多数の敵をなぎ倒す、いわゆる「無双スタイル」のARPGです。
ドラゴンに乗って地上の敵兵をまとめて焼き殺したりもできます。
ストーリーがショッキングとのことで、ワクワクしながらプレイしました。
アクションゲームとしては褒められた出来ではないですが、駄作やクソゲーというほどでもない、という感じです。
全体的にもうちょっとレベルが上がれば、傑作・名作になっただろうなぁと思いました。
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●システム
□で攻撃、△で魔法・フィニッシュブローです。
□ボタンでの攻撃中に特定のタイミングで△を押すとフィニッシュブローになります。、
セレクトボタンを押すとドラゴンに乗ることができます。(場所やステージやよって乗れない場合があります)
空中戦ステージではフライトシューティング風になります。
□ボタン単発で強力な火炎弾、押しっぱなしでロックオンです。
ゲームを進めていくとさまざまな武器が手に入り、地上戦の最中にR2ボタンを押すと武器変更ができます。状況に応じて持ち替えて戦えます。
武器ごとにレベルが設定されており、倒した敵の数によってレベルアップしていきます。
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●グラフィック
技術自体はけっこうありそうなんですが、ポリゴン数の少ない殺風景な場面ばかりなのでちょっとしょぼく感じます。
敵のデザインはまずまずなものの、甲冑の兵士ばかりなのが寂しいです。もっと奇怪なクリーチャーを出してほしかった。
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●ストーリー
戦闘狂の荒っぽい主人公が、妹を守るためにあちこちで大殺戮を繰り広げるという感じです。
ただ、主人公がファイナルファンタジーに出てきそうなヒョロい美男子タイプなので、いまいちキャラのイメージと合ってません。もうちょっと無骨な感じのほうが良いのではあるまいか。
主人公はドラゴンと契約して力を手に入れるんですが、その代償として喋れなくなります。そのためゲーム中ではドラゴンがテレパシーで主人公と会話し、他の人物との通訳になる(プレイヤーへの解説役)といった形になっています。
これのせいでテンポが悪くなり話もわかりづらくなっています。しかも喋れないという設定が活かされている場面がない……。
他の人物もみんな性格に欠陥を抱えており、物語全編に渡って嫌~な雰囲気が漂っています。
いろいろ設定は凝ってるんですが、ゲーム中に全然語りきれていなくてモヤモヤします。
マルチエンディングで、終盤にはものすごい展開になります。これはよかった。
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●感想
アクションゲームとしての出来は正直言ってあまりよくありません。
ドラゴンは非常に強いものの、魔力(ドラゴンのブレス)を反射する敵がいるためかなり使用を制限されています。
主人公の魔法も反射されてしまうため、この手の敵が多いところでは非常に戦いづらいです。(しかもフィニッシュブローを失敗すると魔法が出てしまう)
また、弓兵や魔術師の遠隔攻撃がけっこう厳しく、ドラゴンに乗っていてもあっという間に撃ち落されてしまいます。
強力な攻撃手段を用意しておきながら、プレイヤーの有利要素を封じる手段があからさますぎるわけです。
そのため、ドラゴンや魔法がいくら便利だとしても、難所では決まって通常攻撃で切り抜けなければなりません。
遠隔攻撃キャラが複数出ると相当鬱陶しく、回避や防御を使うよりも無理矢理接近して殴ったほうが結果的には被害が少なかったりもします。主人公の移動が遅めで敵はけっこう逃げ回るため、無理矢理にでも接近しないと四方八方からボコボコにされてしまいます。
基本動作にジャンプがあるものの、これもほとんど役に立ちません。「鉄塊」を素早く振る以外に使い道があるのだろうか。
空中戦の操作性もいまいち……というか、初期設定ではロックオン対象に視点が自動的に移動するようになっています。それなのに照準は同期して動かず、大きく旋回したあと照準が画面外から戻ってこないという状況が頻繁に起こります。
それの対策なのか自動照準機能があるものの、これも変に慣性がつくため押しっぱなしにしていると照準がぶんぶん振られたりします。
まぁこれは視点の補正を切ればいいんだけど。
全体的に、アクションゲーム製作経験のないチームが作ったのでは、という感じになっています。
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マルチシナリオ方式です。
ゲーム進行に合わせて分岐が増えるんですが、チャートのようなものがないため話のつながりが非常にわかりにくいです。
ストーリーは基本的にクォータービューのような俯瞰視点で語られていきます。SFC時代のRPGを思わせるデモシーンになっています。
小さめのキャラがチマチマと演技するため、なにが起こっているのかわからない場面も頻繁にあります。
しかも話自体がわかりにくい。素人芝居を見ているような気分になります。
シナリオライターの頭の中では盛り上がってるんだけど、第三者に対する配慮が無いのでわかりにくいという感じです。
仲間キャラに関するイベントもほとんどなく、衝撃的な生い立ちや運命も設定だけで語られています。
仲間の設定自体は非常に興味深いものだったので、ちゃんとゲーム中でも表現してほしかったです。
「ゲームとしての演出」が得意な人が製作に参加していれば、格段によくなりそうなストーリーでした。
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エンディングは5つあり、最初の一つ以外は全部バッドエンドっぽいです。
ストーリー的には説明不足の部分が目立ちますが、終盤の展開~エンディングはいい感じでした。
正統派ファンタジーがSIRENのごとき異常世界になってしまった!という感じです。
漫画「GANTZ」を思わせるような絶望感もある。
そして噂に名高いEエンドは、バッドエンドとか鬱エンドとかよりもギャグに近いような感じでした。
個人的にはDエンドが良かったです。
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難易度は、終盤になると異様に上がります。
ネットの評判を見ると簡単だと言われてるんですが、NORMALでも相当難しい。みんなどうやってプレイしてるんだろう……。
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Eエンドを見るためには武器をすべて集める必要があります。これがものすごくめんどくさい。
攻略サイト見なければ全取得は難しいと思います。僕は見た。
そしてEエンドのラスボスがめちゃくちゃきついです。
僕はポーズを駆使して倒しました。
Eエンド自体は正直無くてもいい感じなんですが、この無茶なラスボス戦は一見の価値ありなので、これからプレイする人はがんばって武器集めをしましょう。
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文句ばかり書きましたが、決してつまらないわけではないです。
アクションゲームとしての理不尽さは目立つものの、ちまちま作業を繰り返して進むRPGとして見れば楽しめます。
僕は、この手のゲームは敵の群れを全滅させてクリアしないと気がすまないタイプなので、敵が多いマップはやりがいがありました。
作業的なゲームが好きな人にはおすすめ。
終盤の展開もおすすめ。
開発元 | キャビア |
発売日 | 2003/09/11 |
プレイ記録 | |
level | 58 |
HP | 334 |
dragon EXP | 965587 |
all kill | 30592 |
all time | 39:06:50 |
attack count | 68106 |
weapon | 100% |
story | 100% |
武器集めはEASY&攻略サイトを使用しました。