以前さんざんな評価をしたAREA-51ですが、ある程度FPSに慣れてからプレイしたらなかなかの良作だとわかりました。
ごり押しがききすぎるためFPS初心者はちゃんと楽しめないという意見は今でも変わりませんが、ある程度照準操作になれている人ならおすすめです。
PS2版のNORMAL、PC版のNORMAL・HARDをクリアしました。
せっかくなのでもう一度感想を書いておきます。
PC版はなんと無料公開されています。海外のPCゲーム体験版配布サイトで入手できます。
無料ですが起動時にネット認証があります。
AREA-51はコンシューマ向けとして開発されましたが、もともとPCで作っていたためいっそのことPC版も出してしまえと30ドルほどで販売されたそうです。そして製作会社の破産騒動のときにフリー化されたようです。
製作したMIDWAY社は2002年ごろからピンチの連続だったものののらりくらりと生き延び続け、2009年にようやく倒産しワーナーブロスに買われたとのこと。
ちなみにモータルコンバット作った会社だとか。
.
●システム
序盤は普通のFPSです。
武器は、拳銃、アサルトライフル、ショットガン、スナイパーライフル、宇宙人の銃1、宇宙人の銃2の六種類です。全部同時に持てるので、入手後はいつでも好きな武器に切り替えられます。拳銃の使い道が無いような気も。
アサルトライフルとショットガンは同じタイプの銃を同時に二挺持つことができます。二挺持ってるときはリロードができず、撃ち尽くしたら片方の銃は破棄されます。普段はいまいち役に立たない感じですが、ボスやグレイ戦で効果的です。
武器交換ボタンでアイテムスキャナーを選択できます。これは各所に隠されているアイテム(情報)を取得するためのものです。センサーもついており、アイテムに近づくとゲージがあがり、取得できる距離になるとアイテムにロックオンサイトのような枠が出ます。
アイテムを集めなくてもクリアできますが、ちょっとした探索要素として楽しめます。一度クリアしたエリアは自由にやり直せるのであとからじっくり探すこともできます。センサーが反応してもなかなか辿りつけなかったりして、クリア後のお楽しみとしてはそれなりにやりがいがあります。
ただ、武器交換ボタンでいちいちセンサーを選択するのはめんどうでした。PC版は数字キーで武器変更できるものの、それでもめんどくさい。
ゲーム途中から怪物に変身できるようになります。この状態で弾を撃つとホーミング弾が出ます。しかもこの弾に敵が当たるとなぜか自分の体力が回復します。とんでもなく便利です。
変身用のエネルギーがあり、ホーミング弾を撃つとゴソッと減ります。しかしこのゲージは時間で回復するので隠れ場所さえあればちまちまと回復しつつ安全に敵を排除できます。
また、変身中に近接攻撃を当てると変身ゲージが回復します。
体力回復は、回復アイテムを拾う方式です。山ほど出ます。
動作は非常になめらかで処理落ちもほとんどありません。PS2のゲームとしてはかなりの出来です。
PC版と比べてみたところ、PS2日本版は若干の表現規制があるようでした。死んだ人の手首を折り取って掌紋認証するシーンや宇宙人に解剖されてる人のシーン、クリーチャーに拷問するシーンなどがカットされています。
.
●グラフィック
序盤は直方体で構成されたオブジェクトや部屋が多くちょっと物足りませんが、終盤に出てくるレトロ未来像のような宇宙人基地がたいへん美しいです。流線型の構造物に透明モニタ+蛍光の文字が並ぶ、九十年代のSF映画っぽい感じです。
敵クリーチャーのデザインはしょぼいです。それどころかクリーチャー自体ほとんど出てきません。
メインの敵は兵士になります。光学迷彩を使っている兵士なども出てきます。
.
●ストーリー
UFO陰謀論をベースにしたしょぼいストーリーです。展開に疑問を持ってしまう場面がしばしばあります。
一部で挿入されるムービーはなかなかの出来で、SF映画のようです。金かかってるんだろうなぁ……。フリー公開していいんだろうか。
.
