国産TPSです。
世間の評判はいまいちっぽい感じでしたが、ものすごくおもしろかったです。
カジュアルオート(イージー)モードはとてつもなく簡単なので初心者でも安心です。
一人用のFPS/TPSとしては、海外のA級タイトルにも引けをとっていません。
それどころか、これを越えるものはそうそうないんじゃないかというくらいの出来です。
国産アクションの名作と比べてもトップ近くに来るのではないか。
しかし残念なことに、Normalをプレイする限りでは普通のTPSと大差ないため、一般的なプレイヤーには良さがわかりにくい作品なのでした。
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●システム
左スティックで移動、右スティックで照準、R1で射撃の一般的なFPS・TPS操作です。
L2でスライディングによる高速移動が出来ます。エネルギーゲージを消費します。
カバーシステムや武器変更方法など、ギアーズオブウォーをベースにしています。
正直言うとカバーアクションはかっこいいだけであんまり意味ない気がしますが、カバー中は防御力が上がるので積極的に使っていきましょう。
コンボアクションゲームのように無敵回避できます。
連続して回避すると無敵時間が短くなります。スライディングするとリセットされるので、回避とスライディングを交互に行うと比較的安全に移動ができます。
自動回復するエネルギーを消費して、スライディングやスロー(いわゆるバレットタイム)が使えます。
回避動作中にL1を押すとスロー(ARモード)になります。
スライディング中に射撃ボタンを押してもARモードになります。
瀕死になると強制的にARモードになります。
近接攻撃もあります。持っている武器によって近接攻撃が変わります。
しかし攻撃が当たるとARのエネルギーが全てなくなって無防備になってしまうので全然使えません……。
ただ、丸鋸銃装備時だけは残弾が続く限り連発できます。
体力も自動回復です。アーマーの模様(発光)でだいたいの体力残量がわかります。
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回避とスライディングを活用して有利な位置に素早く移動し、ここぞという場面でスローを使って敵を減らしていくのがこのゲームのキモとなります。
Normalまでならカバーに隠れて遠くからチクチク撃つという戦法が通用しますが、Hard以上になると弾丸の雨の中を駆け巡り接近戦を挑まなければならない場面が出てきたりします。これはほんと熱いですよ。
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●グラフィック
スペースコロニーを舞台にしており、SFアニメや漫画で出てくるような光景を堪能できます。
かなりレベルが高いといっていいと思います。海外A級にはさすがにかなわないものの、海外B級には負けないという感じです。
敵ザコキャラはHALOを思わせるようなデザインになっています。
主人公のアーマーもHALOのマスターチーフと宇宙刑事ギャバンを合体させたような印象になっています。
操作システムがギアーズでキャラデザインがHALOとは、相当欧米市場を狙っているぞ……。
フレームレートは30FPSで、これは残念でした。まぁ仕方ないのかもしれない。
国産ゲームはグラフィックを犠牲にしてもフレームレートを重視するという印象がありますが、本作は欧米市場を狙ったっぽいのでグラフィック重視なのでしょう。
これも時代の流れなのかもしれない。
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●ストーリー
軍の規則に厳しいごついおっさんと共に、時には衝突し時には協力しながら、ロシアの兵士と戦っていきます。
終盤では意外な展開もあり、僕はかなり気に入りました。
しかし世間の評判はかなり悪いようです。熱心なファンでさえストーリーがダメだという。
なぜこの良さがわからないのだろう。
僕の中ではこういうストーリーこそ「かっこいい物語」という感じなんですが、一般的ゲームファンには受けないようで残念。
ただ、説明不足の部分が多く、終盤の重要なシーンでも「この行動は何?」と思ったりしました。
そして若干のネタバレになってしまいますが、「続編に続く!」みたいな終わり方です。
こういうのが気になる人は注意しておいたほうがいいでしょう。
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●感想
これはとてつもなくおもしろかったです。
NORMALを一通りクリアする限りでは高速ダッシュとスロー機能のついた普通のTPSなんですが、HARDやGODHARDそしてチャレンジモードをプレイするとこのゲームの真の姿が見えてくるという形になっています。
TPSの皮をかぶってはいるものの、その実態は往年のカプコンアクションゲームなのです。
中ボス級の敵を中心に据え、それをサポートするように複数のザコキャラを出す形で、各シーンが構成されます。舞台と敵を用意したからあとは技術を駆使して好きなように乗り越えてください、というデザインです。
つまりファイナルファイト、デビルメイクライ、ゴッドハンド、ベヨネッタ等に通じるゲーム性です。(後半はカプコンじゃないけど)
