自作ゲーム














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2018 年 4 月 5 日

シューティングゲーム製作のヒント その2
計算されつくした格調高い弾を作ろう

Filed under: STG — 坂葉 @ 18:37:14

 とりあえず、ゲーム制作について講釈垂れるなら自分の作品を見せておかないといけないよな、うん。
 虚夢の乙女 steam版販売開始です!





 なんてあからさまな宣伝なんだ……。

 その1はこちら。
 http://akiragoya.sakura.ne.jp/blog/archives/462
 正直、10年近く前の記事なので書きなおしたいところもいっぱいあるが、まぁ当時の自分はこう考えていたということでそのまま残しておこう……。

.
 計算されつくした格調高い弾……これを「少ない数の弾で追い込み、意表をついたところからの狙い撃ちで撃墜する」と、とりあえず定義しよう……。
 勝手に定義するな!と言いたい方もいよう。しかしどう考えても意味のよくわからない曖昧な一文なので、強引でもいいからそれっぽく解釈しないと話が続かない……。
 文句がある人は、自分なりの「計算されつくした格調高い弾」論を書くんだ……。

 さてこの攻撃、実は計算し尽くして生まれたものではない。
 当時のアーケードゲームの置かれた状況とハード的な制限から、必然的に出てきたものである……。

 まず当時のハードは性能がそれほど高くなかったため、キャラクタを複数出すのは難しかった。
 敵弾を64発出すだけでも相当な負荷で、それを達成できたのはバトルガレッガからである。(レトロSTGとは一線を画し現代のSTGの元となった「新しい」作品といえる)
 おそらく最大16~32発程度に制限されていた作品が多いのではないかと思う。
 そのため、少ない弾数で攻撃を組み立てるには、弾の速度を速くするのが手っ取り早かったのである。
 弾が速ければ画面外に出るのも速く、回転率が上がるわけである。
 回転率が上がる、つまり攻撃の頻度が上がれば、すごい攻撃がバンバンきてすごい!となる。
 デカキャラとかたくさんの敵とか、とにかく見た目の物量が多ければ単純に感動できる時代だったのだ……。でかくてたくさんは8ビットのロマンなんだよ……。

 さて、回転率。……当時のアーケードゲームの世界は、客の回転率も求められていた……。
 さらに難しいゲームはえらい、みたいな風潮もあった。

 ゲーム的に見るともうひとつ特徴的な部分がある。
 当時のシューティングゲームは敵の体当たりという要素が強かった。
 動きが早く軌道もトリッキーで、自機に向かってきたりもする。なんの予告もなく下から出てきたりもする。
 正直、今の目で見れば無作法と言える……。黎明期だからこそできたやり方である。

 敵が弾を撃つタイミングがわからないというのもあって、敵自体の当たり判定に加えそれをさらに数倍にした「危険範囲」のようなものがあった。
 自機の攻撃も貧弱で、多くは正面~前方90度程度しか攻撃できなかったことも影響し、両サイドに出現する敵の危険範囲はかなり大きくなる。

.
 シューティングゲームの基本の一つに「自機狙い弾」というのがあり、読んで字のごとく自機を狙う珠である。
 これを撃たせるとプレイヤーを追い込んでいける。

 具体的な例を出すと、まず画面右端に敵を出し短い間隔で自機狙い弾を撃たせるとする。
 もしくは画面右端に複数の敵を出し、時間差で自機狙い弾を撃たせる。
 すると、弾と弾の間隔が狭く速度も速いため隙間を抜けることができず、プレイヤーはどんどん左に追い詰められていく。
 画面左端に到達すると、プレイヤーは上に逃げる。
 ここで意外な所から撃たれれば回避の空間が少なく被弾しやすいし、そのまま追い込まれても画面上端で被弾する。
 これが計算されつくした格調高い弾の正体なんだよ……。

 ただ、昔のハードは弾をたくさん出せなかった。なら、上の理屈は通じないのか?
 そうではないんだよ……。
 上にも書いた通り、昔のシューティングゲームは敵の「危険範囲」が大きかった。
 ザコでさえ相当でかい危険範囲を持っている。
 だから、「撃つタイミングがわからない」という圧力を盾に、敵単体でもかなりの追い込み力がある。
 トリッキーな軌道、高速移動、高い耐久力を持っていればなおさらである。
 昔のSTGのザコ敵の一部は、動きが読みにくく弾まで撃つ超厄介なミサイル・ホーミング弾でもあったと言える。
 ホーミング弾のすさまじい追い込み力は、説明せずとも理解できるだろう……。

