プリンスオブペルシャのPS3/XBOX360期第一作です。
見た目はPS2のシリーズと似てますが、プレイ感は大きく変わりました。
基本はこれまで同様のアスレチックアクションです。しかし、動作の補正がものすごく大きく、適当にボタンを押すだけで派手なアクションに成功します。
これはもはやマップを自由に動き回れるQTEなのでは……。
正直アクションゲームとしてはいまいちなんですが、ゲームの未来像を垣間見ることができる(ような気がする)作品でした。
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●システム
エリカという魔法使いキャラと共に冒険します。
落下したときに自動的に助けてくれるため、死ぬことがありません。
壁走り、エリカジャンプ(二段ジャンプ)、鉄棒ジャンプなどを駆使してマップを駆け回ります。
「穢れ」によって世界は灰色になっており、「豊穣の台座」を探し出しエリカの魔法で浄化すると自然が甦ります。
浄化終了したエリアには光の種が設置され、それを回収してスタート地点に戻ると次のエリアがアンロックされていきます。
つまり、1:灰色のマップを探索して台座を探す、2:マップをもう一周して光の種を集める、という形になります。
二周するのはかったるいと思うかもしれませんが、浄化後は割と印象が変わるのでそれほど気になりません。
マップはけっこう複雑に絡み合っており、探索ものとしても若干楽しめる感じです。
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戦闘もあります。
コンボ型の戦闘ですが、日本の格闘ゲームやコンボアクションのコンボ(連続技)とは違います。洋ゲーによくある、遅めのタイミングでボタンを順番に押しアクロバティックな技を出すタイプです。
これもプレイ感はほとんどQTEです。
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L2を押すとヒロインと会話ができるんですが、これがくそ過ぎて泣けます。
ゲームが止まって会話が始まり、これをスキップできません。
しかも翻訳が悪いのか元々おかしいのか、会話が成り立っていません。
「やつはどこにいったんだ?」「私は無事よ」みたいな感じでやばいです。
そしてヒロインの吹き替え声優が下手すぎてすごいです。
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●グラフィック
絵画調で美しいです。
マップも幻想的で、高いところから一望するとわくわくします。
キャラデザインも欧米の作品としてはかなり日本受けしそうな感じです。
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●感想
とにかく行動の補正がものすごいです。
ジャンプで飛び出したときなどは、空中に透明な通路でもあるかのような補正っぷりです。
ジャンプのタイミングも割と適当でよく、ぐい~んと次の目的に飛んでいきます。
連続アクションのシーンなどは、まるでQTEをやっているようです。
とはいえルート探し的な部分ではそこそこ難易度が高いため、簡単なゲームというわけでもないです。
エリカの行動を待たなければならなかったり、位置の入れ替えで流れが止まったりと、イライラする場面があります。
快適アクションを目指しているように見えるのに、なぜこういうところで詰めが甘いのだろう……。
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一見初心者取り込みやゲーム人口の裾野を広げるためのゲームに思えるんですが、もしかしたら狙いは別のところにあるのではと思いました。
このシステムは、クラウドゲーミング向きではないかと思うのです。
基本的にはボタンのタイミングで全てが決まるゲームで、そのタイミングもかなり緩い。
回線の遅延が発生しても誤魔化せるくらいの緩さです。しかもミスしてもペナルティがない。
もしクラウドゲームが普及すると、こういう作品だらけになるのではと思いました。
しかしまぁ作られたのが2008年であるため、クラウドゲームのことを真剣に考えていたというのも疑問ではあります。
ただ単にぬるいゲームを作っただけなのかな……。
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アクション的な部分は正直言ってつまらないんですが、ボタンをポンポンと押して空中を飛び回るのはそれなりに爽快感があります。
そして探索好きなら光の種集めも楽しめると思います。
僕は文句を言いつつもけっこう満足できました。
でもまぁ、いまさらプレイする意味もない作品かな……。
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開発元 | Ubisoft Montreal |
発売日 | 2008/12/02 |
プレイ記録 | 光の種全て取得 |