傑作ホラーTPSの二作目です。
操作性が改善されて遊びやすくなっています。
前作の良いところをそのままに、細部をしっかり調整するという形の続編です。
しかし、ストーリーやボス戦が期待を下回っており、プラスマイナスで言うとややマイナス側に傾いてるかな……と感じました。
前作未経験の人やストーリーを重視しない人なら大満足できると思います。
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●システム
日本語版はありませんが、有志の方々により日本語化パッチが作られています。
ほぼ完全に日本語化されているので、ストーリーも問題なく楽しめます。
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構えてから撃つタイプのTPSです。
手や足を狙って切断することによって素早く敵を倒すことができます。
前作のゼロG地帯は磁力で壁に張り付いて歩くという形でしたが、今作では普通に無重力遊泳できます。
武器がいくつか追加されています。
レーザーセンサー爆弾がおもしろく、敵が通りそうなところにセットして罠を張ることできます。
敵の種類と同時出現量が増え、ある程度武器を使い分けなければ攻略が難しい場面が何箇所かあります。
プラズマカッターのみでのクリアは結構難しいです。
逆に、理不尽さを感じる場面でも使用武器を工夫すればなんとかなったりします。
本作では敵が部屋を越えて追ってこなくなりました。もしかしたら追ってくる場面があるかもしれませんが、三周しても気付きませんでした。
敵が追ってくるのが前作の売りの一つだったのに、なんで変えちゃったんだろ。
基本的に無限沸きは無さそうですが、部屋移動によって復活する場面が何箇所かありました。
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●グラフィック
前作とそう変わらない印象でした。
今回もずっと宇宙船内が舞台となっていて、いろいろ工夫してはいるものの変化に乏しいです。
数体の敵が追加されているものの、デザインがちょっといまいちです。
アーマーのデザインが少しかっこよくなりました。しかし個人的には前作の野暮ったいアーマーのほうが好きです。
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●ストーリー
前作の展開をそのままなぞり、登場人物同士の係わり合い部分で違いを出しているといった感じです。
前作未プレイでもそれなりに楽しめるかも。
無口だった主人公も、人が変わったようにしゃべりまくるようになりました。
2が出るまでに外伝的作品がいくつか出ており、世界設定などはそちらのほうで小出しにされているようです。
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●感想
ゲーム部分はだいたい満足できましたが、ストーリーはかなりガッカリでした。
とにかく主人公がマヌケすぎて、どれだけ騙されれば気付くんだコイツ……という感じです。
他人(うさんくさいやつ)の言うことを、何の根拠も無く無条件で信用して騙され続けるので、全然感情移入できません。
こういうの洋ゲーのストーリーによくあるような気がするけど、シナリオ作成論とかで推奨されてるんだろうか。(ヘイロー3とかソウルリーバー2とか)
主人公は全編にわたって幻覚に悩まされるのですが、前作をプレイした人には幻覚の正体も目的も大体察しがついてしまうので、いつまでこの茶番を見せ付けられるんだという気持ちになってしまいます。
幻覚との痴話喧嘩を延々と見せられても困るんですよ……。
しかも寸劇デモがやたらと多く、全てスキップ不可になっています。
個々のデモは30秒~2分程度ですが、ゲーム全体で見ると1時間超えてるんじゃないでしょうか。周回プレイしている時はけっこうウンザリします。
悪役がいるものの、キャラが薄すぎて全然憎たらしくないのも残念でした。いなくても話が成立する感じの……。
設定的には警備兵とも敵対してるんだから、せめて兵士と戦う場面くらいは作って欲しかった……。
ストーリー的に新たな驚きがないのは、ものすごくがっかりしました。
シリーズとしての設定はけっこう凝っているのに、本作のみをプレイする限り前作以上の情報はほとんど出てきません。
スピンオフ作品を大量に作って物語を組み上げていくという方式のようですが、やっぱりナンバリングの本編では大きな情報を出して物語を進めてほしいです。
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ゲーム部分の出来はいいです。
しかしこれも前作を超えるような場面はありませんでした。
強いて良い部分をあげるなら、敵が大量に襲いかかってくるところかな……。
追加されたザコの出来はなかなかいいものの、中ボスとボスがガッカリにも程があるといった感じでした。
デザインも攻撃もしょぼい。
ゼロG地帯、真空地帯で敵がほとんど攻撃してこなくなりました。
本作のゼロG地帯で出てくるのは、新キャラのホーミング砲台とLurkerだけ……。
こういう場面で難所が続くのもウンザリしますが、まったく何も無いというのもガッカリです。
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ハッキングミニゲームがあります。
おもしろくない上にちょっと理不尽感があり、失敗するとダメージを受けるのでイライラします。僕の知らないコツでもあるのかな……。
不死身ネクロモーフのいるところでハッキングする場面なんかは、演出としておもしろかったです。失敗しまくったけど。
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新武器のデトネイターはおもしろいです。
好きな場所にレーザーセンサー爆弾を仕掛けることができます。
このゲームは基本的に敵が突っ込んでくるので、上手に仕掛ければ安全に敵を排除できます。
ただ、設置できない壁(設置すると即座に爆発する)があったり、動くものすべてに反応したりで、若干使いづらいです。
たくさん仕掛けても一箇所爆発すると破片の影響で連鎖爆発したり。
罠にはめると楽しいものの、実際のところは普通に戦ったほうが楽な気も……。(サブ武器として持つならリッパーあたりのほうが便利っぽい)
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文句を言いつつも三周しました。
・一周目ノーマル
プラズマカッター使用。終盤でコンタクトビーム所持(弾の売値が高いので金稼ぎのために所持)。
ほぼ全編プラズマカッターでしたが、チャプター13で弾切れになりコンタクトビームを使用しました。
あのステージは知らずにプレイすると高確率ではまるのではないか……。
・二周目ニューゲーム・ゼロテ
パルスライフル、デトネイター使用。
パルスライフル大好き。FPS/TPSは、やはり連射武器でのプレイが楽しい……。
デトネイターはいまいち使えないと思いつつも、無理矢理罠を張って進んでました。
敵の攻撃力の高さと落とすアイテムの量以外には、さほどNORMALとの違いを感じませんでした。
・三周目ニューゲームプラス・ゼロテ
リッパー・パルスライフル使用。
リッパー大好き。なぜなら弾の効率がものすごくいいから。貧乏性大歓喜の武器ですよ……。
あと、他の武器だと苦戦する場面がびっくりするほど楽になったりします。
本作では狭いエリアで挟み撃ちにされる場面がけっこうあり、そういうときに近接で瞬殺できるリッパーは非常に役に立ちます。
その反面、爆発ザコとゲロ吐きザコとの相性が悪いです。他の武器だとザコ中のザコなのに。このあたりゲームとしてのバランスが取れていておもしろいです。
最高難度の「ハードコア」は、セーブ三回という制限つきになっていて、こういう難易度の上げ方は好きじゃないのでプレイしませんでした。
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作品全体の出来としては「無難な続編」という印象になっています。
新しい驚きは皆無なものの、アクションゲームとしては前作と同等のおもしろさに仕上がっています。
操作性の向上により、単体としてなら本作のほうがおすすめできます。
前作が良かっただけに欠点ばかり目に付いてしまいましたが、TPSとしての完成度は相変わらず高いので、プレイして損はないと思います。かなりおもしろいと言っていいでしょう。
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開発元 | Visceral Games |
発売日 | 2011/01/25 |
プレイ記録 | ニューゲーム ゼロテクリア |