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●概要
傑作FPSハーフライフの続編です。
 いろいろすごいんですが、前作のようなゲームを期待すると落胆するかもしれない……。
 良くも悪くも今どきの演出重視FPS/TPSの元祖という感じです。
「この場面はこうやって進め」ということを暗に強要されるのが残念でした。
 工夫して進むというより製作者の意図を探す感じと申しましょうか。
 とはいえ現代の一人用FPS/TPSと比べると自由度は高く、ゲーム自体はおもしろいです。
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 公式で日本語化されています。
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●システム
 オーソドックスなFPSです。
 取得した武器は全て持ち歩くことができます。
 そのかわり予備弾倉は少なめです。あっという間に弾切れになる。
 特定の武器に拘らず全部の武器をバランスよく使っていけという方針のようです。
 一つのカテゴリに2つの武器があるので選択がめんどくさい。
 数字キーがカテゴリのショートカットになっていて、押すごとに候補が変わりマウスボタンで選択という形です。
 ある程度進むと物を引き寄せたり吹っ飛ばしたりできるグラヴィティガンというのが手に入り、これがなかなかおもしろいです。
 とは言え後続のゲームが真似しまくっているので今プレイすると新鮮味がないのが残念……。
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 体力+シールド制で、これらはアイテムを取得して回復します。
 かなり大量に出るので被弾をそれほど気にせず進んでいきましょう。
 しかし被ダメージも大きいのでごり押しは効きにくい。
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 途中、乗り物に乗って進む場面があり、これが非常に長い。かったるい……。
 挙動の癖もかなり強いです。
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 物理エンジンを使った謎解きが売りです。
 しかし正直言うと売りにするほど目立っていないような気もする。(というか感心するような使い方はほぼない)
 僕はこの部分に対する期待が大きかったので、相当がっかりしました。
 まぁ、あまり凝った仕掛けにしても面倒くささが勝ってしまうので、ゲームとしてはこの程度でちょうどいいのかもしれない。
 当時としては画期的だったのかなぁ……。
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 難易度はかなり高めですが、クィックセーブがあるのでなんとかなると思います。
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 自動回復するエネルギーを使ってダッシュやフラッシュライトが使えます。
 回復はかなり早い。
 しかしライトはつけっぱなしにできてもよかったような……。
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 敵AIはかなり劣化してるような……。
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●グラフィック
 空気感と水の表現がかなりすごいです。
 水面は今見てもすごいと言える。
 メカデザインもかっこいい。
人間キャラの顔の出来がよく表情も豊かなんですが、リアルかというとそうでもない。不思議な感じです。
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●ストーリー
 ストーリーが売りのシリーズです。
 が、ストーリーがいいかというと疑問が残る……。
 いろんな展開・演出はあるもののドラマ性はかなりいまいちで、良くも悪くもありがちな洋ゲーという感じです。
 なんで海外のゲームってこうなんだろうな……。主人公=プレイヤーの分身であるべき!という意識が強いのかな……。
 怪生物も出てくるものの基本はレジスタンスとして体制側と戦う話になっており、正直ワクワク感はない。
 元々は普通の科学者だったのに、凄腕の戦士みたいな扱いになってるのもなんかガッカリだ……。
(初代からけっこうな時間が流れ伝説的存在になっているので、ストーリー的に不自然というわけではない)
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●感想
 間違いなく良作なんですが、前作のプレイ感を期待するとかなりがっかりすると思います。
 前作は「武器と敵とマップを用意したからあとは好きなように進んでくれ」という感じでしたが、本作は製作者の意図通り進まねばならない場面が多くなっています。
 映画的な演出を取り入れようとするとこうなるのだろう……。
 その関係で無限湧きが各所にあるのが非常に残念でした。
 まぁこのあたりは仕方ないと言えるのかもしれないな……。
いろんな場面が次々出てくるのは単純にすごくて、よくこれだけ詰め込むわ……という感じです。
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 川のシーンのグラフィックが圧倒的にすごい一方、それを見せるためか水上バイクのシーンもものすごく長いです。
 最初はかったるくてそこでプレイを中断してました。
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 収集要素として「λ」があるのですが、説明もカウントもないのでなにがなんだかわかりませんでした。
 λマークのそばでアイテム取得するのが条件のようです。
 レジスタンスが隠した物資ということらしい。
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 物理エンジンを使った攻略が売りと聞いていたので「なるほどここは箱を積んでその上をわたるのかな」と思ったもののうまくいかず、結局タイミング見て進むだけだった場面がありました。
 他にも「ドラム缶を持って盾にしながら進むのかな?」という場面で実際はジグザグに走って突っ込むのが正解だったり、事前に抱いていた印象とだいぶ違ってました……。
 またグラヴィティガンと物理エンジンでいろいろできるといえばできるものの、ゲームを進行させる上では無理に使う理由がなかったりもします。
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 良作であることは間違いないんですが、期待していたものと違いすぎてすごく複雑な気分でした。
 正直言うと、今プレイすると「古い良作」なんですよ……。(いろんな場面があって作り込みは今見てもすごいし凡百のFPSよりかは格段におもしろい)
 演出型FPSの原点だからこそこうなってしまうんだな……。
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 あとグラフィックがリアルになったことで不自然な地形を作れなくなったというのも地味にプレイ感に影響している気がします。
 DoomやQuakeに出てくるような奇怪な建造物はリアル系の背景に合わないからな……。
 変なマップにするには前作HalfLifeくらいのグラフィックが限界とも言えそうです。
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 本作自体は何も悪くないのに僕の中の「こういう方向性は残念」が凝縮されてるような作品でした。
 ゲーム自体は間違いなく名作なので、FPSのルーツ的なものを追いたい人には避けて通れない一作ですよ。
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| 開発元 | Valve Software | 
| 発売日 | 2004/11/17 | 
| プレイ記録 | |
| プレイ時間 | 26時間 | 
| 難易度 | Normalクリア | 

























