を使っていただけにこれはかなり違和感あります。
とりあえず畳んだタオルを手首の位置に敷いてパームレスト代わりにしました。
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このキーボードの特徴としては、特徴がないのが特徴であり売りであると言いましょうか。
ほんと普通で空気みたいなキーボードですよ。
普通だからこそ快適といえる……。
キーボードに変な個性はいらないと思ってる人にお勧めしたい。
必要な能力をきちんと発揮し、他の部分ではでしゃばらない……できるやつですよ全く。
こんなわけで、普段キーボードのことなんて気にしない人が「でもたまにはちょっと違うの使ってみたいなぁ」という場合に非常におすすめできます。
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正直な話をすると、たまにパンタグラフ式を触ると「やはり僕にはこいつだ……」と思ってしまうのでした。
一方、軽めのメカニカルキーボードも悪くないというかかなりいいと気づきました。
こうなると赤軸相当のゆるゆるキーを試してみたくなる。
次に買い替える時パンタグラフが相変わらず絶滅したままなら、ゆるっゆるかつキーの高さ半分のやつを買ってみよう……。
まぁ本機も悪くはないので、3年は使ってやろうと思いますよ。