チームプレイを売りとしたTPSです。
□△○ボタンが集合・攻撃・防御に割り当てられており、最大12人の仲間を簡単に操ることができます。
第二次大戦でソ連が勝利をおさめたパラレルワールドを舞台にしています。
洋ゲーのなかではけっこう評判がいい作品です。
難度はそこそこでした(NORMAL)。途中でセーブできないステージがきつかったです。
仲間の群れを戦略的に配置し進むゲームと思っていましたが、ちょっと違ってました。仲間をある程度分散させつつも、正面から押していく感じです。
単独潜入の場面もあります。こういうステージでは「メダルオブオナー史上最大の作戦」に似たプレイ感でした。慎重に行動し的確に敵を倒していかないと、あっという間に蜂の巣となって死亡です。
背景グラフィックは綺麗でストーリーにも意外性があり楽しめました。
評判どおりの傑作です。
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●システム
標準的なTPS操作ですが、照準は表示されません。そのかわり大体の方向があっていれば自動的に敵を狙ってくれます。
楽ではあるものの、やはり自分で照準を合わせたいと思いました。
リロードボタンはなく、一定時間弾を撃たないと自動的にリロードしてくれます。
本作の売りは最大十二人の仲間と行動ができることで、前述の通り□△○ボタンがそれぞれ集合・攻撃(偵察)・防御(待機)に割り当てられています。
ボタンを押してすぐに離すと、個別指令を与えられます(仲間に加えた順)。長押しすると全員同時に命令を与えます。
視点をズームした状態で指令を与えると、狙ったポイントに向かわせることができます。
個別指令を使えば部隊を複数に分けることができます。
部隊人数が六人の場合、A地点で○ボタンを二回、B地点で○ボタンを二回、C地点で○ボタンを二回押せば部隊を三つに分けて待機させられます。ただ、この状態で部隊Bや部隊Cには命令できません。個別指令は仲間に入った順なので、次に指令を出すと部隊Aの一人目が動いてしまいます。
また、攻撃のタイミングも自分では命令できないため、配置を整えて一気に攻撃をかけるのも無理です。
複数部隊に分けて行動したいときは不便ですが、実のところ戦略的に進めるというよりひと塊になって突き進むといった感じなのであんまり関係ありません。
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仲間のアルゴリズムはなかなかよくできていて、マップに引っかかってウロウロするなどのマヌケな行動は見られません。戦闘時にもちゃんと隠れたりします。挙動がリアルで雰囲気出ています。
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武器は二つ持てます。が、拳銃+その他の武器となっているため、アサルトライフル、スナイパーライフル、ショットガン等は必要に応じて拾って持ち変えるという形になります。
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マップ内の負傷者を救急パックで治療したり任務をクリアしたりするとカリスマポイントが上がっていきます。ポイントが100になるとレベルが上がり同行できる仲間の数が最大十二人まで増えます。
救急パックは自分や仲間の治療用も兼ねます。とはいえ山ほど出るので遠慮せずに使いまくれます。
主任務・副任務のクリアでもカリスマポイントは上がります。
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マップはあからさまな一本道ではなく、ある程度攻略の自由があります。
複数のマップからなるステージもあり、難しいマップも他のマップでの副任務をクリアしてからだと楽になったりします。
橋やヘリポートを壊さないと敵が無限に追加されるので注意が必要です。つまり橋やヘリポートのあるマップからの攻略が推奨されてます。
任務には主任務(アメリカ国旗を揚げる)と副任務があり、主任務をクリアするとそのマップはプレイできなくなります。
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●グラフィック
背景グラフィックはなかなかいいです。市街の景色はとてもよくできてます。光とか空気遠近の表現がよくできてる。このあたり洋ゲーの底力を感じます。
また、仲間キャラが多いわりにフレームレートが安定しています。
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●ストーリー
いかにもアメリカ万歳な内容なんですが、実はデンマーク製のゲームだそうです。冒頭のストーリー紹介では、第二次大戦でベルリンに核が落とされヨーロッパはすべて共産圏に入るという設定です。デンマークのデの字も出ない。
ステージの合間にソ連の無茶なプロパガンダ番組が挿入されたりして笑えます。
ストーリー面ではまったく期待していませんでしたが、途中に意外な展開があり驚きました。もうちょっとキャラ描写が濃ければストーリー面でも傑作になったかもしれません。もったいない。
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●音楽
普段ゲームの音楽は気にしないんですが、このゲームは印象的でした。オーメンやラプソディみたいな賛美歌風の曲が随所で挿入されます。
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●感想
おもしろかったです。序盤はいまいちでしたが、中盤の新展開のあたりからゲームも盛り上がってきました。
終盤のミッションでは仲間が猛烈な火力で戦ってくれるため爽快感があります。単独潜入で苦戦したところを大軍で制圧していくのは無敵感がありました。一対一だとかなり苦戦する鎧男も、十二人で取り囲んで集中放火を浴びせればあっという間に倒せます。
ただ、個人的には単独任務のほうがおもしろかったです。単独行動だと普通のTPSと変わりないんですが……。
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戦略的に進めるゲームだと思っていましたが、実際はそうでもなかったです。
序盤のマップは結構自由度が高いものの、中盤からは一本道に近くなります。その序盤も、部隊を分けて小細工を弄するよりも普通に正面から突撃したほうが楽だったりします。せいぜい道や扉の左右に仲間を配置するくらいでしょうか
マップ自体は意外なところに抜け道があったりして凝っています。仲間を正面で戦わせておき、自分は抜け道を使い別角度から攻撃というのがそこそこ使える手でした。(しかし移動するのに時間をかけるより狙撃していったほうがはやい気もする)
ステージごとの戦略もあまり必要なく、普通にプレイするかぎりでは「爆薬入手→ヘリポートや橋の破壊→主任務クリア」の順に決まってしまいます。
自由度が高そうで実は高くないという感じ。
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負傷者を救助してカリスマポイントを得るというのはいいんですが、その負傷者がほとんどいないのが残念でした。
マップは綺麗かつ結構込み入っていて探索し甲斐があるものの、何もない行き止まりばかりでちょっと徒労感があります。
ルートの都合上副任務を達成せずに主任務をクリアするという状況もほとんどありません。
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敵は基本的にゲーム開始時にすべて配置されるようです。特定のタイミングで攻めてくる場面もありますが、何もないところにいきなり敵が生成される場面はありません。
その反面、確実に敵を排除して進むと最終エリアに敵が全然いないという状況になります。ちょっと寂しいです。個人的には、こうやって敵を駆逐し圧倒していくのは好きなんですが、各ステージの最後の場面くらいはヘリで敵が輸送されるなどして盛り上げてほしかったです。
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クリア後におまけステージが遊べるんですが、あっというまに終わってしまい「なんだこりゃ?」という内容でした。
本当はもう1ステージ作る予定だったけど納期の都合で間に合わずオマケにしたという感じです。
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とてもおもしろかったです。評判どおりの傑作でした。
NORMALはそこそこ難しいものの、これがクリアできれば他のTPSやFPSも遊べるようになるでしょう。TPS入門用に向いてると思います。
これはおすすめ。
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●まとめ
開発元 | IO Interactive |
発売日 | 2003/09/26(海外) 2004/03/18(日本) |
プレイ記録 | NORMALクリア |