 これらの追い込みに加え、後ろから出るとか画面中央付近まで降りてきて攻撃するとか、高速かつトリッキーな動きの敵を出すとかで、さらに格調は上がるわけである。

 また、固い敵というのも重要で、こいつは一定期間プレイヤーの位置を固定する働きがある。
 倒すには正面に居座らねばならず、正面に居座っていると自機狙い弾で撃ち落とされる。これはきつい。
 かといって無視すれば、固い敵自体が延々と攻撃を垂れ流し、こいつの弾で追い込まれる。
 格調の高さは敵の固さでも表現できるわけである……。

 これに加え、自機の速度もある。昔のSTGの自機は遅かった……。
 自機の速度が遅ければ遅いほど追い込まれやすくなるのだ。
「わかってたのに!」と吸い込まれるように被弾するのは自機の遅さが原因である。
 自機狙い弾の連射を回避するには、速い自機で大きく動くという攻略法があり(切り返しと呼ばれる)、現代のシューティングが格調低く見えるのも自機の移動が速いというのが大きい。敵は格調高い攻撃をしてるのに、自機の性能が高くて簡単に避けられてしまうのだ。
 自機の移動速度は、弾の回避以外にも画面両端の敵を倒すのにかかる時間にも関わる。移動に時間がかかれば当然撃たれる弾も多くなり、難しくなる。
 つまり自機の速度はゲームの難しさに直結する。
 自機が遅ければ遅いほど少ない敵や弾で追い込むことができ、格調はどんどんあがり、最終的に「こんなんやってられっかよ!」となるのである……。

 悪いことは言わないから、自機の速度だけは速めにしようぜ……。実はかつての僕はこのへんのことをわかっていなくて、x68k最終作のデスエフェメラやwin一作目のGalshellは結構イライラするのだった……(バージョンアップで速くした)
 かつての僕と同じくレトロゲームファンにはこのあたりをわかっていない人も多いと思う。格調高さを重視する人は自機がトロいSTGを作る可能性があるので、ほんと注意したほうがいいですよ……。僕の失敗を繰り返さないでくれ……。

.
 さて、賢明なる読者諸氏はもうお気づきかもしれない。
「計算し尽くされた格調高い弾」の要素の多くは、実は品がないためプレイヤーも製作者も嫌がった要素でもあるのだった……。
「それずるい!」と言いたくなる要素こそが、格調の高さを演出するのである。
 格調高さの本質はどうやってプレイヤーを追い込むかにあり、昔のシューティングはハード性能が低かったこともあって、少ない敵や弾をずるく使っていたのだった。

 緻密な計算の結果こうなったのではなく、当時はこうするしかなかった。
 ゲームとして成立させるためにはどうやってもこうなる。誰がやってもこうなる。
「こういう理屈の元に、こういう攻撃をさせよう」として生まれたものではなく、「このハード性能でシューティングゲームを成立させるには、こういう要素とこういう要素で追い込むしかない」と必然的に出来上がった形と言える。

 ハード性能の向上と製作ノウハウの蓄積によって、ずるい敵は減り自機の攻撃手段も増え、正々堂々と自機を追い込めるようになった。
 危険範囲の圧力や変な所からの高速弾に頼らずとも、計算され尽くした敵配置と弾幕構成で組み立てられるようになったのである。
(ただ、これが行き過ぎて画面最下部で左右に動くだけになりがちなのは否めない……)

 そしてここが重要である。
 レトロゲーマーが「格調高い」と思う要素を詰め込んだゲームを作っても、レトロゲーマーは評価しないのである!
 これはもう確実である。9割方嫌がると言ってもいいだろう……。
 なぜなら、これらの要素はかつてのゲームファンが嫌がったため淘汰された要素だからである……。
 かつてのゲームファンが嫌がったため淘汰された要素だからである!
 淘汰された要素なのである!!
 もう一度言うと、格調の高い要素とは、かつてのゲームファンが嫌がり製作者も良くないと思って削除された要素なのである!
 このものすごいジレンマ……。

