「地球防衛軍」で有名なサンドロットが作ったロボットアクションゲームです。
ロボットに搭乗して戦うのではなく、離れたところからラジコン操作をするという形になります。
主人公とロボットは別々に操作する必要があり、ロボットに近づきすぎると戦闘の巻き添えでダメージを受けたりします。
かといって離れすぎるとよく見えない。
アクションゲームとしてはもどかしいことこの上ないんですが、遠隔操作でロボットを操る雰囲気は最高です。
これはかなりの良作なんですが、「長めのデモをスキップできない」ため再プレイしにくい作品となっています。会話のスキップにもけっこう時間がかかる。
プレイヤーキャラは三人おり少しずつ話が違うようですが、デモがあまりにかったるいので一人しかクリアしていません。
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●システム
主人公は方向キーか左スティックで移動します。
○ボタンを押すと、グラヴィティドライブという装置を使って空を飛ぶことができます。
SELECTボタンを押すとロボット操縦モードになります。主人公はその場に留まり、視点がロボットのほうに向きます。
ロボットモードでは、L1L2が左足、R1R2が右足に対応しており、それぞれ[1]で足を前に出す、[2]で後ろに出すとなっています。
LRを交互に押すと歩くことができます。
アナログスティックのLが左手、Rが右手に対応しています。レバーの倒し方によって様々なパンチを放つことができます。
面倒臭そうに見えますが敵の動きもかなり遅いのでさほどあわてずに操作できます。鈍重な巨体同士がドッカンドッカン殴りあう様はかなり迫力あります。
市街地で戦闘してると当然のことながら街が破壊されます。あまり壊してしまうとクリア評価が下がり報奨金をもらえません。
また、ヒロインのバイト先やライバルの会社を壊してしまうと、好感度が下がったりシナリオ分岐したりするようです。
僕はこういうのを気にするタイプなので被害を少なくするようちまちま戦いましたが、実際のところは盛大に街を破壊して戦ったほうがイベントが増え話がおもしろくなるようです。
中には、「大手スーパーができたためヒロインのバイト先がつぶれそうだから、戦闘のどさくさにまぎれてスーパーを破壊する」なんて展開もあります。ひどすぎる……。
また、いくら破壊しても次のシナリオでは町は完全に復興しています。毎回思う存分破壊できます。
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●グラフィック
ハリボテ感がすごいものの町の表現は見事です。
グラフィックのレベル的にはGTAあたりと似た感じでしょうか。
町並みが日本っぽいところがいいです。街をじっくり散策するようなイベントやミッションがほしかった。
地球防衛軍と同じくフレームレートが低いのが残念です。まあ仕方ない
ロボットのデザインは非常にダサいです。80年代前半風といった感じです。
腕が長めで不恰好なものの、パンチ主体で戦うゲーム性には合っています。これが90年代以降のスマートなデザインだったら雰囲気に合わなかったでしょう。
ただ、腹部が細すぎるのはイマイチだと思いました。腰と同じ太さでいいのに。
キャラ絵も80~90年代前半のアニメという感じでしょうか。男キャラはいかにもという感じの濃さですが、女の子は可愛いです。
全体的に、ブライガーとかゴーショーグンとか、あの時代の作品を思わせる雰囲気です。僕がアニメに興味を示さなくなった時代でもある。
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●ストーリー
この世界では、宇宙空間に「ネクタル放射線」という生物に有害な放射線が飛び交っており、生命体は惑星上でしか活動できないという設定になっています。
このため人類が宇宙に進出することもできなければ宇宙人が地球に来ることもない……はずだったんですが、ある日宇宙の彼方からロボット軍団が攻めて来ます。
「三千年委員会」「文明保存財団」「セラフィム級格闘決戦型兵器」などのエヴァンゲリオン臭漂う恥ずかしい用語がいろいろでてきていい感じです。
とはいえ話の展開自体はさほどジメジメしておらず、昔ながらのロボットアニメ的なさっぱりしたものになっています。
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前半から中盤にかけてかなり盛り上がっていくのですが、後半はここぞというところでどうでもいいシナリオが三話(3ステージ)連続で展開され、そのままいまいち盛り上がらずに終わってしまいます。
謎とか伏線とか「そんなものはないんだよ……」と言わんばかりの投げ出しっぷりです。
三千年委員会と機人の関係とかもっと掘り下げればおもしろくなりそうなのに。
敵についてもほとんど語られないままだったのが残念です。
主人公は三人の中から一人を選択する形式で、みんな同じ苗字になっています。
これは三兄弟というわけではなく、同じ設定で三人分のパラレルワールドがあるといった扱いです。(選んでいないキャラは全くストーリーに絡んでこない)
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●感想
これはおもしろかったです。
難度もそれほど高くなく、難しいステージも2~3回挑戦できればクリアできます。
難度が低いぶん「いかにかっこよく戦うか」という楽しみ方ができます。
プレイヤーとロボットを別々に操作するのはおもしろいんですが、欲を言えば搭乗して戦えるロボットも欲しかったです。
この操作系で普通のアクションゲームをプレイしてみたい。
本編とは別に戦闘に特化した高難度モードもほしかった。
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ストーリーにはラブコメ要素も入っています。
しかしどの主人公でもイベントはほぼ同じなため、女主人公にするととんでもないレズゲーになってしまいます。
しかも説明書でのストーリー紹介は女主人公を基本に書かれている……。
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冒頭にも書いたとおりデモを飛ばせません。これは大きなマイナス面でした。初回プレイはいいものの、二回目からはかなりかったるいです。
文章もまとめてスキップさせて欲しかった。
OP・ED曲やアイキャッチといった定番の演出がありません。これは残念でした。
必殺技を出すときに技名を叫ばないのも物足りない。
レトロロボアニメ風の作品を作るのならば、このあたりは外してはいけない部分なのではあるまいか。
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よくできてはいるんですが、ストレスの溜まる欠点も目についてしまいます。
デモスキップとフレームレートの向上したHD版が出ないかな……。
すごく惜しい作品でした。
開発元 | サンドロット |
発売日 | 2002/08/29 |
プレイ記録 | 月岡直人でクリア |