初期PSを代表するSTGです。
がっかりSTGとしても名高い。
凝った設定とかっこいい機体デザインが魅力です。クリチャーの気色悪さもなかなかのもの。
しかしどうにもSTGとしての出来が悪いです。しかしクソゲーというほどつまらなくないあたりが、まさにがっかりSTGという感じです。
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発売当時にも少し遊んだのですが、自分ではあまりプレイせず友達のプレイを見てるのがほとんどでした。
正直言うと「難しすぎて楽しめなかった」という記憶しかありません。どれくらい難しかったのかを検証するためにも再プレイしてみました。
結果としては、自分の記憶の中にあったフィロソマよりもグラフィックがかなりしょぼく、ゲーム的にはそこそこ遊べるという感じでした。
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●システム
いつでも4つの武器を切り替えられます。
前方攻撃、後方攻撃、貫通レーザー、溜め撃ちとなっており、アイテムを取ることでそれぞれ三段階パワーアップします。
緊急回避用のボムもあります。
ステージによって縦スクロールだったり横スクロールだったり奥スクロール(3D)だったりします。
さらに、手前スクロール(3D)、自機を下からみた縦スクロール、斜めから見た横スクロール、ズームインした横スクロールなどもあります。
ズームインした横スクロールというのはようするに自機がでかい状態のことで、なんのためにこんな場面があるのかサッパリわかりません。まぁキャラを見せるためなんだろうけど……。
シールド×3×三機(その場復活)で、戻り復活のコンティニューが五回です。
全4フェイズからなり、到達したフェイズから再プレイできるので、STGが苦手でもボムを活用すればクリアできると思います。
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●グラフィック
当時としてはすばらしいものでした。しかし今見るとかなり微妙です。
同じPS時代のR-TYPEデルタやレイストームと比べても、はるかに見劣りします。
まぁフィロソマは出た時期が早いので、後発の名作と比べるのはかわいそうではある。
背景は3Dなんですが、よく見ると2D多重スクロールの場面が結構あったりします。
キャラもプリレンダ2Dのような……。
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●ストーリー
未知の生命体が機械に取り付き暴れまわるというものです。
ゲーム中では隊員同士の無線でストーリーが語られていきます。
それはまあいいんですが、アニメくさい展開というか気恥ずかしいセリフが連発するというか、ちょっとムズムズしてしまいます。
「シリアスなSF戦争映画風にしたかったのに、気付いたらオタク向けSFアニメになってしまった!」みたいな。
設定やデザインが凝ってること自体は歓迎すべきところです。しかしゲーム内容が全然追いついていないので、「設定マニアが張り切りすぎ無駄なところまで凝ってしまった恥ずかしい作品」という印象に……。
フィロソマの生態とかをいろいろ考えてるわりに「なんで寄生虫みたいなのが電子機器を操れるの?」という肝心の部分がまるで説明されてないのも気になる。
バイオホラー作品を見るたびに思うんだけど、未知の怪生命体を万能にしすぎると話が安っぽくなってしまう。そこまで万能なら、めんどくさい繁殖法をとる必要ないんじゃないの?とか思ったり。(他にもナノテクもので、万能ナノテク腕がわざわざ物理的武器に変形したりする無駄な感じ)
雰囲気重視のSFアクションならいいんだけど、中途半端に凝った設定にするほどこの手の疑問がわいてくるわけです。
この作品の場合、謎生物が機械に寄生するというところが物語のキモでもあるので、もうちょっとそれらしい説明を見せてほしかったです。
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しかしまぁ、ゲーム中に無線を使って物語を表現するというのは、なかなかうまくいってるしいい感じだと思います。
強制的にゲームが進むSTGというジャンルに合ってる。
終盤のショッキングな展開もいい。
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難易度ごとにエンディングが違うそうです。僕はNORMALしかクリアしていないのでHARDもやっておかなければ……。
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●感想
もうどうしようもないくらいに微妙な出来です。
SF風設定やマルチスクロール表現の仕様が固まった時点で盛り上がってしまい、肝心の敵配置やバランス調整は適当に済ませてしまったという感じ。
スクロール方向こそいろいろ変わるものの、印象に残るシーンがあまりありません。
ボスももう少し凝ってほしかった。
至近距離から高速弾を撃たれてボコボコ被弾するシーンが多いように感じます。また、左右から同時に敵編隊が現れ、片側を倒すのがどうやっても無理に思える場面もいくつかあります。
パワーアップがないと打ち負ける場面もしばしば。
全体的に理不尽さが目立ち、STG製作に慣れたスタッフがいなかったんだろうなと思わせてくれます。
ただ、敵配置をおぼえてちょっとでも危なかったらすぐにボムを使えばそれなりに進めるため、これはこれで家庭用のSTGとしてはバランスが取れてるのかもしれません。無茶な難所での復活ほどおもしろく感じたり。
このゲームのダメっぽい部分こそが、STGの基本に繋がっているような感じです。まあ製作者はそんなこと全然考えずに適当に作ったんだろうけど……。
なんだかんだ言ってSTG好きならそれなりに楽しめると思います。
がっかりゲームとしてSTGの歴史に名を残してるっぽい作品なので、若いSTGファンは一度プレイしておくのもいいかも。中古がとんでもなく安いし……。
「フェイズパラドックス」というタイトルで続編が出ているそうです。PS2用のアドベンチャーゲームです。
開発元 | ジーアーティスツ |
発売日 | 1995/07/28 |
プレイ記録 | ノーマルクリア |