 実際、古いゲームをやるとイライラする部分が「そうそう、これだよこれ」と面白かったりするんですよ。少ないオブジェクトでよくこのバランスが取れてるなぁと感心もする。
 でも最近のゲームに同じ要素が出ると「この作者はSTGがわかっていない……」みたいになる。「不親切」「イライラする」という評価になる。
 僕もコンピュータゲームの黎明期を通過した人間なので、好きなクラシックゲームをプレイするとうっとり感動してしまう。
 しかしこれは、狙ってやったというより、こうするしかない、誰がやってもこういう方向に行く、というものだったんだよ……。
 格調低い下品な弾幕STG作ってる人でも、あの時代のハードを渡されたら格調高いゲームを作らざるを得ない。
 そうやって生まれた格調の高い作品を、感受性の高い少年時代に目新しい娯楽として接すれば、まさに芸術的な一品と見てしまうのも仕方ない。
 だが今それと同じようなものを出しても、楽しめる人はほとんどいないだろう……。過去を体験してきた人ほど嫌がると言える。
 むしろ、何も知らずに接する人の方がかつての僕たちと同じように楽しめるのではないか。

 一発に込めた狙い撃ちなんかもそうで、これはかなり嫌がられる。実際に現代のアクションゲームでも嫌がられていて、例えば弱点にしか攻撃が通らずその弱点をなかなか出さないボスとか出したら、非難轟々であろうことは想像に難くない。
 余談だが、僕はかつて夜光蛾5というゲームを出した。そのときに、「狙い撃ちを外したら大きなストレス」という部分を逆手にとって「絶対に当たる狙い撃ち」というコンセプトで組み立てていったのだった……。弾の直径が画面の高さの1/3くらいの溜め撃ちにしたわけですよ。基本は、巨大なチャージ弾を敵にめり込ませてから放つという形。敵弾も消せるのでめり込ませやすい。
 一発にかけた狙い撃ち要素に見せかけて、実際は近接武器なわけです。

.
 だがひとつだけ気に留めておいてほしい。
 シューティングの進化の中で、「下から予告なく出てくる」「高速・トリッキー・体当たり」などは淘汰されてきたのだが、これは本当に悪なのか? これらを利用する方法はないのか?
 僕は、これらの要素もまだ使い方があると思うのである……。それについてはのちほど書くことにしよう……。

.
 ここで「自機狙い以外に格調の高い攻撃はないのか?」と思う方もいよう。
 ……あるのである……。
 格調高さの本質は自機の追い込みにあると書いた。つまり自機の移動範囲を特定の区画に絞ればいいわけである。
 まず簡単なのが、すでに書いた通り固い敵を出すことである。これは基本中の基本であり、こいつにどういう攻撃をさせるかで自機の行動を操れる。
 一方固い敵を出しすぎてもうんざりするだけなので、使い方には注意が必要である。
 以下、弾幕ではなく高速弾主体ということで見てほしい。弾幕だと意味合いが変わってくるのだ。

 とりあえず、方向固定の3way弾といこう。
 角度広めの3way弾がいい。
 こいつはほんとすごいやつですよ。
 3wayの範囲内に自機の動きを制限できるうえに、正面も危険とくる。
 しかしその危険度はそれほど高くない。
 ちょっと軸をずらせば安全に撃ち込める。危険がチャンスになってしまうのである……。
 3wayの拡散角度が広ければ、それに応じて移動の自由度もできる。
 また、敵から離れれば離れるほど安全エリアが増える。
 ある程度固い中型機に3wayを撃たせるのが、達人・雷電以降のSTGの基本とも言える。
 本体の危険範囲の圧力に加えて、敵から離れるほど危険度が薄くなる。
 しかし完全な安全地帯である3wayの範囲外に出ると、今度はこの敵のもつ危険範囲がまるごと大危険範囲になり、大きく移動の自由を奪われるわけである……。
 これは弾の発射間隔が短めの場合であって、発射間隔が広かったり明確な発射前兆があると、危険範囲の扱いも変わってくる。
 横に二機並べるとどうか? こいつらの発射タイミングが同じだとどうなるか、ずらすとどうなるか、など単純ながら奥が深い。
 とにかく、作るのが楽で機能的にもかなり役に立つやつだと言えよう……。
 敵に困ったら方向固定の3way中型機ですよ。こいつを出しとけばもう間違いない。

 3wayの角度が極端に狭ければ(間を抜けるのが難しいくらい狭ければ)、それは沙羅曼蛇のリップルレーザーのように「だんだんと判定が大きくなる弾」のような扱いになる。
 正面はかなり危険で、攻撃と攻撃のタイミングを見て大きく避ける必要が出てくる。
 プレイヤーはヒット&アウェイを要求されるわけです。

