ミス・マープルものの長編です。
田舎町で、マープルが噂話に興じつつ事件を解決していくというものです。
再読です。
かなり前に読んだんですが、これといって印象に残る場面がなく、ラスト以外はほとんど忘れてました。
読み直したところ、あーこりゃ忘れるわ……という内容でした。
しかし終盤はなかなか強烈で、あーこりゃラストだけ忘れられないわ……という感じです。
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ある日ローカル新聞に奇妙な広告が掲載されます。
老婦人レティシア・ブラックロックの住むリトルパドックスにて殺人が行われるというものです。
その記事を読んだ村の人たちは、探偵ゲームが行われるのだと思い指定時間にリトルパドックスに集まります。
ブラックロック自身もこの広告には心当たりがありませんでしたが、とりあえず誰かが企画したサプライズパーティだと思い、パーティの準備をします。
ところがパーティの最中に実際に殺人が起き、しかも死んだのは犯人役と思しき謎の男なのでした。
という話です。
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全体的に牧歌的な雰囲気が漂い、他にこれといった事件もおこらず淡々と話が進んでいきます。
本編と同時進行するサブエピソードも特に無く、いまいち盛り上がりにかける展開でした。
さすがにベテランの作だけあって各キャラクタは生き生きしているものの、正直いうと退屈に感じました。
が、ラスト80ページで怒涛の展開が押しよせ、最後には意外な犯人と物悲しい結末が待っています。
犯人の心情とかはかなりグッと来るものがあるのですが、どうにもページ数が少ないため物足りない印象です。
意外な真相も一気に明かしすぎでもったいないような。
前半をもっと軽く流し、終盤80ページを倍くらいに増やしてもいいんじゃないかと思いました。