ステルス要素の強いFPSです。
プレイヤーキャラとして、スパイ、狙撃手、突撃兵が登場し、ステージによっては二種類の兵を使い分けて進んでいきます。
正直言って完成度はいまいちなんですが、隠密活動中心の面は敵配置がよくできていておもしろいです。
そして大半の面で隠密プレイができます。
FPSとしては薦められないですが、ステルスゲームが好きな人はけっこう楽しめると思います。
いやほんとステルスパートだけ見れば隠れた良作と言いたい。
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●システム
基本的なFPSの操作です。
ズームはライフルとスナイパーライフルでしか使えません。倍率変更もできません。
それ以外の武器を使っているときにズームボタンを押すと双眼鏡モードになります。
スタミナのパラメータがあり、ダッシュやジャンプで減少し時間経過で回復します。
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○スパイ
倒した敵の服を奪って変装できます。
将軍・ゲシュタポ・オフィサー・サブオフィサー・兵士の五種類の服があり、同階級かそれ以上の相手には変装が見破られる可能性があります。
○狙撃手
スナイパーライフルを使用できます。
スコープを覗いているときにR2を押すと、スタミナゲージを消費してスローにできます。
○突撃兵
銃を二挺同時に持てます。このゲームでは予備マガジンの上限が少ないため、二挺持つとあっという間に弾が無くなってしまいます……。
いまいち使えないキャラです。
ステージによっては二種類のキャラを切り替えながら進むことができます。△ボタンを押すと瞬時に切り替わります。
そしてプレイヤーが操作しないキャラはあっという間に敵に倒されます……。
仲間と共闘する場面もあるものの、このゲームは味方のAIがかなりトロいため、ものすごい勢いで死んでいきます。そして仲間が一定数以下になるとゲームオーバーになるという……。
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敵の背後から忍び寄って×ボタンを押すと「ステルス・キル」になります。
ステルスキルは音を全く立てず、視界に入っていなければ隣に立っている敵にも気付かれません。
コインやタバコを使って敵の視線を誘導することができるため、一箇所に固まった敵を片っ端から倒すこともできます。
敵の死体は一定時間(30~40秒くらい)で消えます。
ゲーム的にはありがたい仕様なんですが、ちょっと不自然なので残念です。死体を消さず、死体隠しの要素を入れてほしかった。
ステルスがメインのステージでもバリバリ撃ちまくってクリアすることは可能です。
しかし配置が絶妙なのでぜひともステルスを維持してクリアしましょう。
レーダーに周囲の敵の位置と向きが表示されます。
双眼鏡モードにすると、向きはわからないものの広範囲の敵の位置を知ることができます。
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セーブはどこでも可能です。マップ上の全てのキャラの状態を記録するため、メモリーカードの容量を400KBほど使用します。
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●グラフィック
有名作と比べるとかなりしょぼいです。
そしてフレーム落ちもものすごいです。キャラが多いときは秒間15フレーム出てないんじゃないでしょうか。照準がワープするように飛び回るため、突撃兵だとまともにプレイできません。
終盤ステージの廃墟はけっこう綺麗で、こういうのを序盤に持ってこればもう少し印象がいいんじゃないかと思いました。
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●ストーリー
タイトルの雰囲気から特殊部隊の近代戦ものかと思っていたんですが、第二次大戦ものです。
ナチスドイツをボコボコにしてやれー!という感じです。
敵のスパイが味方の部隊に紛れ込んで~という展開もあるものの、まぁストーリーは無いに等しいです。
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●感想
処理落ち・フレーム落ちがひどすぎてFPSとしてプレイするのは困難です。
ただでさえ弾が当たらないのに持ち運べる予備弾薬の量も少なく、かなりきついです。
しかもマガジン交換すると余った弾を捨ててしまう仕様です。
弾薬庫があるステージでは弾を無限に補給できるものの、弾薬庫が戦場から離れたところにあるので取りに行ってるあいだに味方が死にまくったりします。
これらの要素により二面がかなり難しくなっていて、しょっぱなからやる気をゴッソリ削がれました。
戦闘メインのステージをクリアするには、照準あわせの能力よりも敵の出現パターンをおぼえて先手を打つことが大事です。