●感想・問題点
序盤はゾンビ化した兵士を相手に戦います。仲間と一緒に戦うので心強いです。自分は見ているだけでもなんとかなります。仲間は無敵です。
突然敵の大群が襲ってきたりと、臨場感のある展開で迫力あります。
中盤からは単独で兵士と戦うことが多く普通のFPSっぽいです。
初プレイの時は変身してのホーミング弾が強力すぎてごり押しばかりになってしまい、FPSとして楽しめませんでした。初心者でもクリアはできるものの、ごり押しプレイはまったくおもしろくないです。
PC版のHARDをやってみたところ、ホーミング弾での回復が非常に少ないため変身する意味があまりなく、普通のFPSとして楽しめました。やっぱこの機能ないほうがよかったと感じましたよ。
ごり押しを可能にして間口を広げるより、難しくてもリトライを繰り返せば越えられるように調整したほうがいいんじゃないかと思いました。
ある程度FPSになれてる人は最初からHARDをプレイしたほうが楽しめると思うんですが、残念ながらNORMALをクリアしないとHARDモードが出ないという仕様です。
敵の行動ルーチンの出来がいいです。非常にいやらしい動きをしてくる。
遠慮なしにグレネードを投げ込んできたり、安全地帯に隠れて体勢を立て直そうとしてるとズカズカ接近してきたりします。
初プレイの時はこういう動きは勘弁してくれと思いましたが、FPSに慣れてからだと熱い戦闘を楽しめました。
敵が無限にわく場面が何ヶ所かあります。そのせいでまともに戦うのは弾の無駄と感じてしまい、EASYやNORMALでは変身して突撃というごり押し戦法になりがちでした。
無限沸きはボス戦などの特殊な場面に限ってほしかったです。
チェックポイントはけっこう多いです。回復や弾薬も大量に出ます。HARDでもリトライを繰り返していけばなんとか進んでいけます。
しかし、難所の前にキャンセルできないデモが入ることが多く、非常に鬱陶しいです。これはなんとかしてほしかった。
敵弾の速度が若干遅めのため、遠方の敵の発砲を確認してから弾を避けて狙撃することができます。これはなかなかおもしろく、こういう場面がもっとあってもいいかと思いました。
HARDモードはFPSとしての出来がいいだけに、これが最初から選べないのは致命的な欠点になっていると思いました。
EASYやNORMALがいまいちパッとしないプレイ感のため、わざわざHARDをやる人は少なそうです。
.
●攻略のヒント
終盤に出てくる敵兵を無限に生み出すグレイには実弾銃が効きます。戦闘開始後すぐにアサルトライフルかショットガンを撃ちこみましょう。二挺持ちだと非常に強力です。
●まとめ
開発元 Midway
発売日 2006/11/09
PS2版EASY・NORMALクリア。全アーカイブ取得。
PC版NORMAL・HARDクリア。全アーカイブ取得。
初めまして。以前プレイしたgalsshellがどうにも忘れられず、再び検索してここまで辿りつきました。
ブログや苦痛の王の漫画など楽しく読ませてもらったのですが、苦痛の王の更新履歴を見ると2年くらい前で
止まってしまっているのですが、もう続きは描かないんですか?
ああいうえぐい地の底をはいずるような漫画が大好きなのでぜひ続きが読みたいです
コメント by ぽこちん — 2010 年 9 月 10 日 @ 07:48:48
苦痛の王は、話はいろいろ考えてはあるものの絵を描くのが(コマを割ってまんがにするのが)嫌になってしまったのでずっと停滞しています。
以前は「週刊血まみれの締め切り」というモチベーションがあったんですが、それも無くなってしまい気力が衰える一方です。
なんとかしたいと思うものの近頃はゲーム製作に熱が入ってしまってなかなか手をつけられません。
締め切りを設けるためにも、コミケに合わせて描いていき最初は紙の本として発行、順次WEB掲載という形も考えています。
コメント by 坂葉 — 2010 年 9 月 10 日 @ 19:29:23