ブラジル出身のバンドの六枚目です。
知名度は低そうなのに、全作日本盤が出ています。
メンバーはけっこう頻繁に変わっていて、今ではヴォーカリストであるクリスチャン・パソスのソロプロジェクト的なバンドになっているようです。
1992年に結成され1995年に1stアルバムを発売しました。
デビュー時はANGRAフォロワーのような扱いでした。確かにそれっぽい音楽性でしたが、メロスピというよりプログレ寄りの内容だったので、筋金入りのメロスピ厨だった僕はあまり聞かずにCDを仕舞いこんでしまいました。内容も、まぁイマイチというか。
今一歩感の強いデビューアルバムだったので、2nd、3rd購入は見送りました。というか、国内盤が発売されたのさえ知らなかったよ……。
3rd発売後一時期活動を停止したようで、2002年に復活し「The Kingdom」を発表します。
このアルバムは当時けっこう話題になりました。僕も「えっ? これがあのWizards」と驚きました。収録曲の多くが、流れるようなメロディの疾走曲だったのです。
日本盤ボーナストラックの出来がかなりいいので買うなら日本盤にしよう。
名盤ではあるんですが、個人的には、あっさりしすぎで物足りなく感じていたりもします。
そして2005年には続編的内容の「The Kingdom II」が製作されます。
前作のような疾走曲重視ではなく、バラエティ豊かな曲が揃っています。が、そのせいかメロスピファンには受けなかったようで、大して評判にもならず終わってしまいました。
二分台の曲が半数を占め、これまた物足りない。
2010年末に、新作「The Black Knight」が発売されました。
これまたメロスピ路線ではないものの、ドラマティックな展開をこれでもかと強調したアルバムになっており、非常に聴きごたえがあります。パワーメタル版Queenといった感じ。
クワイアの絡みや掛け合いをたっぷり織り込んだ、オペラ・ミュージカル調の曲です。キーボードによるオーケストレイションもあるものの、あまり目立っていません。主役はあくまでも歌声という作りです。
どの曲もキャッチーなメロディと豪勢なクワイアが投入されており、初聴の印象がよいです。そしてじっくり聴きこんでも味があるというお買い得なアルバム。
ボーナストラックはQueenのDon’t Stop Me Nowです。オリジナルに忠実なコピーとなっています。
The Kingdomのようなメロスピを期待するとガッカリですが、ドラマティックなクワイアメタルが好きなら見逃せない一作です。
個人的にはこのバンドの最高傑作だと思います。
ジャケ絵は、正直言ってかなり微妙です……。これが本当に2010年代のアルバムなのか。
恥ずかしいジャケに目がない人は要チェックといえよう。
2011 年 8 月 6 日
Wizards [The Black Knight]
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