手塚治虫のまんがを題材にした作品です。
B級アクション臭がプンプン漂っていますが、意外にもよくできた作品でした。
重厚過ぎずわりと気軽にプレイできる感じです。
ゴッドオブウォーやデビルメイクライは本格的過ぎてちょっと……でも無双系もあまり好みじゃないし……という人に向いてると思います。
基本的にはコンボアクションなんですが、「スライスモード(早押しコンボモード)」というのがあり、これが単調なんだけど病み付きになるという不思議な魅力を持っています。
原作をアレンジしたストーリーもそれなりによくできており、隠れた良作といった感じです。
これはおすすめ。
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●システム
□で弱攻撃、△で強攻撃、×でジャンプというコンボアクションでは基本的な操作系です。
○を押しながらスティックを入れることにより随伴するどろろに指示を出せます。攻撃、探索、アイテム回収、集合の四種です。
どろろを操作するステージなどもあります。
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△ボタンを長押しして気合を溜めたのち敵を攻撃するとスライスモードになります。
画面下部に○×□のアイコンが表示されるのでそれに従ってボタンを押していき、スライスゲージがなくなる前に△ボタンを押してとどめを刺すとスライス数に応じてアイテムが出ます。
時間切れなどでとどめを失敗しても与えたダメージはそのままです。スライス攻撃中は無防備になることを除けばデメリットはありません。
最初のうちは制限時間が厳しくて少ししか入力できませんが、キャラが成長するに従い時間が延びていきます。
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ボスを倒すごとに奪われた体のパーツが戻るという設定になっています。パーツを取り戻すたびにキャラの能力やパラメータが強化されていきます。
また、最初から持っている仕込刀は敵を倒せば倒すほど強くなっていきます。
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●グラフィック
キャラデザは沙村広明です。
手塚絵とは全然ちがう半リアル調のキャラになっています。
百鬼丸が年齢高めでかっこいい。
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●ストーリー
原作をアレンジしてあります。
残酷な部分をかなり薄めているので物足りなくもあるのですが、まぁ仕方ないでしょう。アクションゲームとしては力の入ったストーリーだと思います。
さらに、原作後のエピソードとして全ての魔物を倒すところまで描かれています。
ちょっと強引っぽい気もするのですが、まぁこれもありでしょう。
えーっ!?というエンディングもついてます。予想通りとも言えるんだけど実際に見ると驚いてしまうというか……。
しかしこうやって再度どろろのストーリーを味わってみると、ベルセルクあたりは大きな影響を受けてるんだろうなぁと思うのだった。
やっぱり手塚治虫はすごいな……。
話が暗いせいか連載当時(1967年)は不人気で打ち切りになってしまったそうです。もったいないことです。
同じく暗く陰鬱なストーリーの漂流教室やデビルマンが1972年だったことを考えると、それほど早すぎたわけでもないような気がする。当時の読者が手塚治虫に期待するものとちがったということでしょうか。
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●感想
これはよかったです。
ストーリー的に「ここは変えたらダメだろ」みたいな部分もたしかにあるものの、今の時代にPS2で出すならアレンジするのも仕方ないでしょう。
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全体的に序盤のほうが難しいです。装備やパラメータがよくなる中盤以降のほうが楽です。特に復活薬の有無は大きい。
二章のボスがすさまじく強いです。アクションが苦手な人はここで投げてしまいそうです。僕も心が折れかけました。
ラスボスもかなり強く、特にとどめの48スライスは「そんなのできるわけねーだろ……」という感じでした。
半泣き状態で48スライスをきめましたよ……。
しかし、涙目になりながら早押ししなくても、スライス数が2倍3倍になるアイテム(刀)があるのだった……。
一部ジャンプアクションで進むシーンがあり、これがまた難しいです。ジャンプに癖がある上にカメラ視点がいまいちだったりしてうまく進めません。このあたりもう少し快適にプレイできれば、ゲームの印象がグッとよくなりそう。
アイテムとしてさまざまな刀があり、収集要素にもなっています。
攻撃力が高かったり特殊効果があったりして便利なのですが、最初から持っている仕込刀は使えば使うほど成長するため、仕込刀ばかり使ってしまいます。
これはちょっと残念でした。
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突出した売りはないものの全体的にそつなく作られており、安心して楽しめる国産アクションゲームです。(序盤のボスがキツめだけど)
おすすめ。
開発元 | セガ |
発売日 | 2004/09/09 |
プレイ記録 | |
クリアタイム | 22:23:29 |
百鬼玄武 | 52 |
百鬼朱雀 | 47 |
愚者の刀 | 99 |