ずいぶん前に感想を書いたんだけど、なぜかアップしていませんでした。
これはかなり面白かったです。ホラーゲームでは最高レベルの出来です。
中古で1000円程度で買えると思うので、ホラーものが好きで未プレイの人はぜひ遊んでみてください。
以下ずいぶん前に書いた感想。
遊星からの物体Xをプレイして怖いゲームのおもしろさに目覚めた僕は、ほかにいいゲームがないかと探してみました。
なんでも、PSのサイレントヒルがなかなかよいらしいです。
さっそく中古屋に走って購入。
プレイしてみたら、これはいいではないですか。普通のおっさんがゴーストタウンと化した街を歩き回り行方不明の娘を探すゲームです。
街は霧に包まれていて、その奥からクリーチャーが襲ってきます。これは雰囲気でてる。
最初から使えるアイテムに「ラジオ」があり、敵がそばにいるとノイズが流れます。これのおかげでいきなりの不意打ちが回避できます。
ホラーゲームならではの「突然敵が出てギャーッ!」がないのが残念といえば残念ですが、姿は見えないけどそばにいる!という緊張感もなかなかおもしろいです。それに、「いきなりギャー!」は効果は絶大なものの正直言ってレベルの低い怖がらせ方なので、それを除外してゲームを作るという気概がすばらしい。
また夜になると懐中電灯の光を頼りに探索せねばならず、これもまたいい雰囲気が出てます。
そしてこのゲームのいちばんのポイントは、なんといっても異次元世界でしょう。主人公は気を失ったりすると妙な世界に飛ばされます。マップ構成はそれまで探索していた学校だの病院だのと同じなのに、建物自体が錆びた鉄骨や金網で構成されています。これはかなり不気味だ。死体が壁に吊るされていたりもする。この雰囲気はいくら口で言っても説明できないので、ぜひゲームをプレイしてたしかめてほしい!
異次元から戻ったときのさっぱり感もいい。同じマップの使い回しではありますが、効果は絶大です。
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戦闘はけっこうきついものがあります。弾薬の数が少ないというのがきびしい。また、翼竜のような空飛ぶクリーチャーが非常にやっかいです。倒すコツを知らないとボコボコにやられます。
そのコツというのは、ジグザグに走り回りつつおびき寄せることです。止まって迎え撃とうとすると背中側から襲われることが多いので注意。主人公よりも移動が速いため、まっすぐ走っていても後ろから攻撃を受けます。
ジグザグに走っていると攻撃できずに主人公を追い越すため、敵が前方に出たところで即ロックオン&射撃で倒せます。
後半の病院に出てくる看護婦にはハンマーが効くので、ガンガン撲殺しましょう。弾薬の節約にもなります。
学校でもチビクリーチャー相手に鈍器が使えるけど、鈍器だとゴキブリが倒せなかったりするので注意が必要です。
あと、下水道ではラジオが使えないため、敵の接近がわかりません。その上、ほぼ視界外の天井に張り付いてる敵もいてかなり厄介です。ここも鈍器で進みたいけど、安全のためには銃のほうがいいかも。
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謎解きはけっこう難しいです。ちょっとした暗号を解くパズルが多いんですが、わからない人にはわからないかも。
あとエンディング分岐の要素が2つあり、これもわかりにくいです。赤い水のほうはほとんどの人が気づかないのでは。もちろん僕は気づきませんでした。
そしてカウフマンのイベントも無視してしまいました。カウフマンのほうは謎というわけではないんですが、そのマップ内のあるポイントに行くと勝手にストーリーが進んでしまうため、探索の仕方によっては無視することになってしまいます。特にそのマップは暗いわ敵が強いわでかなり厳しいので、カウフマンのイベント(探索すべき建物)に気づかず走り去ってしまうことが多いと思います。
僕は一回目のプレイでは見事にバッドエンドになってしまいました。二回目は攻略サイトで分岐点をチェックしてからプレイしました。情けないとは思うが、昔ほどにゲームに熱中できなくなったのだから仕方ない……。
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ストーリーというか、物語の表現方法がかなりいいです。
怪異の原因や物語の設定が、新聞やメモ等の断片的な情報によって明かされていきます。はっきりとは語られないため何も考えずにプレイしているとわけがわからないままかもしれませんが、実際にメモを取りつつしっかり探索してプレイしていると徐々に全貌が明らかになるといった感じです。
昨今のゲームのストーリーというとなんでもかんでも登場人物が解説しがちのような気がするけど、シリアスな話ならこういう表現方法のほうが盛り上がるのではあるまいか。
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バイオハザードの二番煎じ的なゲームではあるものの、ストーリーも雰囲気もちゃんと独自路線になっています。
Wikipediaなどを見ると「ジャパニーズホラー的な雰囲気」となってますが、これはむしろ70?80年代のアメリカン・オカルト映画的ではないかと思います。オーメンだとかヘルレイザーだとか、あの系統の映画。
そのため、敵もクリーチャーも派手なのはほとんどいないです。ザコの中ではしょっぱなに出てくる翼竜が一番派手な部類なのでは。(個人的には、いきなりこういう非現実的なのは出さないほうがいいのではないかと思いました)
また主人公も普通のおっさんです。武器の扱いに習熟した特殊部隊員ではありません。
このようにゲーム自体は一見地味なものの、だからこそよい雰囲気を出しています。あまり派手なクリーチャーを出して「遺伝子操作が?」「軍の実験が?」となるのも興醒めです。
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操作性は若干難ありという感じでしょうか。パッドの左右で旋回、前で前進という操作系です。レスポンスもかなり悪い。
またカメラが妙なところに配置されていたりして、操作にとまどうことがしばしばあります。
ホラーゲームなので演出の関係で視点が決められてしまうのは仕方ないかもしれませんが、どうにもプレイしにくいです。なんで日本のゲームは頑なに主観視点を拒むんだろう。
ちなみに一度クリアすると主観に近い視点で遊べます。個人的にはこのほうが楽でした。なんで最初からこれが使えないのかなぁ。
クリア特典や2周目以降のお楽しみもいろいろあります。が、周回するごとに強制的に難易度が上がっていきます。これはきつい。ただでさえ弾薬が少ないのに、敵が強くなってしまうわけですよ。
Normalでも全滅させていこうとすると全然弾が足りませんでした。敵ごとに武器をこまめに変えていけばいいかもしれませんが……。
なんでもこのゲームでは基本的に敵からは逃げるのだそうです。しかしちまちま戦って安全区域を広げていくプレイが好きな僕としては、逃げ回って効率よく進めるのはどうも性に合わない
屋内は同じところを何度も行き来することになるので、街では敵を無視して弾薬を節約し、屋内では全滅させるというプレイがよいでしょう。
まぁなんだかんだいってすごくおもしろい作品でした。
まだプレイしていない人はぜひ遊んでみてください。ゲーム好きならやっておかないと損だ。
PS2で続編が出てるからこれもやってみようと思います。しかし話はそれなりにまとまっているため、無理に続編を作っておかしなことになっていないか心配だ。
10点満点で評価すると、
・おすすめ度 9点 3Dアクションが苦手な人にはきついかも
・個人的評価 10点 じつにおもしろかった!
です。
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