 これらの攻撃に加え、別の所から自機狙いを撃たせれば、移動制限されたうえに狙い撃ちされるという格調高い状況が生まれるのである。

 ここで、3way以上はどうなのか?と思う方もいよう。
 扇状弾の弾の数が増えると、並んで迫る弾の隙間を避ける形になる。追い込まれるというより、動けなくなる……。
 スピード速めで範囲90度以上9way以上となるとけっこう厳しい。
 壁状になって迫る弾の隙間の抜けるのは、一瞬の決断と思い切りがいるわけですよ。
 これを高速で連射するのはかなり下品で格調低い行為と言えよう。これを左右に動きながら撃てば野蛮の極みと言える。
 しかし「やばいやつの怖い攻撃」としてはなかなかのものがある。やばいやつは品など気にしないからやばいのだ。

 では方向固定ではなく自機狙いの3wayはどうなの?と考える人もいるかもしれない。
 高速弾で幅広めの3way……あれ、これって意味あるのか? 弾が速ければ左右の二発は機能しないんじゃないのか?
 おおむねその通りである……。横の二発は飾りと言える。(二人同時プレイの場合は違うが)
 だから、高速弾STGを作っていて「難度は上げたくないけど見た目の迫力を出したい」という時は、高速の自機狙い3way(広めの扇状弾)を撃たせよう。
 ゲーム的に意味があるのは自機を狙ってる一発だけで、無理に動かなければ他の弾には当たらないんだけど、見た目の印象はとんでもない鬼畜攻撃となる。
 ただ、こういう敵が左右に素早く動くと話は変わってきて、途端に見た目通りの鬼畜攻撃になる。
 シューティングゲームの難しさの基本は「離れた二点以上の場所からの攻撃」にあり、敵が高速で動きながら弾を撃つと、敵単体での「複数地点からの攻撃」となる。
 しかしこれについて説明すると長くなるので、またの機会にしよう……。

.
 自機の移動範囲の制限としては、レーザー攻撃もある。
 これはもう見てすぐわかる通り、はっきりと線で示された移動制限効果がある。
 前兆動作や予告線をつければ、「あとちょっとでこのエリアが分断されますよ~」と宣言でき、それを軸にした攻撃を作ることができる。
 自機狙いでの追い込みと合わせると、いろいろおもしろい状況を作れるぞ……。
 レーザーの照射時間で難度を調整でき、地形STGのギミック的な使い方ができる。
 レーザーを照射しながら砲身をぐるぐる回転させればまさにギミックSTGである。
 回転させながら照射・停止を繰り返したらどうかな……とか、複数の回転レーザーを干渉させたら?とか、地形も出して干渉させたら?とか、このレーザーは敵弾も消すようにしたら?とか、ザコ敵もこのレーザーでダメージ受けるようにして、うまく敵を誘導して切り抜けるシーンはどうか、とか、いますぐにでもゲーム制作を開始したくなるおもしろさがある……。あーゲーム作りてぇ……。みんなも地形ギミックSTGを作ろう。弾幕とか格調とかどうでもいいんだよ……。いまは地形の時代なんだよ……。

.
 いろいろ書いたが、要は、STGの敵弾の撃たせ方のキモは「自機を追い込む」「自機の移動範囲を狭める」ということと言える。
 そのために弾だけじゃなく敵自体の当たり判定や「いつ撃つかわからない」などの圧力を利用すると格調高くなる。
 自機を撃ち落とすと考えるんじゃなくて、移動の自由度を減らして追い込むと考えよう。
 そうすれば気力が切れた人は自滅し、やる気のある人は死中に活を見出す。
 切り抜ければ自力で脱出した感じが出て気持ちいい。
 ミスした人も「もっとがんばれば行けたかも」となる。かもしれない。
 殺意のある弾とか殺しに来る攻撃は、ほどほどにしておこう……。そんなの作ろうと思えばいくらでも作れるのである。
 直接殺す攻撃は本質ではないんだよ……。

.
 これらの話は、多くの人には「そんなん言われるまでもねぇよ……」という感じかもしれない。
 また「いや、それは違う。真の格調高さとはこうだ」「オマエの理論は間違っている。オレの理論ではこうなっている」「そんなのよりもっと大事なことがある」などと思う方もいよう。
 思ったら書くんだよ……。ブログでも自分のウェブサイトでも作って、誰でも好きな時に閲覧できるように資料として残すんだよ……。ほら、言いたいことあったら今すぐ書けよ……。読みに行くから……。
 あと、そのすごい理屈でゲームを作って公開するんだよ……。
 シューティングゲームの世界はゲーム構成に関してのノウハウの共有が少なく、みんな独自の理屈に従って作っていると感じることが多いため、今回僕の持論を展開した次第である。正直、こういうノウハウをいちばん読みたいのは僕なんですよ。

