和製ホラーゲームの要素を取り入れた海外製FPSです。
敵AIの賢さも評判になりました。
実際にプレイしてみたところ、ホラー的な演出を取り入れてはいるものの怖さは皆無に近く、敵AIの賢さもゲームが進むにつれあまり感じられなくなるという若干残念な出来でした。
日本語吹き替え版もありますが、現在は中古しかなく、ちょっと高いです。
僕はSteam版を購入し日本語字幕化してプレイしました。
海外ではPS3とXBOX360でも出ているようです。
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●システム
基本的なFPSのシステムに加え、ゲームの速度を低下させる「スローモー」という技が使えます。
ゲージ消費で使用することができ、ゲージは自動回復します。
体力の自動回復はなく、アイテムを使用して回復する方式です。
ゴリ押しは効きにくいですが、回復アイテムは大量に出る上に十個まで持ち運べるので、NORMALならそれほど苦労しないと思います。
敵の無限沸きはありません。
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ロジクールのマウスドライバとの相性が悪く、僕の環境ではプレイ開始後数分でフレームレートが20くらいに落ちてしまいました。
これはコントロールパネル→デバイスマネージャ→ヒューマンインターフェイスデバイス→「HID準拠デバイス」を全て無効にすると回避できます。
しかしそうするとマウスのサイドスイッチが使えなくなるのだった。
スローモーとフラッシュライト用に追加ボタンが2つはほしいので、僕は泣く泣くフレーム落ちのままプレイしましたよ……。
全てを有効にせず、マウスと関係のない部分を無効にしておけば、それなりのフレームレートは出るようです。(HID準拠デバイスのどれが関係のある部分かはわからないので、一つ一つ無効にして調べないといけない。うちの環境では3つ有効、他の5つは無効という形で、なんとか遊べる程度に動くようになりました)
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●グラフィック
古いゲームなので仕方ありませんが、背景のポリゴン数が少なくイマイチです。
時代を感じさせる直方体のオブジェクトが目立ちました。
しかしリアルタイムで生成される影はなかなかの臨場感を持っています。
エフェクトの出来もいい。
敵のデザイン、モデリングはかなりよくできていて、モーションも素晴らしいです。
このあたりは今見ても全然違和感がありません。
ゲームの舞台のほとんどが屋内であるため、歩き回る楽しさが薄いのは残念でした。
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●ストーリー
残虐表現が多くホラーっぽい雰囲気を出してはいるのですが、ストーリー的に怖い部分はほとんどありません。
初期の段階で「軍が関わっているテレパシー実験」ということが明かされており、初代バイオハザードで言うならいきなり終盤から始まるような感じです。
そのうえ、状況的には大部隊と大部隊の対決っぽい形なので、不可解な事件に単身挑むといったような心細さがないです。(ゲーム自体は薄暗い建物の中を一人で探索するといった感じなんですが)
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●感想
シングルFPSとしてはシンプルながらしっかり作られていて面白いです。
ただ、地味な展開が延々と続くため、今時のゲームに慣れてる人には退屈に感じるかも。
難しい場面もありますが、回復が大量に出るうえにクイックセーブが便利なので、FPSが苦手でもクリアは難しくないと思います。
僕も最初はクイックセーブを使いまくってましたが、あまりにも便利すぎるため途中からは戦闘中にクイックセーブしないようにしました。
FPSが得意なら、クイックセーブ禁止とか最初から高難度モードでプレイしたほうが楽しめるかもしれません。
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全然怖くないのは残念でした。
たしかにホラー的演出を取り入れてはいるものの、電気が消えるとかフラッシュバックが起こるとか幻覚っぽい映像を見るとかばかりのため、すぐに慣れてしまいます。
物語的にも、怪現象の原因は軍事用に作られたテレパシーだと早い段階でわかってしまい、グロテスクなシーンがいきなり現れても「未知の恐怖」は感じられないのです。
そして、敵はほぼすべて人間の兵士(と戦闘用の機械)です。
また、ホラー的な探索(移動)部分と戦闘部分がきっちりわかれているのも気になりました。
突然の奇襲はなく、戦闘前には敵の無線が聞こえてきます。
びっくり演出に頼らないのはいい部分でもあるんですが、まったく無いのもどうなんだろうなぁと思いました。
ホラーものでは臨場感や没入感が大事なのに、これのせいで「今は探索部分だから回りを気にせず走り回ってOK」と思ってしまうのですよ。
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マップは基本的に一本道です。
所々に、情報入手用のノートPCや留守番電話、パラメータアップのアイテムが置いてあるちょっとした分岐ルートあります。
戦闘が発生するエリアではマップが環状になっていることがあり、好きな位置から攻撃を仕掛けられます。
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敵のAIはよくできていて戦闘が面白いです。
グレネードを投げまくり果敢に攻めてきて、下がって体勢を整えてると後ろから攻撃されたりします。
敵弾の命中率が高くダメージも多いことから、スローモーの使用は必須になっており、スローモーゲージを回復させるために休んでいると回り込まれます。
戦闘時のマップが環状になっているため、こういう状況になるわけですね。
敵のアルゴリズム自体がものすごく高度なわけではなく、マップ構成やシステムと組み合わさってこの戦闘が成り立っているんだと思います。
敵がよく動くシングルFPSは、それだけで評価が三割増しですよ。
しかし後半になるとなぜか戦闘マップも一本道型になり、回り込まれることがなくなります。
その上、「物陰から少しだけ顔を出して一瞬スローモーを使い、敵を倒しすぐに隠れる」という戦法に慣れるため、戦闘の難易度が下がります。
そのかわりにやたらと固い敵が出てきて難易度を上げています。これはどうなんだろうな……。
これらのせいで普通のFPSみたいなプレイ感になってしまい、売りである敵AIの賢さがあまり感じられなくなります。
あと、僕のプレイスタイルが攻撃重視だったせいか、あまり敵AIの賢さを堪能できませんでした。
正直に言うと、敵AIの出来はPS2のArea51と同程度に感じてしまった。(僕の中ではArea51の敵はPS2のFPSではかなり素晴らしいので、F.E.A.Rの出来が悪いといってるわけではない。期待したほどではなかったという感じ)
上にも書いたとおり、FPSに慣れてる人は高難度モードでプレイしたほうが楽しめると思います。
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いいゲームではあるんですが、「過去の話題作は一通り触れておこう」という理由でもない限り、今からわざわざやるほどでもない作品かも……という印象でした。
もちろん僕は充分楽しめましたよ! (Steamセールで250円だったことを考えるととんでもないコストパフォーマンス)
リアルタイムで体験できた人がうらやましい。
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開発元 | Monolith Productions |
発売日 | 2005/10/18 |
プレイ記録 | |
難易度 | Normalクリア |