その1 その2 その3 その4
僕は99年にwin機を購入し、ゲーム製作からは手を引いて絵を描き始めました。これで名を上げてやる!と思いました。それまでは、68でちょびっとCGにチャレンジしていたものの絵が趣味というわけではありませんでした。当時すでに24歳でしたが、練習すればどんどんうまくなるはずだと思っていました。模写がわりと得意だったので、練習していればなにも見なくても描けるようになると思ったのでしょう。なんという身の程知らず。あさはかな男だまったく。
結局、ツールの使い方が達者になり、へたくそな絵をそれなりに見られるようにするごまかしテクをおぼえただけで、あんまり上達はしませんでした。
そして01年ごろ、LGPという言語がX-BASICとそっくりだと聞き、ひさしぶりにプログラムでもやってみるかと使ってみました。もうなんというか驚きの性能でした。とにかく動作が速い。敵弾64発でひいひい言ってたのが640発でも余裕ですよ。コンパイルも速い。40分かかっていたのが1秒ですよ。これはありえんだろ……。
ゲームの基礎部分はあれよあれよという間にできました。プログラムの大部分は68で作っていた作品の移植といっていいものでした。Hellboundまではこれを改造していったものなので、その後もずいぶん長い付き合いとなるわけです。
Galshellの1面はこのときにほとんど完成しました。しかし大問題がありました。動かないのです。知人にテストプレイしてもらったところ、半分くらいの環境で動かない。グラフィックカードの相性?で、まともに起動さえできないのでした。運が悪いとOSごと落ちたりするらしく、原因究明も難しい状況でした。こりゃだめだ。こうして再びゲーム製作から離れてしまったのでした。
03年、僕はアフリカにいました。やっぱゲーム作りたいよなぁと思いながら自転車をこいでいました。つらいときは計算などの論理的思考をしていると時間を忘れられるため、自然とアルゴリズムを考えたりしていました。
そして04年に帰国。LGPもバージョン3になり、かなりの安定度になりました。一部のグラフィックカードで透過がうまくいかないことを除けば、ほぼ完璧です。LGP製の作品(BlueSabers)も同人ショップで販売されているそうです。これはゲームを作らねばなるまい。
こうして三年前のソースを引っ張り出してしこしこ作ったのがGalshellなわけです。
Galshellはたいそう評判になり、なかなかいい気分でした。今までの人生であんなに注目を浴びたことはなかった。こうなんというか、PCシューティングゲーム界に颯爽とデビューという感じ。というか「win用のシューティング」に注目している人が少なからずいるということに驚きました。それも日本だけでなく海外にも愛好家がいました。当時はメールアドレスを公開していたので、海外からのメールもけっこうきたものです。
しかしこれまで読んできた人はご存知のとおり、Galshellの陰には誰にも知られずに消えたゲームがあったのです。そしてそれは僕にとってのX68000でもありました。
黒歴史にしたい作品ではありますが、できの悪い子ほどかわいいという言葉もあるように、僕には忘れられない重要な一作なのでした。
そして68のシューティングから約10年、夜光蛾4が完成です。評判とかは、まぁ、全然ですが、僕としては大満足の出来です。僕と同世代ならば「これぞオレたちが100円玉をつぎこんだシューティングなんだよ!」と思っていただけるのではないでしょうか! 達人、ガンフロンティア、首領蜂、バトルガレッガ、怒首領蜂、そして超連射68k、爆裂矩形弾といった流れを感じてくれればうれしい!!
