二人の仲間とともに敵をボコボコにしてパス回しをするゲームです。
これはちょっと驚きの良作でした。
他のゲームでは味わえないプレイ感があり、キャラ要素も強調されており、BGMは哀愁のメロディが印象に残るなど、全方位に攻撃力の高い作品です。
超おすすめ。
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●システム
コンボを当てて気絶した敵を「ふっとばし攻撃」で味方にパスすると、その敵をキャッチした味方がもう一人の味方にパスします。
パスを受けた味方は主人公にパスを返すので、それをさらに「ふっとばし攻撃」で味方にパスするゲームです。
パスが続くと必殺技のエネルギーが溜まっていき、ある程度溜まったところで△ボタンを押すと強力な技で敵を粉砕します。
パワーレベルが1の時は主人公単独の技、2の時は主人公と仲間一人との合体技、3の時は三人合体技「OverZenith」です。
適当にパスを出しても、味方がすごい勢いで飛びついてパスを拾ってくれます。
パスを受けるのが苦手な場合は、その辺の敵を捕まえて片っ端から味方にパスを送るという方法もあります。
仲間のAIの出来がよく、「なにやってんだこのバカ!」と思うことはあまりありません。
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話が進むにつれ仲間が増えていき、五人の中から二人選んで連れて行く形になります。仲間によってAIの挙動やレベル2必殺技が変わります。
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仲間が生きている限り何度でも復活可能です。
倒れた仲間も一定時間で復活します。
ただ、復活にはそれなりに時間がかかり、回復の最大値も減っていくので、何度でも復活できるから楽ということでもないです。
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●グラフィック
背景はいかにも国産ゲーム的というか、正直いまいちなんですが、キャラはよくできています。イメージイラストをそこそこ忠実に表現しています。
白と黒の陰影を強調した漫画風のイラストを随所に使用しています。コントラストが強くて鋭角的な線が目立つ、スタイリッシュな感じとでも言いましょうか。
オタク向け漫画っぽい絵柄なので、その手の絵が好きな人は気に入りそう。幻想水滸伝のイラストレーターとして人気だそうです。
敵キャラのデザインもかっこいいです。
ボスも奇怪かつかっこいい感じ。
フレームレートが低い(30FPS)のは残念でした。
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●ストーリー
神の手下にさらわれた妹を助けに行くという話です。
世界の状況がつかめないまま中盤で敵の本拠地に突入してしまうなど物足りない部分がありますが、全体的に見ればキャラものとしてよくできています。
個性的なキャラの掛け合いを主体にしたストーリー展開で、このあたりも漫画っぽい作りです。
味方キャラが男も女もツンデレ揃いなので、ツンデレ好きは大満足でしょう。僕は大満足です。しかし一番のお気に入りは年増のクールなお姉さんキャラ「アルミラ」なのだった。
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ゲーム中には味方がよく喋り、これがまた雰囲気を盛り上げてくれます。
しかしステージ間のデモに声がないのは寂しい。
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ラスト付近で突然新陣営が加わり「これ本当に完結するの?」と思いましたが、それなりに完結しています。
壮大な感じの設定もあるので、ぜひとも続編を見てみたいです。
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●感想
youtubeにいい感じのプレイ動画がありました。
ごちゃごちゃしているゲームなので実際にプレイしないとわからない部分が大きいですが、それなりに雰囲気は伝わるでしょう。
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これはすごい作品です。
アクションゲーム好きならこのプレイ感は体験しておくとよいでしょう。
ただ、最初のうちはタイミングがつかめずパス回しがうまくいきません。攻撃時の硬直がかなり長いため、外すとかなりストレスがたまります。
マルチエンディングになっており、EASYでもすべてのエンディングは見られます。しかし条件がわかりにくくノーヒントでは真エンドは無理だと思います。
そのためほとんどの人は二周以上プレイすることになり、二周目あたりからようやくコツがつかめるという感じではないでしょうか。
そしてコツがつかめないと(パス回しができないと)あまりおもしろいゲームとはいえないため、根気のない人にはいまいちパッとしないゲームという印象になりそうです。
コツをおぼえてしまうと、「一周目はなんでパス回しできなかったんだろ?」とかえって疑問に思ったりします。
文字で書いても伝わらないプレイ感がおもしろさのベースになっており、それがこのゲームの良いところであり悪いところでもあると言えそうです。
慣れないうちはジャンプ攻撃でパスを受けるといいかもしれません。
レベル1の必殺技なら確実です。敵が多い場合には、レベル1必殺技を使いまくるといいでしょう。
味方はパスする時に名前を呼んでくれますが、聞いてから反応するのはちょっと難しいです。あらかじめ味方の動向を把握しておき、声でタイミングを取るという感じです。
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初回エンディングまで6~7時間、その後は4時間もあれば一周できるので周回プレイによる苦痛はそれほどありません。コスチュームが増えたりもするので、三周(エンディング三種)くらいは飽きずに遊べると思います。
バッドエンドもあるんですが、条件がものすごく厳しいので僕は見ていません。(相当へたくそな人でも取るのは困難なほどしょぼいプレイをしなければならない)
BGMがなかなかかっこよく、昭和歌謡の哀愁が漂っています。ハードロック調の曲もけっこうあります。
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パス回しに本作の魅力の大半が詰まっているため、ゲーム展開が単調です。どの場面でも基本はパス回しするだけになっています。
製作側も当然それをわかっているので、各ステージにはさまざまな仕掛けが用意してありプレイヤーを飽きさせないようにがんばっています。
しかし、やはりおもしろいのはパス回しなので仕掛けの数々が苦し紛れの策に見えてしまう。
続編が出ないのも、実はこのあたりが原因なんじゃないかなぁと思ったりします。
このゲームになにか付け加えるとしたら、後は「シュートして的に当てる」くらいではないだろうか。
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ボス戦は五面が異様に難しかったです。
このゲームのボス戦は、ザコでパス回しをしてゲージをためボスに必殺技という形が基本なんですが、五面ボスとともに出るザコはなかなか捕まえることができず、ボスもそのザコを振り回して攻撃してきたりします。
後のステージのほうがボスと同時に出るザコが多くて楽に戦えました。
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同じステージを何度もやり直してポイントを稼ぎ、アイテムを装備してキャラを強化できます。
アイテムは「銀のかたびら」と「再生の護符」が強力すぎてほかのアイテムを選ぶ余地がほとんどないような気もします。
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ロックオン・カメラ関係の操作で若干不満がありました。
R1のロックオンでは敵を注視せず、L1のガード(ガード兼視点リセット)と同時に押してロック中の敵の方を向くようになります。
これはロック中でも自由に動き回ってパスを受けるためなのかもしれませんが、やはり感覚的にはロックオンで敵のほうを向いてほしかったです。オプションで切り替えられるようにするとか。
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知名度はいまいちっぽいですが、PS2のアクションゲームを代表する一作だと思うので、興味のある方は今からでもぜひプレイしてみてください。
自信を持っておすすめできる傑作です。
開発元 | コナミ |
発売日 | 2005/06/30 |
プレイ記録 | 初回プレイ | 二周目 | 三周目 |
エテリア獲得数 | 114689:B | 146568:S | 255621:B |
クリア時間 | 6:44:34:C | 4:35:21:S | 7:40:53:C |
瀕死回数 | 166:B | 9:S | 91:A |
難易度 | Normal | Easy | Hard |
リトライ回数 | 27 | 5 | 14 |
総合評価 | C | S | B |
総プレイ時間 | 20:11 | 28:43 | 41:15 |