内容は全然違うのにプレイした感じが似ているというのはおもしろい。設計思想が出ているということでしょうか。
それに加え高難度モードでは、敵の出現位置や武器の配置をおぼえ、場面ごとの攻略法を緻密に練っていく必要があります。
FPS・TPSでは基本的に中~遠距離戦が有利で、ショットガン等を用いる近距離戦は縛りプレイになりがちです。
しかしヴァンキッシュの高難度モードの場合、敵に接近し、誘導・回避を駆使し、アクションゲーム的に立ち回っていくプレイスタイルが重要になってきます。
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近接攻撃がほとんど役に立たないのは残念でした。
もっとも、このゲームで近接攻撃を連発できたらゲーム性が大きく変わりそうなので仕方ない部分はあります。
近接を無くしてジャンプをつけてもよかったんじゃないかとも思います。
カバーに隠れた状態から、ジャンプで飛び出しスローにして攻撃というのは、本作のデザインにも合ってるような気がします。
(ヘビーマシンガンの近接攻撃のサマーソルトキックを利用すると、ジャンプして空中から攻撃することができます)
近接はほとんど役に立ちませんが接近戦は超重要です。そしてショットガンの接近戦で一気に片付けるのがおもしろさの一つになっています。
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カジュアル(イージー)モードは初心者でも簡単にクリアできるくらいの難易度です。
しかしこのゲームならではのおもしろさを実感できるのはHARD以降なので、人によって評価が大きく分かれそうです。
ノーマルまでは良くも悪くも「ありがちなTPS」となっており、楽に進めるぶんボリュームが薄く感じてしまうのです。
その上この手のゲームに当たり前のように搭載されているオンラインモードがないので、高難度に挑戦しない人にはいまいちなゲームに見えてしまう。
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最初のボスの「アルゴス」はものすごい迫力でした。これはとてつもなくすごいゲームだぞ!と思ったんですが、その後のボスは正直迫力不足で残念でした。
もちろんどのボスもゲーム的な出来はいいんですが。
そしてボス関係は悪い意味でカプコンアクションゲーム的です。つまり使いまわしが多いです。
使いまわしボスというのは、いろんなシチュエーションや組み合わせで遊べるのでゲーム的にはおもしろいんだけど、やっぱりストーリー上の重要部分や終盤では使いまわしのない一品もののボスが見たかった。
ラスボスもとある理由により貫禄がいまいちです。
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難易度ゴッドハードまでクリアしました。
ゴッドハードはありえないほどの難しさで、半泣きになりながらプレイしました。
ラスボスだけで、12時間コンティニュー1200回費やしましたよ……。
結局ラスボスは正攻法で倒すことができず、無限EMPの裏技を使ってしまいました。(←それでもとんでもなく難しい。一時間半かかった)
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高難度モードをやらないとこのゲームの魅力が出てこないというのがものすごく惜しいです。
しかし、世界中のFPS/TPSを集めてもトップクラスの出来といって差し支えないでしょう。
アクションゲームが好きなら、体験しておいて損はない大傑作です。
おすすめ中のおすすめ。
開発元 | プラチナゲームズ |
発売日 | 2010/10/21 |
プレイ記録 | |
難易度 | Normal、Hardクリア GodHard、ラスボスのみ無限EMP使用してクリア タクティカルチャレンジ4-5まで |
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Normal、Hard、Easy、GodHardの順にプレイしています。
. | Easy | Normal | Hard | God Hard |
クレジットスコア | 10240 | 9630 | 9640 | 9720 |
獲得スコア | 365340 | 207280 | 156640 | -2015580 |
クリアタイム | 5:21:08 | 9:07:35 | 11:41:55 | 39:11:27 |
カバー率 | 4.18% | 9.20% | 6.58% | 29.51% |
移動距離 | 44681 | 66868 | 76634 | 99999 |
使用した弾薬数 | 14817 | 32169 | 36291 | 99999 |
倒された回数 | 0 | 83 | 170 | 2301 |
倒された味方 | 504 | 691 | 770 | 848 |
助けた味方 | 26 | 31 | 19 | 19 |
破壊した敵 | 1194 | 991 | 1137 | 982 |
バングロス像 | 48 | 18 | 38 | 63 |
破壊したスタッフ | 78 | 76 | 76 | 77 |