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ステルスメインのステージは出来がいいです。かなりおもしろい。
警戒状態になった敵も一定時間で警戒が解除され通常の巡回に戻ります。ステルスゲームではあたりまえの要素なんですが、ステルス要素を謳っておきながらこれがないゲームもかなり多いのですよ……。
死体が消えてしまうため、死体隠しの要素がないのが非常に残念です。
コイン等を使って敵の視線を誘導できます。これの仕様が最初はよくわかりませんでした。音で注意を引くのだと思ってましたが、違いました。
コインは「プレイヤーが敵の視界に入っていないときに、敵の視界内にコインを投げ入れる」ようにして使います。落下地点に対して視覚が反応するわけです。
これをおぼえると難所を楽に越えられるようになります。
敵が固まっていても、コインを投げ続けて視線誘導しつつ片っ端から倒していけます。
ただ、いかにもゲーム的な仕掛けなので不自然に感じることも……。整列した十数人の敵を端から倒して全滅させることもでき、そりゃ無茶だろ……と思いました。まぁ、ゲーム的にはこういうシーンは楽しいんですが。
戦闘メインのステージは処理落ちに半泣きになりながらプレイする必要がありますが、ステルスメインのステージはさまざまな方法で進めることができます。
僕は徹底的にステルスキル狙いでしたが、サイレンサー付きピストルで敵を倒しまくっても正面から銃撃戦を挑んでもいいです。スナイパーライフルでやっかいな敵を先に倒しておくという方法もあります。
ゲーム進行に応じて追加のボーナス任務が出たりもします。
攻略の自由度は高めでおもしろいです。
オートエイムをONにしてプレイすれば突撃兵も役に立ったのかなぁ……。
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セーブ・ロード時に何度かフリーズしました。
セーブ時のフリーズでは、中盤まで進んだデータが壊れ泣きそうになりました……。
複数のセーブデータを持つことができるものの、単一のファイルとして管理されているため、一つのデータが壊れると全データがダメになります……。
再プレイでは二面進むごとに別のメモリーカードにコピーを作りながら進めました。その後は問題なくプレイできたので、もしかしたらメモリーカードか本体の不具合かもしれません。
二度目のプレイでは、せっかくなので難易度HARDで進めました。あまりNORMALとの違いは感じられず、そのまま最後までクリアできました。
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バリバリ撃ちまくるFPSとしては「これゲームとして成り立ってないんじゃないか?」という感じでした。(オートエイムを使えばそれなりに遊べるかも)
ステルスゲームとしては、いまいちな部分も目立つものの敵配置がよく工夫されていて楽しめます。
おもしろそうな要素がPS2の性能のせいで活かせていないという印象です。
現世代機で続編を作ってほしいと思う一作でした。
出来がいいとは言いがたいのですが、マイナーなB級作品をプレイして悦に浸りたい人にはおすすめです。
ちょっとした掘り出し物ですよ。
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●攻略のヒント
・コインを活用する
上にも書いたように「プレイヤーが敵の視界に入っていないときに、敵の視界内にコインを投げ入れる」という方法で視線を誘導します。
複数の敵が固まっているときは、位置や角度を調整しつつ全員の視線を一方向に誘導し、後ろの敵からステルスキルしていきます。
連続で倒せるのは二人くらいなので、安全を考えて一人倒すごとにコインを投げるとよいでしょう。
・引き寄せてステルスキル
ステルスキルのボタンを押すと敵を自分の位置まで引き寄せてから殺します。
普通に倒すと他の敵に見つかってしまう場合でも、遠めの間合いから物陰に引き込むようにすればバレずに倒せます。
・死体が消えるまで敵を足止め
死体が見つかるとステージによっては警報を鳴らされてしまいます。
この場合、スパイなら「注意を引く」、他のキャラならコイン投げを使って敵を足止めし、死体が消えるまでの時間を稼ぐことができます。
・拳銃での長距離狙撃
双眼鏡で大体真ん中の位置にあわせておき、そのまま拳銃に換えて撃ちます。
あまり正確ではないので事前にセーブしておくとよいでしょう。
・戦車の進路に地雷設置
八面では、余裕があるときにあらかじめ橋の上に地雷を仕掛けておくと、戦車のミッションがはじまった後ずっと隠れていればクリアできます。
装甲車が攻めてきたとき、手榴弾で装甲車を破壊しついでに地雷をまいておくとよいでしょう。
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開発元 | Pyro Studios |
発売日 | 2006/09/21 |
プレイ記録 | |
オートエイムオフ | |
HARDクリア |