「龍が如く」のチームが製作した国産TPSです。
これはかなり出来がよくてびっくりです。
欧米のFPS/TPSにも負けていません。というか正統派のFPS/TPSのジャンルでみると大半の作品よりおもしろいのではないのでしょうか。
シングルTPSを探してるのならおすすめです。
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●システム
システム的にはよくある感じのカバーTPSです。まぁはっきり言ってしまえばギアーズオブウォーのフォロワーでしょう。
動作は軽快で、このあたりは国産ゲームっぽいです。
R2長押しによるチャージ攻撃があります。エネルギー制なので乱発はできないものの、ザコを倒せば回復アイテムが出るのでそれほど温存する必要もないです。
堅い敵が出たらどんどん使いましょう。
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メイン武器のアサルトライフルと弾数無限の拳銃が固定武器で、あとは手榴弾とサブ武器が持てます。十字キーで装備を変更します。
敵を倒したときに得られるクレジットを使いメイン武器を強化できます。
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部位ダメージがあります。
手を撃てば武器を落とし、足を撃てば這いずるようになります。
ヘッドショットすると味方になります。(AIが壊れるという設定)
敵は装甲をつけており、装甲をはがしてから本体にダメージという形になります。
破片が派手に飛び散ったりするので爽快感があります。
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アイテムを購入してパラメータアップできます。2×3ブロックで構成されるスロットに1~3ブロックで構成される強化パーツを当てはめて装備します。
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味方との共闘要素が重視されています。
ヘッドセットがあれば声で命令できるようです。
L2を押しながらボタン入力で代用できます。
味方には好感度が設定されており、戦闘状況や質問の受け答えでポイントが上下します。
この好感度はストーリーに影響するようです。
ゲーム展開により、同行する仲間を選択することになります。
同行中のキャラのみ好感度が変動します。
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難易度は低めです。
ボス戦はけっこうきついですが、攻略法があるタイプのボス戦なのでアクションが苦手でも割となんとかなりそうです。
FPS/TPSが得意な方は最初からHARDでプレイするのもいいかも。
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オンラインも一時間くらいやってみました。
人がいなくてチームデスマッチしかできませんでした。内容は、まぁこんなもんかという感じ。
五対五というのが寂しいです。
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●グラフィック
欧米の一流作品と比べると劣ります。
とはいえタンカー~スラムはよくできていました。特にスラムはすばらしい。
終盤に進むほどしょぼくなるような……。
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メカのデザインは、シルエット的にはいいのですがクロムメッキを施したようなツヤツヤした質感が安っぽいです。
AIBOやASIMOのような家電系デザインのロボットに、空山基っぽさを足したような感じです。
このテカテカした光り物を好むのは、やはり龍が如くのチームのセンスなのだろうか。
反射マップの技術を誇りたいのかもしれない。
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●ストーリー
TPSとしてはかなり凝っていておもしろいです。
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好感度によって展開が変わるとの事で、好感度が低いキャラは終盤で死んでしまうようです。
終盤になると同行キャラを選べなかったりするので、あらかじめ展開を知っていないと全員生存ENDにならないかもしれません。
僕は一人(二人?)死んでしまいました。
特定のイベントで全キャラぶんのリアクションを用意している形らしく、誰が死ぬことになっても話の大筋はかわらないと思います。
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ストーリーに致命的におかしな部分があります。
終盤の「驚愕の事実!」の部分なんですが、あまりにも理屈に合わなくてほんと驚愕します。
プレイした誰もが疑問に思うのではないでしょうか。
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●感想
非常に日本的なTPSになっています。
破壊した部位によって得られるポイントが変わり、ハイスコアを狙うようなプレイ感があります。獲得したポイントで武器やキャラを強化していけるので、狙い甲斐があります。
動作の軽快さもすばらしいです。通常の移動、武器交換、回避などがストレスなく行えます。アクションゲームとしては当たり前の部分ではありますが、欧米のFPS/TPSでは有名な大作でもこのあたりがおろそかになっていたりするので、きちんと作ってあるだけで好感が持てます。
パーツが派手に破壊されるので攻撃のヒット感も抜群です。
プレイしていて非常に気持ちいい。
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大型ボスにも部位破壊があり、「やっぱアクションゲームには巨大ボス、巨大ボスには部位破壊だよ!」と思ったのでした。
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終盤に明かされる驚愕の事実がものすごく変です。
どう考えても理屈がおかしいのに、登場人物は誰も疑問に思わない。プレイヤー向けの説明もない。あまりにも変すぎです。
もしかしたら最初はゾンビ・クリーチャーものとして企画されたのではないかと思いました。
クローンや生物兵器をあつかった話なら違和感がありません。
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寸劇がスキップできません。
しかも回数が非常に多く、時間も長めです。
二周目HARDの地下スラム街までプレイしたのですが、あまりにも鬱陶しいのでそこで終了してしまいました。
ゲームがおもしろいだけに惜しいです。
FPS/TPSが得意な方は最初からHARDでプレイするといいかも。
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仲間との共闘要素が売りらしいんですが、正直言って邪魔なだけでした。
戦闘中特定の位置に待機させる命令がなく、主人公の後を勝手についてくる上に目の前をうろちょろし、誤射すると好感度が下がります。ほんと鬱陶しいです。
せめて誤射による好感度低下は無しにしてほしかった。
戦闘中にコマンド入力(作戦への返答)させられるのも面倒でした。このあたりはヘッドセットを使えということなんだろうけど。
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スキップできない寸劇と共闘要素がいまいちでしたが、それ以外はすばらしい出来です。
ゲーム内容だけを見れば欧米の大作FPS/TPSよりもおもしろいと思います。
欧米の大作と比べるとどうしても絵の面で劣ってしまうんですが、グラフィックというのは人海戦術的な部分もあるので、純粋にゲームの開発力を考えると日本もまだまだいけると思いました。普段ヤクザゲーム作ってるチームがTPS一作目でこれというのは相当すごいですよ。よく研究したうえで自分たちなりの味付けをしています。
難易度も低めなのでTPSが苦手でも楽しめるかも。
おすすめの一作です。
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開発元 | セガ(龍が如くスタジオ) |
発売日 | 2012/02/16 |
プレイ記録 | Normalクリア |