太平洋戦争を扱ったFPSです。
前作のマイナーチェンジ版といった感じでしょうか。
人気はいまいちですが、そつなく出来あがっています。
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●システム
基本的には前作同様です。
手榴弾は通常武器から外され専用のボタンで投げられるようになりました。
クリアに関わらない副任務として、収集要素がつきました。樽などを破壊するとアイテムが出現します。仏像とか。
ミッション中のセーブポイントも用意されています。
難易度はそこそこ高いものの全体的に簡単になったという印象です。
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●グラフィック
前作を少し良くした感じです。
冒頭の真珠湾攻撃の臨場感はすごいものがあります。
ジャングル戦もあります。
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●ストーリー
ますますスパイアクション映画に近づきました。秘宝の探索などもあり冒険映画のノリです。
リアルな戦争ものとは程遠いです。
展開としては派手なんですが、エピソードをつなぎ合わせただけという感じなので物語としてはいまいちだと感じました。
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●感想
ゲーム自体は前作をベースにうまく改良されていると思うんですが、前作ほどのおもしろさは感じませんでした。
中間セーブがついてクリアしやすくなった上にボリュームも減ってしまい、全ステージクリア後の印象が薄いです。場面場面では意表を突く展開があるのに心に残らない。
映画的な演出が強化されています。かなり迫力ある。デモ中にプレイヤーを動かせるような感じです。
特に冒頭の真珠湾攻撃はすごかった。まあ前作と同じく最初が一番迫力あるんだけど……。
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「変な日本」が出てきます。敵兵は銃剣持って突撃してきて、これがまた大破壊力なので恐ろしい。なんでも海外版では「天皇陛下バンザイ!」と言って突っこんでくるそうだ。
ジャングル戦では、タコツボから飛び出した日本兵が「正々堂々と戦え~!」と言って銃剣突撃で奇襲をかけてきます。
日本兵を殺すゲームなんて!といろいろ言われたりしますが、まあこんなもんじゃないでしょうか。敵である以上良い描かれ方とはいえませんが、いたって普通の敵役です。
とはいえ現在の知識を持った人間の視点で見ると、日本軍を主役にしたほうが雰囲気的に盛り上がるんじゃないかとも思いました。物量で勝る側で戦っても気分が高揚しないというか。限定された戦場を舞台に一兵士の活躍を描くからこそ、負け戦の一部分を取り出して「苛酷な戦闘を生き延びた」とできると思うのです。
しかしこう考えること自体日本人的発想なのかもしれない。
まぁ、ある程度ストーリーがあるものでナチスとか日本軍を主役にしたゲームは無理なんだろうな……。
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システム関連で妙な部分があります。
メインのゲームデータと中間セーブのデータが別らしく、途中からゲームをはじめたい場合は新たに中間セーブのデータを読み直さないといけません。
また、総合成績が記録されないようです。各ステージでの成績しか見ることができない。
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回復がたくさんでるので難易度的にはさほどではないものの、局所的に難しい場面が出てきたりします。
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悪いゲームではないんですが何かが足りないという印象でした。
売れ行きも悪かったようで続編の予定があったにも関わらず製作されませんでした。
開発元 | EA Los Angeles |
発売日 | 2003/11/11(米国) 2003/12/04(日本) |
プレイ記録 | 古参兵クリア |