グラフィック表示やスプライトの定義さえまともにできなかった、電柱にひっかかった小便のシミにたかるゴキブリの糞にわいたバクテリアの死骸が風で舞って鼻に入りおもわず出たくしゃみと共に噴出した鼻水に混じってた鼻糞程度の自分がよくここまで来られたものだと思いますよ。すごいプログラムセンスや能力がなくても、地道にやっていればなんとかなるわけです。
68最後の作品から10年、ゲームプログラムをはじめてから15年です。正直、15年でこのレベルとは相当才能ないんだと思いますよ。自嘲や自虐ではなく、客観的に見てほんとに時間かかりすぎだと思います。でも自分の作品に必要な絵は描けるようになったし作曲もおぼえました。夜光蛾4は効果音も全部自作ですよ。
世の中すぐに才能だとかセンスだとか言われますが、そんなもん皆無でも知識を積み重ねるだけでなんとかなるわけです。
それにしても15年は長すぎだと思う人もいよう。ほんとに好きなら15年くらいがんばれるってことですよ。先日のMIDIの話もですが、好きだ好きだといいつつちょとしたことで見捨てて逃げだし口先だけであーだこーだと屁理屈こねるのは、このオレ坂葉晴雄に言わせれば好きのうちに入らないね!
大層なことほざいてるがてめえのゲームなんぞ1年でみんな忘れるわバカそういうご立派なことはずっと語り継がれるような作品を世に出してから言えウジムシ!と思う人もいよう。このオレ坂葉晴雄は他人に評価されたりチヤホヤされるためにゲームを作っているのではない! 僕の思う「おもしろくてかっこよくて興奮するゲーム」を目指しているのである! 少年の日の僕が、飯も忘れて熱中するようなゲームを目指しているのである! つまり他人からの評価は、ボーナスのようなものってことですよ。だいたい有料ソフトに金を払ってくれる人がいるってだけで、とてつもない評価です。こんなにありがたいことはない。
今の若い人なら、それこそ1年2年でここまで来られるでしょう。テクノロジーと先人の蓄積したノウハウが才能を補ってくれる時代です。
さぁ、そこのきみ、自分だけのゲームを作りたいと思っているきみ! 少しずつでも作り続けていれば、きみもいつかは理想のゲームを完成させられるぞ! がんばれ!
おわり
参考になったらクリック!!
※ 完成前のバージョンのデータがwinにありました。以前友人が3.5インチFDDかMOを使ってwinに読み込んだものです。エミュと格闘してなんとか動かすことができたので画面写真を載せておきます。
上段左から、
1:タイトル 怖い顔の人。昔からこういうのが好きだったというのが丸わかりである。
2:1面 ビルの絵は仮のもの。
3:2面ボス こいつは3形態に変身する。ラスボスの次くらいに強い。
下段左から
1:3面の中型機 Galshellのデンデンマンに相当するキャラ。なんとなく、三面には固い中型機が必要だというイメージがある。
2:3面ボス こいつは地味。道中の中型機より小さいところが情けない。
3:最終面 R-TYPEのパクリ。
※ Galshell完成までの大雑把な履歴
なんとなく気になっていろいろ調べてみました。
Galshellの製作開始は以外に早く、00年からでした。
日付に関してはソースのタイムスタンプから推測したものなので、あまり正確ではありません。
97/12/01 X-TYPE(仮) 製作開始。
98/07/04 X-TYPE(仮) プロトタイプ(全4面)公開。
98/12/xx X-TYPE(仮) 完成(全5面)。ベーマガのコンテストに投稿。
99/01/xx win98マシン購入 CPU:セレロン300、メモリ:32MB(?)、HDD:10GB
99/04/08 X-TYPE(仮) コンテストのノミネートに選ばれず。
99/05/01 初代HP公開
00/09/24 Galshell製作開始
00/11/06 Galshellテスト版(1面)公開。~02年の間に何度か更新し、2chの某板でも公開しました。
01/02/25 sakuraウェブにて「あきら小屋」開始
03/01/27 スウェーデンへ
04/02/10 南アから帰国
04/04/26 パソコンを新調。OS:WinXP CPU:Pen4 2.8G メモリ:512MB HDD:160GB
04/05/01 Galshell 製作再開
04/06/13 Galshell ver1.00 公開
04/07/16 Galshell ver2.00 公開
2008 年 4 月 16 日
Galshell以前 4
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