恐竜と戦うゲームを探していてみつけました。
ジャングル探検もののFPSです。コングを操るステージでは客観視点のアクションゲームになります。
映画と並行して作られ、公開とほぼ同時に発売されたそうです。ゲーム内にも映画的演出が多く使われています。
映画とゲームの融合という面では、これまでにプレイしたゲームの中ではいちばんうまくいってると思いました。
出来はかなりいいです。チェックポイントが多く難度も低めなのでFPSが苦手な人もがんばればクリアできると思います。
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●システム
一般的なFPSと使用ボタンが違っていて最初は戸惑うかもしれません。
L2押しっぱなしで構えてR2で射撃です。L2を押さずにR2を押すと打撃攻撃になります。
R1はリロードになります。
左スティックで移動、左スティックを押しこんでいる間はしゃがみです。しゃがみ移動もできます。
右スティックで照準移動、押しこむとズームです。
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銃はひとつしか持てません。弾も少ないです。
マップの各所に槍が落ちており、R2を押すと拾うことができます。槍の操作も銃器と同じで、銃と槍を両方持っているときは槍が優先されます。
槍には強い槍と弱い槍の二種類があり、強い槍は数に限りがあります。弱い槍は無限に取れます。
また、かがり火に槍を突っ込むと穂先に点火できます。
蔦で覆われて通れない場所があるときは燃える槍で攻撃して焼き払うことができます。
火のついた槍を投げて遠くのかがり火に点火するといったパズル要素もあります。
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ダメージは自動回復します。
耐久力は低めで、二~三回連続で攻撃されると死にます。
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死んだ敵の死体に他の敵が群がったりします。また小型の虫(それでも数十センチ)を槍で突き刺しその槍を投げることで敵を誘導できます。
説明書で「サバイバル」と謳って解説してありますが、あまり活用する場面はないです。
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コングのステージでは格闘アクション+アスレチックを主体としたゲームになります。
通常の打撃に加え、敵の顎を裂くといった技も使えます。
コング面は難易度も低めで豪快なアクションを楽しめます。
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ステージは四十ほどあり、そのうち戦闘があるものは三十三です。一つのステージは短めでその中に多数のチェックポイントがあります。
クリアしたステージは再プレイできます。
再プレイ時にはスコアアタックができるようになり、稼いだスコアによっておまけ要素がアンロックされていきます。(とはいえ大半が変なギャラリーなのであんまり嬉しくない)
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映画の雰囲気を出すためか画面にはほとんど情報が表示されません。「弾数確認ボタン」なんてものがあり、これを押すと主人公が残弾数をつぶやきます。
(オプションメニューで照準や情報の表示の有無を選択できます)
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●グラフィック
かなり綺麗です。これはおどろきました。PS2ではトップクラスだと思います。草むらに入ると草が倒れるという表現もあります。
秘境を舞台にしているだけあってマップにも起伏がありまさに探検気分です。
キャラの動きやモデリングもいいです。
巨大節足生物が気持ちわるくてかっこいい。
Vレックス(Tレックスみたいな姿をした架空の恐竜)の咆哮でズームブラーがかかるのもいいです。すさまじい迫力。
残念ながらフレームレートは低めです。
全体的にキルゾーンに似た描画感です。キルゾーンほどフレームレートは落ちこまないけど。
フレームレートが低いため急な方向転換をすると画面がが見にくくなり混乱することもあります。
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●ストーリー
秘境探検映画のフォーマットに従っているようで、次々にピンチが襲い掛かってきます。
話のあらすじ自体はありきたりだけど展開はおもしろいです。まさに映画。
字幕も手書き風です。
最後のアンロック要素でもう一つのエンディングを見ることができます。が、これは蛇足のような感じも。
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●感想
これは素晴らしいです。まさにゲームと映画の融合という出来でした。
「デモ中にもプレイヤーキャラを動かせる」という手法で映画的展開を表現しています。誰でも考えそうなことだけど、この作品はそれが非常にうまい。PS2世代のゲームでここまでやってるのを見るのははじめてでした。
行進する恐竜の群れや襲いかかってくるVレックスなどはものすごい迫力です。
仲間と一緒に行動する場面も多く、仲間は場面に応じた行動をとりセリフをしゃべります。プレイヤーがモタモタしない限り常に演技しているといった感じです。
「映画との共同制作」という宣伝文句はハッタリではありませんでした。映画本編は見ていませんが、原作もののゲームとしては最高の出来だと思います。
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ただ、FPSとしてみると地味です。武器も弾も少ないため撃ちまくって撃破する快感がありません。
FPSベースのアクションアドベンチャーといった感じです。
スコアアタックは加点+減点方式で、無駄弾を撃ったりダメージを受けたりするとどんどん点が下がっていきます。
高得点を目指せば熱くなるかもしれないけど、正直言ってあまりおもしろいとは言えません……。
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パズル要素が物足りないです。蔦や草を燃やして道を切り開くというアイデアはおもしろいけど、頭をつかう場面は少なめです。
小形動物を囮にする機会もほとんどない。
とはいえパズルが主体のゲームでもないし、テンポよく進ませるためにわざと簡単にしたのかもしれません。
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巨大恐竜との対決がないのが残念でした。主人公が倒せる恐竜は小型のものだけです。Vレックスとの戦闘が何度かあるものの、牽制するだけとか仲間の援護のために主人公が囮になるといった状況ばかりです。一度くらいは倒させてほしかった。
敵の種類もちょっと少ないです。
巨大恐竜がVレックスとアパトサウルス(ブロントサウルス)だけというのも残念。
倒せる恐竜はディノニクス系のものがサイズ違いで三種くらいです。羽毛は生えていないデザインです。
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要所要所で仲間が演技するのはおもしろいものの、イベントが起きてる方角がわからず見逃してしまう場面もいくつかありました。
イベントが起きてる方向を指示するマーカーがあればいいと思いました。
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最後のアンロック要素を解放しないとハッピーエンドになりません。しかしこのハッピーエンドはいろいろと無理があるので見なくてもいいかも……。
アンロック条件は100%クリア+スコア250000点です。緩めです。
死亡だけ注意して普通にプレイすれば中盤のステージで溜まると思います。
アンロック要素のメインである「ギャラリー」がちょっと変です。薄暗い洞窟風の展示場に2Dのパネルが飾られているという形です。イメージイラストやポリゴンモデルは見ることができません。これはなんの意味があるのだろう……。
探索・収集要素がほしかったです。秘境探検ものだからなんらかの探索要素はほしかった。珍しい生き物を発見して図鑑を埋めてくようなのがこのゲームには似合いそう。
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知名度の低い作品ですがこれはすごかったです。演出を楽しむ作品としてはPS2屈指の名作といえるかもしれません。
おすすめ。
開発元 | Ubisoft Montpellier Ubisoft Casablanca Phoenix Studio |
発売日 | 2005/12/15 |
プレイ記録 | |
スコア | 506393 |