前作Stronghold Crusaderの感想。
Stronghold Crusader Extremeの感想。
築城RTSです。
派生作品がいろいろ出てるので何作目なのかはわからない。七作目くらいなのかな……。
描画は3Dになりました。
操作も整理され、すごく遊びやすくなっています。
一方、土地・ユニット数・資源など様々な制限が厳しくなり、ものすごく窮屈なプレイ感です。
自由度高そうに見えて、面ごとにできることが限られているというか。序盤の進め方はかなり限定されます。
総合的に見るとけっこうなガッカリ作なんですが、元のゲーム自体がとんでもなくおもしろいので、本作も平均以上の出来、いや相当おもしろいと言っていいと思います。
前作がすごすぎたんだ……。
本作が気になった方は先に前作からのプレイをおすすめします。
なぜかというと、本作はシステムがかなり整理されて遊びやすくなっているので、こちらを先にプレイすると前作は面倒くさすぎて遊べなくなるかもしれないからです。
.
●システム
前作からの変更点を中心に書いていきます。
実は小戦闘の軌跡しかやってません。チュートリアルすらやってないので、的外れな批判をしているところがあるかもしれません。そういうところを見つけたらこっそり教えてください……。
また、対人戦では全然ちがう感想になると思います。
前作をやった人は、公式サイトの「ヒント」の項目を読むだけで遊べると思います。
.
資材置き場、食料庫、武器庫の貯蔵量が無限になりました。各々一つ設置するだけでOKです。
さらに、設置するだけで資材の売買が可能になります。
市場を設置すると自動購入/売却が可能になります。これはかなり便利です。
家の設置は拠点の周囲にしなければならなくなりました。
拠点から離れるほど収容人数が減っていきます。
建築制限(生き残っている国の数に応じた建築数の上限)があるため、拠点周囲の開発は慎重に行う必要があります。と言いたいところですがそれほど問題でもなかったりします。
築城の自由度は減ったものの、悪い改変ではないと思います。
攻城兵器は作るだけで動かせるようになりました。
技術ギルドを作って人を乗せなくてもいいです。
投石系のユニットの石消費もなくなりました。
楽なんだけど味気ないとも言える。
中立村というのがあります。
拠点に兵士を置くと村を支配でき、産出物をもらえます。
村の政治には口を出せないらしく、自陣の拠点まで牛が来るのを待つことしかできない。
面白そうな要素なのにいまいち役に立ってないぞ……。
僕の知らない使い道があるのだろうか。
.
次はがっかりな変更点を挙げてみます。
○とにかくマップが狭い。
全体マップも狭ければ支配域も狭く、資源の産出地も少ないので、築城の方向性がステージごとにほぼ決まってしまいます。
○弓の威力が低い。
塔に乗せている弓兵も、同数の石弓兵に攻められると次々に死んでいきます。
弓兵と石弓兵あわせて五十人乗せていても、監督付き奴隷に簡単に突破されます。
通常弓兵いらないじゃん……と思ったりするものの、石弓兵の射程外から投石器が攻撃してくるので、ステージによっては必須なのだった……。
あと通常の弓兵が一方的に塔を攻撃してくる場合もあるぞ……。(しかも低い土地から)
まぁ弓兵が弱いこと自体は、こういうゲーム性だと思えば納得できないこともないです。
前作と比べるとがっかりしてしまうわけで、最初からこれをやれば気にならないだろう……。
がっかりしたけど悪い点とは言えない。新しいゲーム性にもつながっている。
○軍隊の最大数が少ない。
まず防御を完全にしてから攻め込もうと思っていると、攻撃用の兵を作れなくなります。
これは相当ガッカリなんですが、上限を高くしてしまうとごり押しゲームになってしまうから仕方ないとも言えます。
敵の城に応じた部隊編成が必要となるわけで、これも良い方向性といえる……かもしれない。
しかし弓兵弱体化と自動購買があるので、結局は鎧戦士のごり押しになりがち……。というかなる。
○重い
描画だけでなくCPUパワーもかなり使うような気がします。
グラフィック設定を中に下げても重いままでした。
時間が経つほど重くなっていき、やがて落ちます。うちの環境だけなのか。
そしてオプションメニューも異様に重いです。どういうプログラムになっているんだ……。
○敵の兵や資源は無限沸きする
全部の家・資源採掘所を潰しても兵が沸いて出ます。ずるい。
でもまぁ普通にプレイする限りでは全く気にならないというかたぶんほとんどの人が気付かないくらいなので、問題とはいえないかも……。
これが気になるのは、全施設破壊して敵の王を丸裸にしてほくそ笑むような陰湿な人くらいだろう……。
○木の柵が役に立たない。
僕の知らない使い方でもあるのだろうか。
.
なんかこう書くと全然問題ないとも言える。
前作と比べてがっかりしただけで、ゲームとしては水準以上の名作といっていい……。
.
