←国内盤と輸入版ではボーナストラックが違います。
キスク関連のアルバムはだいたい集めているのですが、本作は買おうと思いつつ放置していて、ライブ直前にあわてて購入しました。
かつてのソロと比べると大幅に出来が良くなっているものの、「キスクがカイと組んで本格活動!」を売りにするには弱いかなぁ、という印象です。
音楽性としては、キスク関連のアルバムとしては「Pink Bubbles Go Ape」に近い感じでしょうか。もうちょい方向性を定めて「Chameleon」を作っていれば、こんな感じになったかも……というような。けっこうメタルっぽいです。
ガンマレイのHeaven can waitを思わせるような雰囲気の曲もあります。
当然というか予想通りというか、サビでのハイトーンを強調した曲が多くなっています。
個人的にはキスクのハイトーンに魅力を感じたのはPink bubbles~までで、それ以降は中低音のほうが好きになりました。
Chameleon以降のキスクのハイトーンは、綺麗かつ繊細な感じなので迫力不足に感じてしまうのです。
メタルとしてのハイトーンは、フォロワーであるトビアス・サメットのほうがサマになっているというか。
本作でもヴァースやブリッジはキスクならではの味が出ていてかっこいいものの、コーラスに入ると普通だなぁと思ってしまうことがしばしばでした。
もちろん好きか嫌いかで言えばかなり好きなんだけど。
Place Vendomeっぽさはだいぶ薄められていて、あの哀愁が好きだった僕としては残念です。
日本版ボーナストラックのThe Morning AfterはPlace Vendome風で、一番気に入りました。まぁだからこそ外されたんだろうな……。
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駄曲がないかわりに「これだ!」という決め曲もない感じのアルバムでした。
豪華メンバーをそろえたものの、化学反応を起こさずにこじんまりとまとまってしまったような。
製作側としても手探り状態だったのかもしれません。なにしろ御輿に乗っているのは長年メタル嫌いを公言していたマイケル・キスク……。
二作目がどうなるか気になるところです。
正直言うとPlace Vendomeに力を入れてほしいんだけど、もうプロジェクト終了なんだろうなぁ……。