 シューティングゲームの作り方としては、現在は弾の撃ち方や敵の動きはそれほど重要ではなくなっている傾向にある。
 最近は高速弾を売りにしているものでも充分に弾が多く、仕組み的には弾幕シューティングに近かったりする。
 今は敵配置の方が重要と言える。
 自機狙いでの追い込みも敵配置と絡める必要があり、追い込まれる状況を自機の攻撃で覆すという形にもなっている。
 配置の妙によって、テンポよく敵を倒していけば追い込み攻撃を自然に避けられるように構成されている。敵は追い込む攻撃をしてるんだけど、その敵を適切に倒していけばなぜかかっこよく回避できているというか。
 このあたりはケイブのゲームはほんとよく作られていて、「計算されつくした格調高い弾」というのはむしろ弾幕STGの真髄とも言える……。
 理不尽だったり苦肉の策として生まれたりした「格調の高さ」を、ちゃんと理論化した上で道具の一つとして使っているのが、今のSTGといえるのです。

 だから僕は本当は敵配置の話がしたいんだよ……。「今のシューティングは敵配置が8割」こう言いたいところである。まぁ8割はちょっと盛ったかもしれないな……。7割くらいにしておこうか……。まぁ6割でもいい。

.
 そうそう、上に書いた高速トリッキーな敵や体当たりしてくる敵、下からいきなり出てくる敵など、今では嫌がられる無作法な要素の使い方について僕が考えていることも書いておこう……。
 それは敵との接触ダメージを無くした上で、体当たり等の無作法な行いをさせるという方法。
 敵は体当たりしてくるけどミスにはならない、しかし接触判定はあり大きく弾かれるので被弾の可能性がある、みたいな感じ。
 地形ギミックものなら、弾かれてミスするという方向でいろいろな仕掛けが考えられる。いわゆるピタゴラスイッチのような面白さを出せる。
 また、敵にぶつかると弾かれるという前提を意識づけた上で、特定の敵に弾かれることにより仕掛けをクリアする、のようなギミックを作ることもできる。
 逆に敵を押して罠に突っ込ませるということもできる。これはいつかやりたい……。

 いまのところは敵との接触を積極的に取り入れたものは作っていないが、虚夢の乙女2面の高速スクロールシーンでは、ほうきバイクに乗った敵が体当たりしてきたり岩の塊にガンガンぶつかりながら掘り進むようなシーンがある。
 鋼鉄のヴァンパイアの高速スクロールシーンも地形や敵にぶつかりながら強行突破する感じを出そうと思ってたけど、これはうまくいってないな……。
 製作中の夜光蛾8では、元ボクサーの怪人が弾幕(連射弾)でリングロープを作り、小型の敵(魔法陣)をパンチに見立てて主人公にぶつけ、リングロープに接触させようとするシーンがある。

 とまぁこのように、進化の過程で淘汰された要素も発想次第で別の使い方ができるわけです。
 上に書いた夜光蛾5の狙わない狙い撃ちもそう。
 僕のようにアイデアに自信のない人は、こういう捨てられたゴミの中からネタを拾ってくるといいぞ……。

.
 ここからは余談。読むとたぶん時間の無駄だぞ……。

 元発言を揶揄してるみたいで気分よくない……と思った方もいよう。
 まぁ、そういう面も確かにある……。
 しかし! 僕はいちおうwinだけでも様々なジャンル・システムのSTGを10本以上公開してるわけですよ。
 win向けだけ見ても15年近く作り続けているわけですよ。
 いまどきのSTGの話をするなら、ひとこと言いたくなるのは人情というもの……。これくらい許してくれよ……。

 そして、僕は「計算されつくした格調高い弾」という表現をバカにしているわけではない……。
 むしろ、なぜ自分が思いつかなかったのかとものすごく悔しい思いをしている。
 この表現へのリスペクトを兼ねて、今回の記事を書いたとも言える。

 そして「計算されつくした格調高い弾」の、目を引かずにはいられないキャッチーな響き。
 とりあえず使いたくなる親しみやすさ……。
 これをネガティブな印象のままにしておくのは惜しい!とも僕は考えるのである……。
 少ない弾数で華麗に自機を追い込むという概念として、普通に使ってみたらどうか。