●グラフィック
雰囲気はそのままに3Dになっており、感慨深いです。
しかし2013年の作品でこのグラフィックというのは、ちょっとお粗末かもしれない……。
でもまあ見た目は悪くないです。破壊演出もいい。
.
●感想
とにかく窮屈です。
良くも悪くも今風のゲームデザインになっているなと思いました。
ステージごとに、「ここの資源を確保してこの建物を○軒建てて、石弓兵を○人作ってこのタイミングでここに塔を建てて……」ということがある程度決められています。
自由度高そうに見えて、暗黙の決定事項で縛られていると言いましょうか。
各要素には多少の融通が利いても、それらが複数詰まってるせいで、結果的にはギチギチになってます。
ゲーム展開も、与えられた資源全部活用して自転車操業でやりくりしつつ、国力を全体的に少しずつ底上げしていくような感じです。
前作クルセイダーでは、かなりの難関面でも人によって全然違う攻略法になったりしましたが、本作では極端な戦法が取りにくいので、みんな似たような展開になるのではないでしょうか。
狙ったのか偶然なのか、初代(無印)のようにマップごとに設定してある「製作者の思惑」を探し出すゲームになっています。
.
前作クルセ1では中盤以降の消化試合が単調だったので、その辺を意識して最後まで緊張感のある展開に調整したのだと思います。
しかしそれが逆に、最初から終盤まで同じペースで自転車操業をしているような感覚を生み出している。
戦闘も工夫しなければ勝てないようになっているものの、結局は膨大な資金を元手に剣兵でごり押しするのがいちばん楽なのだった。
鎧のないユニットや攻城兵器の防御力が弱すぎて、そいつらを守る工夫をするくらいなら百人の剣兵で攻めたほうが効率がよく手間も少ないのですよ。
RTS対人戦をバリバリやるような人なら、複数のユニットを忙しく駆使して楽しく戦えるのかもしれない。
.
システムは洗練されてすばらしいのですが、その一方で前作では「面倒臭さ」もおもしろさの一端を担っていたんだと思いました。
本作の自動売却は便利なものの、終盤になると「ゲーム速度を最大にして金や装備が溜まるのを待つ」となってしまうのです。
攻城兵器に技術兵を乗せたり石を補充したりという面倒くささも、戦闘の準備をしているという盛り上げに一役買っていた気がします。
まぁ、これは懐古趣味的な感想なのだろう……。
.
いろいろと文句を書きましたが、ゲームとしてはおもしろいです。かなりおもしろいです。
前作ほどではないにしろ、なかなかの良作と言えます。前作を楽しんだ方なら買って損したと思うことはないでしょう。
それだけに、「各種制限を緩めれば前作を越える出来になるのに!」というもどかしさがあります。
実力はあるのにがんばらない人を見ている感じですよ……。
.
先に2をやってから初代をやると、システムの面倒くささが気になると思うので、やるなら初代からにしましょう。
.
●攻略
○攻城
今回は兵士の上限が厳しいことから攻めるのが難しくなっています。
しかも弓兵が弱いので、攻城兵器の護衛につけてもあっという間に死んでしまう。
そこで僕が考えた戦法は……剣兵でのごり押し!
守衛官も4~5人混ぜると防御力が上がります。
八十人くらいで攻めこめばだいたい勝てます。小塔を狙って城壁に穴を開け、一気に拠点に攻め込みましょう。
火炎系の攻撃がきついですが、部隊を二つに分け最初の部隊に命がけで穴を開けさせ、残りの部隊で突撃しましょう。
一度の攻撃で倒せない場合は、あらかじめ剣と鎧を五十くらい余分に生産しておき、すぐ次の部隊を作って送り込もう。
攻撃中にBを押してパネルを開き生産するという手もあるぞ。右クリックで兵の目的地を敵の城のそばに設定すれば、自動的に補充兵が来る。
引きこもり気味の国が相手なら、投石器を使うのもいいだろう。
○金策
今回は資源が少なく金策に困りがちですが、資材を買って加工して売ればどんどん金が溜まります。
僕は食料補給も兼ねてパンを作りまくってます。(畑がなくても小麦を買って加工すれば儲かる)
探せばもっと効率いい加工品もありそうだけど、とりあえずパンだけでいけます。
これにはとにかく人口が必要なので、家をあまり増やせない序盤は自力でなんとか頑張りましょう。
武器や鎧も、資材を買って自分で作りましょう。剣と鎧鍛冶を四軒ずつくらい作っておけば、終盤の攻城が楽になると思います。
○おとり小屋
奴隷の放火や剣兵対策として、木こり小屋を立てて攻撃させるという方法があります。
小屋自体は破壊されてしまうものの、若干の時間稼ぎになります。
.
前作Stronghold Crusaderの感想。
Stronghold Crusader Extremeの感想。
.
開発元 | FIREFLY STUDIOS |
発売日 | 2014/09/23 |
プレイ記録 | 小戦闘の軌跡クリア |