国産TPSです。発売は2006年7月で、この時期に国産TPSを出したというのはちょっとすごいかも。ロストプラネットより先に出ている。
ゲームのほうは、いろいろといい所もあるものの大事な部分で痒いところに手が届かない出来なのでした……。ものすごく惜しい感じ。
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●システム
回避・近接攻撃などがあり、アクション要素が強めに見えるTPSです。
でも実際は回避も近接も全然使えないので、普通のTPSなのだった。
自動回復する魔力を使って攻撃します。
リロード時に一定量の魔力(つまり弾薬)を消費します。フルオートで撃ち続けなければ魔力切れになることはほとんどないと思います。
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敵の足止めや障害物生成、強力な攻撃などの補助魔法があります。
補助魔法を使うと魔力ゲージの上限が下がります。ゲージ上限は敵を倒すことによって回復します。
広めのステージが多く、戦闘の自由度はけっこうあります。
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クリア時にポイントがもらえ、能力をアップグレードできます。
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●グラフィック
敵のデザインやキャラのモデリングはなかなか出来がいいです。
さすがに今見ると荒く感じますが、2006年にこれならけっこうインパクトあったかも。
キャラクターデザインは韮澤靖だそうです。
しかしレジスタンスの装備はもうちょっとかっこよくならなかったんだろうか。
DLCはすべて無料で公開されており、パンツ丸出しコスチュームもあります。というか視点を変えれば他のコスチュームでも丸出し状態。
背景は少々いまいちです。地球防衛軍シリーズを思い出す大雑把さというか……。
しかしまあ2006年の国産ゲームなら仕方ない。かも。
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●感想
魔法やボス戦、キャラクターデザインなど、いかにも日本製という感じで好感が持てます。
日本のゲーム界がこの方向で進んでいたらなあ、と思うのでした。
弾を撃ちっぱなしにして狙いをつけられるため、照準合わせが苦手なFPS/TPS初心者でもわりと遊びやすそうになっています。
その一方理不尽極まりない死に方が多かったり接近されると瞬殺されたりで、初心者泣かせの調整になっています。
魔力自動回復とか補助魔法のシステムはなかなかいいと思いました。
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このゲームの一番の特徴は、上にも書いた「理不尽な死」ではないでしょうか。
岩や自動車の残骸など物理エンジンによって動く物体がいくつかあり、それらに触れると即死です。
自分で使った魔法の影響で死んだりもします。
敵スナイパーに狙われると、障害物に隠れない限り100%殺されます。ただこれはレーザー照準機の光線が見えるためすぐに退避が可能で、それほど理不尽には思いませんでした。ゲーム的におもしろい仕掛けになっていると思います。
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どこに行けばいいのかわからない場面が多いです。しかもマップはかなり広い。レーダーはない。
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魔法を使えることが売りなんですが、UIの出来がいまいちで若干使いにくいです。慣れてしまえば問題はないものの最初はかなり戸惑いました。
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武器を構えるのに時間がかかったり回避後の硬直が長めだったりと、操作感はあまり快適ではありません。こういうところはすごく洋ゲーっぽい……。
僕が国産アクションゲームに期待するのはこの部分が大きいので、もう少し頑張ってほしかったです。
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全体的に、アクションゲームを作りなれていないメーカーの作品という印象が漂っています。
制作会社を調べたら、ドラッグオンドラグーンやヴァンパイアレインを作ったキャビアだった……。
この「アクションゲーム作りなれていない感じ」は、この会社の作風なのか。操作感のぎこちなさはもうちょっとなんとかならないのかなぁ……。有名作品のスピンアウトものをたくさん作ってるそれなりに技術力ありそうな会社なのに。
国産アクションゲーム好きのスタッフがいたらこうはならないと思うんだけど。
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意欲作ではあるものの、惜しい部分が多すぎておすすめできないという感じの作品でした。
しかし2006年にこれがでていたというのは評価に値する……。
PS3版が出ていれば、少しはマニア人気が出たかもしれません。
ほんといろいろと惜しいゲームでした。
客観的に見るとダメなのに嫌いになれない、そんな作品。
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開発元 | キャビア |
発売日 | 2006/07/27 |
プレイ記録 | |
難易度 | Normalクリア |