 皆にもわかりやすいように、ヘヴィメタルの話をしよう。
 メタル界には「メロディックスピードメタル」というジャンルがある。これはわかりやすくキャッチーなことからファンが多い一方「幼稚」「70年代のロボットアニメの主題歌みたい」などと蔑まれることになった。
 そんな中で「メロスピ」という略称が生まれ、この珍妙な響きにメロディックスピードメタルファンは嫌悪感を露わにした。
 しかし! である。このキャッチーで楽し気、かつ表記もしやすい言葉、排除するのはあまりにも惜しい。
 僕は積極的に使ったのである! 悪ノリするタイプのメロスピファンも使ったのである! 皆同じような想いを抱いていたのかもしれないな……。
 当時の僕はメロスピファン界ではほんのちょっと発言力があり、悪ノリするタイプの人たちと仲がよかった……。
 そのせいか瞬く間に普及したのだった。まぁ「メロディックスピードメタル」ってどう考えても長すぎるしな……。
 今では「メロスピ」という呼称は完全に定着し、かつては嫌がっていた人がいたなんて想像もできないだろう。
 嫌がっていた人が確実に存在し、変な言葉をごり押ししたとも言えるため、あの行為はどうだったんだろうと考える部分もある。MSMみたいな略称で良かったのかもしれない……。
 しかし「メロスピ」。やっぱいい響きですよ。「メロ」というところがなんか柔らかくて優しそうだし、「スピ」は居眠り中の寝息のようで可愛げがある。それでいてその音楽性は、猛烈な疾走感が支配する激しいヘヴィメタル。鋼の魂と柔らかな人情が一体化し、まさにメロスピである。

 僕はキャッチフレーズの力をものすごく重要だと考えていて、新作を作るたびに宣伝文句や動画の字幕を必死に考えている。
 それはもう頭を捻って絞り出している。「戸黒巻雲行」の人物像、似顔絵で目立つトグロヘッドも、頭を捻りに捻っているところからできている。というのを今考えた。
 僕は散歩によってゲームのアイデアを出しているが、その時間の1/2は売り文句を考えていると言っていいかもしれない。いやまぁ1/2はさすがに長いか。1/3くらいかもしれない。1/4くらいとも言える。1/5もあり得る。とにかく、ゲーム制作とキャッチフレーズには深い繋がりがある。
 そんなところに「計算されつくした格調高い弾」ですよ……。
 これはもう負けを認めねばなるまい……。
 単純に、悔しい。自分のゲームで使いたくてたまらない。
 僕の頭では「聴け! 重金属の雄叫びを!」「真硬派の文法は、今ここに制定された!」「楽園に 溢れ飛び散る 乙女汁!」みたいな泥臭く直接的な言葉しか出てこない。
 しかし「計算されつくした格調高い弾」ですよ……。あきら小屋の作品を長い間見ている人なら、僕の悔しさがおわかりいただけるかと思う。
 僕からは到底出てこないセンス……。この悔しさ……。

 キャッチフレーズに限らず、すごい発想をポンポンだして凡人を圧倒してくる輩が今の時代非常に多い。
 世界は天才で溢れている……。
 僕はそういう天才どもを倒すために、日夜頭を捻っているんですよ! それはもうトグロを巻くほどに捻っている。
 今回の記事、「わかり切ったことをダラダラと……」と思った方も多いだろう。しかし、凡人はこういうわかり切ったことを自分の中で確実に消化し、少しずつ知識と技術を積み上げるしかないんですよ。
 そしていつか……天才どもを倒す!

 倒す!!

.
 とまぁこのように、本当は何が言いたいかというと虚夢の乙女買って!ということですよ。
 正直、自分のゲームのことしか考えていないと言える。業界とかジャンルとかどうでもいいんだよ……。俺のゲームが売れればいいんだよ……。

 ちなみに虚夢の乙女をはじめとした僕のSTGは、格調の高い弾→それらを踏まえた弾幕STG、のさらに次の位置を模索している。
 普通のSTGっぽいんだけど、なんか普通のSTGと違うぞ?と思う方もいよう。
 僕にとってシューティングゲームは、弾を避けつつ敵を倒すものというより、自機をどう動かすかのアクションゲームなんですよ。
 格調高い弾理論は、そのための土台に過ぎない……。

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