僕がシューティングゲームで好きな場面は、中型機やボスにピタリと張りついて弾を撃ち込むところです。そして「そろそろ攻撃が来る!」と思ったらすばやく離脱する。そして敵が攻撃する前に破壊できたりすると「ククク、さすがだぜオレの撃墜能力……」という気分になるわけです。
しかしながら近頃はこうやって執拗に攻めるタイプのゲームがだいぶ減ってきたようで、これは悲しい。弾避けに徹したいとか、固い敵はうざいというのが主な原因に思えます。でもこういうタイプのゲームは敵を倒す順序を考えてパターン化しやすく、意外にも初心者にやさしい仕組みでいいのではないかと思うわけです。上達する気分があじわえる。無駄な動きをはぶいてプレイを最適化していくのはレースゲームでタイムを削っていく作業にも似ているといえよう。評判は全然だったが、夜光蛾2はまさにこれを主題として作った。自分ではかなり気にいってる。でもボス戦では時間を止めるべきだったなぁ。
そしてこういうゲームは敵配置を考えるのもパズルを作ってるかのような気持ちになる。うまくできたときはまさにジグソーパズルのピースがバチッと合ったような快感を味わえるわけです。でもやりすぎると解法がひとつしかない超難解なパズルになってしまうので注意が必要だ。
撃ち込みを推奨するためのシステムとして、僕のゲームでは接近するほど撃ち込み点が高くなるようになってます。どういうプログラムかというと、自機弾のほうに点数がついていて発射後1フレームごとに点が下がっていきます。そして敵に当たるとそのときの点が撃ち込み点として加算されます。つまり画面内に長く存在する弾ほど当たったときの点が低くなり、密着して撃てば高得点というわけです。距離と点数の割合が弾の速度でかわるので、このあたりは調整の腕前を発揮できる部分です。キャラや武器別に弾速をかえるとか。ちなみに夜光蛾4では発射時30点です。
これは張り付きマニアとしてはなかなかそそるシステムだと思うんですが、視覚的演出がないのでいまいち稼いでる気にならない。過去10秒ぶんの撃ち込み点をオーディオのレベルメータのように示したり、ヒット時の火花を点が高いほど派手なものにしたり、撃ち込み度が高いほど(前述のレベルメータのパラメータを敵ごとにもたせる)赤くなるなどするといいかも。
(実際のところ、こういうゲームデザインは今はうけないと思い、夜光蛾4ではあまり撃ち込みを必要としないようにし適当にプレイしても進めるようになっている)
初代Galshellでは撃ち込みが経験値上昇につながっていたので、有利に進めるためには自然に張り付きプレイになるようなゲームデザインになっています。というのはウソでなにも考えずに作ったら自然とあのような形になった。しかし自分でいうのもなんですが、うまいことできてるなぁと思いますよ。自分の作品でいちばん完成されたシステムだと思います。
ちなみに最終面近くにならないとパワーアップが最強にならないのはダライアス系の影響なんですが、それを指摘する人がいなくて意外というか残念というか複雑な気分でした。ただダライアスというゲーム自体はそれほど好きではなく、僕自身は外伝しかプレイしていません。見てるぶんには面白いけど自分でプレイする気にはなれない作品でした。
これを読んだプログラマの皆さんは、敵が固くて撃ち込みが熱いゲームを作りたくなってきただろうと思います。強大な敵と真正面で撃ちあう自分の姿を想像し興奮しているでしょう。僕は待ってるのでがんばって作ってください。
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2008 年 4 月 8 日
撃ちこめ!
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