多重人格を題材にしたサスペンス調の推理小説です。
最近映画化とか漫画化されたそうで(原案扱いらしいけど)、今邑彩の評価向上に繋がってほしいですよ。
ある日突然主人公のルームメイトが失踪し、行方を追っているみると別のところで別の人物として生活していたことが判明します。
さらに、その人物が殺人事件に関わっていることが判明し、調査を進めると新たな殺人が……といった話です。
正直言うと「それは無理があるんじゃないの?」「偶然過ぎるんじゃないの?」という部分もけっこうあり、ラストもオカルトとかホラーの領域に入りかけてるような気もします。(この人はホラー系の作品も書いてます)
とはいえ、謎の人物の行動を追うサスペンス作品としては気軽に読めていい感じです。
いつも通りきっちりとどんでん返しが用意してあるので、びっくり感を味わいたい人にはおすすめです。
ほんと手堅い作家ですよ……。
ガチガチの推理小説ファンよりも、一般的な娯楽作品を好む人のほうが楽しめるかも。
映画や漫画とは確かに相性がよさそうな作品でした。