夜光蛾4の3面の曲「本気のひよこ」が完成した!
今日明日で動画用の絵を描いて、日曜日には公開しようと思う!
最近はミックスについてちょこちょこ勉強してるわけですが、これがなんとも難しいというか奥が深い。
ミックスというのはギターやヴォーカル等のトラックを左右に割り振ったり音色を変えるエフェクトをかけたりする作業だと思っていました。
しかしそれはミックス作業のごく一部なのである。大事なのは「音圧」なるものを上げたり、各トラックの周波数がかち合わないようにイコライザーで削ったりするのだそうだ。
例えばバッキングのギターなら、低域をゴッソリカットする。ベースとかち合ってしまうからだ。
低域をカットするとギターが軽い音になってしまうけど、全トラックをミックスして聴いてみるとさほど気にならないらしい。
そのベースも、バスドラムとの兼ね合いで低域を削ったりする。曲によっては逆にバスドラムのほうを削る。のだそうだ。
正直言って僕はあんまり音楽的な意味での耳がよくないので、自分でいろいろ試しても違いがよくわからない。
が、いろいろ削ったのをミックスしてみると、確かに聞きやすくなってる……気がする。気がするだけである。
イコライザーというのは強調したい部分を上げるための足し算的ツールだと思ってたけど、ミックスでは引き算ツールとして使うわけである。これは「へー、知らんかった!」と思った。
楽器がたくさんあるときは同じ場所に同じ音域のものが重なってはいけないそうで、だからヴォーカルと音域がかぶるバッキングギターは思い切り左右に離すらしい。まぁこのあたりはなんとなくわからないでもない。
バッキングコーラスとかストリングス(キーボード)は高域のパートになので、これらも重なってしまう。その場合は、目立たなくていいほうにリバーブをかけると奥に引っ込むのだそうだ。そんなこと言われてもよくわかんねーって。
あんまセンスとか才能の話は好きじゃないんだけど、このミックス作業というのはセンスのないやつには無理だと思った……。いや、理論をしっかりと学べば波形とかを見るだけである程度はなんとかなるものなんだろうか。
しかし各トラックの音域や周波数まで考慮せねばならないとは、これはもう作曲の段階で計画していかないといけないんだろうなぁ。
歌謡曲に「編曲」というクレジットがあるのはこのためなのではあるまいか。アレンジというと楽器を置き換えたり曲調を変えたりする作業っぽいけど、実はイメージ画像(つまり基本のメロディとコード進行とリズム)をもとに完成形の設計図を作る仕事なのである。たぶん。
僕はメタルのアルバム聴いて「サウンドがしょぼい!」とか言ったりするんだけど、なぜしょぼいのか、どうすればよくなるかなど具体的なことはなにも知らずにいたわけです。しかしここにきて、ミックス現場をちらりと垣間見た。
音がしょぼいアルバムもそれなりにがんばって作ってたんだなぁと思うと、あまり下手なことは言えないと思ったのだった。言うけど。
あとミックスで重要なのは「音圧」というやつだ。これは、同じボリュームの中でどれだけでかい音が出るかというもの。「音圧を上げる、音圧を稼ぐ」というのは、レベルメータが赤にならない範囲で音を大きくしていく作業だ。
レベルメータがレッドゾーン突入し0dBを越えると音が割れる。だから波形を歪めつつ、レッドゾーン手前ぎりぎりのところまで音を大きくせねばならない。
先ほど書いたイコライザーでのカット作業もこれと関係あり、同じ音域でいくつも音が重なってると、聴覚上の音は小さいのにレベルメータはガンガンあがるという状況が起こる。そうだ。
昔のCDの音が小さいのは機材の関係で音圧を稼げなかったせいだろうと思う。古いメタルCDではクローミングローズの「プレッシャー」が異様に音がでかかったけど、あれはエンジニアががんばったのだろう。当時の他のアルバムに比べて格段に音がでかくて、メロスピベスト集カセットに「Skyline of the world」だけを入れてた僕は、この曲の手前でボリュームを落とさねばならなかった! しかし今はあの音量が標準なんだよなぁ。
ちなみにあのアルバムはメロスピが1曲しかないせいで評判は悪かったけど、内容的にはなかなかよい。切れ味の鋭いサウンドがかっこいい。プロデューサー調べてみたらフレミング・ラスムッセンだったったよ。あの音圧も納得できる。
音圧稼ぎは「コンプレッサー」というエフェクトを使う。が、これがなかなか思うように扱えない。
それに僕は思うんだが、もとの波形をいじりまくって音をでかくするくらいなら、最初から小さめに作って再生機器のボリュームを上げればいいじゃんと思う。でも聴く方はそんなの知ったことじゃないから、音が小さい=しょぼい、になるんだろうなぁ。
実際僕も古いアルバム聴いていて、音が小さめのアルバムはその時点で「しょぼい! マイナー作! B級バンド!」とイメージを持ってしまっていた。ボリュームをちょっとひねってやればそれなりにしっかりしたアルバムなのに。いやまぁ、音が小さい→ミックスに金がかけられない→売れてない→しょぼいバンド、の図式はだいたい成り立っているともいえるのだが。
現在のように複数のアルバムをまとめて聞くような環境だと音のでかいアルバムのほうがインパクトがあって確実に有利なので、音響エンジニアたちは必死に音圧を上げるんだろうなぁ。
これは僕が素人考えで思っていたことだけど、音圧関係のことをいろいろ調べていたところ商業音楽の製作現場では「音圧競争」という言葉があるんだそうだ。音圧がでかいとラジオでのオンエアの時に有利になるらしい。
それがいまや素人音楽の世界でも音圧音圧ですよ。ニコニコ動画とかで人気の曲は、みんなこうやって1dB、0.5dBと詰めていって作られたものなわけです。技術関連の話題が出ているコミュニティでは、1に音圧2に音圧という感じ。WAVEエディターで波形とにらめっこしながら、ギザギザのオビを直方体にしてやろうとしのぎを削っているわけですよ。
これはコンピュータの進歩により、かつてのプロが使ってたのと同じような環境が個人のパソコンでも使えるようになったのが大きいんだろう。
ちょっと前に、そろそろミックスの専門家が出てきそうだ、なんて思ってたんですが、そろそろどころかすでにあちこちにいる。
正直「アマチュアなんだからもうちょい気楽にいこうよ、音が悪くてもそこが味になるかもしれないじゃん」と思うのだが、もうアマチュアとプロを分けて考える時代じゃないんだろうなぁ。音楽でも絵でもゲームでもそうだ。
できるやつはとことん上を目指すわけである。
その姿勢は素晴らしいしほんとにいい時代になったと思うんだけど、なんかギスギスしてるなぁとも思う今日この頃であった。
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2008 年 4 月 25 日
ミックス
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